【進撃の巨人】ライナーが銃で自殺未遂?ライナーの心情を徹底解説!

ライナーはパラディ島からマーレに退却してから3年後、銃を口に咥え自殺未遂に及びました。死にたくなる程追い詰められていたのはなぜでしょうか。

ライナーの生立ちと壁内潜入前後の経緯から、ライナーの苦悩について考察して行きたいと思います。

ライナーは激しい罪悪感に苦しんだ末に自殺未遂に及んだ

ライナーが自殺未遂に及んだのは、自分と変わらない人間を大勢殺してしまったことに激しい罪悪感を抱いていたためです。

ライナーがこのような罪悪感を抱くようになった経緯を時系列に沿って見て行きましょう。

ライナーが鎧の巨人を継承した経緯

ライナーにはエルディア人の母カリナとマーレ人の父がいましたが、エルディア人とマーレ人は子どもを持つことが禁じられているため父と一緒に暮らすことはできませんでした。

名誉マーレ人になって父と一緒に暮らすために戦士を志願

ライナーは「9つの巨人を継承して名誉マーレ人になれば父と一緒に暮らせる」「パラディ島の悪魔を滅ぼせば英雄として世界から認めてもらえる」という母の教えを信じ、戦士を志願します。

名誉マーレ人となったライナーに父が浴びせた言葉

厳しい訓練の末に鎧の巨人を継承したライナーは大喜びで父に会いに行きますが「お前の出自が調べられたら俺は終わりだ。俺に復讐しに来たんだろう。俺はお前たち悪魔の家族から逃げ切ってやる」と期待とは真逆の罵声を浴びせられてしまいました

名誉マーレ人となってもライナーがエルディア人であることに変わりはないので、マーレ人である父と一緒に暮らせる訳ではないのです。

それどころか、戦士となったライナーの出自が調べられれば父が禁忌を破ったことが知られるので最悪の場合死刑になってしまいます。

ライナーが可哀相な理由はカリナに復讐の道具にされていたから

鎧の巨人を継承して初めて現実を知ったライナーですが、カリナはこのことを知っていたはずです。

またカリナは表面的にはいいお母さんとして振舞っていますが、息子の寿命が縮んだことやライナーが戦争でボロボロになって帰ってくることを何とも思っていません。

つまりカリナは、自分を捨てた父とパラディ島のエルディア人に復讐するためライナーを幼い頃から洗脳してきたのでした。

【完結済み】進撃の巨人
created by Rinker
第35回講談社漫画賞。シリーズ累計1億部突破!2013年アニメ化、2015年実写映画化。2009年「別冊少年マガジン」で連載を開始し、2021年完結

壁内潜入後にパラディ島に住むのは自分たちと同じ人間だと気付く

鎧の巨人を継承して始祖奪還計画を託されたライナーは、アニ・ベルトルトと共にウォール・マリアを破壊します。

大勢の人が犠牲になりましたが、パラディ島に住むのは悪魔だと教えられてきたライナーには人を殺したという自覚がありませんでした。

しかし、訓練兵団に入団してエレンら104期生と過ごすうちに、壁内の人たちも自分たちと変わらない人間なのだと気付きます。

罪悪感から人格分裂が進行していく

罪もない人たちを大勢殺してしまったことや仲間を裏切っている罪悪感に耐え切れなくなったライナーは、次第に自分は壁内の人々を守る兵士だと思い込むようになり「戦士」と「兵士」に人格を分裂させていきます。

ライナーの人格分裂はいつから?

ライナーの人格分裂が決定的になったのは、トロスト区奪還作戦の際に自分たちの正体を悟ったマルコを巨人に食わせて殺害した時です。

「戦士」としてマルコの口を封じたライナーですが、仲間に直接手を下して殺したことを受け入れることができずマルコが食われる光景を見ながら「兵士」として涙を流しました。

人格が分裂した結果、自分の正体を無意識に打ち明けてしまう

人格を完全に分裂させたライナーは、敵であるはずのエレンに無意識に自分の正体を打ち明けてしまいます。

正体を知られたライナーは、エレンを力ずくでマーレへ連れ去ろうとしますが返り討ちに合い退却を余儀なくされるのでした。

マーレに帰ってからも苦悩は続く

パラディ島から退却して3年間、ライナーの罪悪感は薄まるどころかどんどん大きくなっていきます。

大勢の人を殺したのに計画は失敗、自分の罪を誰にも打ち明けられない、大量殺人鬼の自分を讃える家族・・・極限まで追い詰められたライナーはパラディ島で過ごした日々を思い返しながらライフルに弾をこめました。

銃で喉を打ち抜こうとした直前の回想

ライフルで喉を打ち抜こうとする直前にライナーが思い浮かべていたのは、訓練生時代のエレンとの会話です。

ライナーは始祖奪還計画のターゲットであるエレンを励まし続けていた

「俺には力が無いから何も果たせず終わる」と嘆くエレンの姿に戦士候補生時代の落ちこぼれだった自分を重ねたライナーは、エレンを力強く励ましました。

「巨人を一匹残らず駆逐するんだろ?お前ならやれる」なんとライナーは始祖奪還計画のターゲットそのものであるはずのエレンを無意識に励まし続けていたのです。

何があっても前に進み続けたエレンはライナーの目の前でベルトルトを討ち取る

ライナーから勇気をもらったエレンは何があってもくじけず前に進み続け、挙句にはライナーの親友ベルトルトを討ち取ってしまいました。

大勢の人を犠牲にしたにもかかわらず、自分がエレンを励ましたせいで計画は失敗しかけがえのない親友も失ってしまったのですから死にたくなる程の罪悪感に苦しむのもうなずけますね。

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進撃の巨人の表紙

ファルコがライナーを思い止まらせる

引き金を引こうとするライナーを思い止まらせたのは戦士候補生のファルコでした。

ファルコは、ライナーのいとこで鎧の継承候補者であるガビに好意を寄せており、ガビを守るために自分が代わりに鎧を継承したいと思っています。

一方ライナーもガビには自分と同じ道を辿らせたくないと思っていて、目的が共通するファルコの力になりたいと考えていました。

引き金を引こうとした直前にファルコの思いを耳にしたライナーは、2人を見届けるためまだ死ねないと踏みとどまったのです。

ライナーが銃で自殺未遂?ライナーの心情のまとめ

ライナーは罪もない人たちを大勢殺した罪悪感に苦しんで自殺未遂に及んだことが分かりました。

もちろん罪を犯した人が業を背負うのは当然ですが、ライナーの場合親に洗脳を受けたことが人格形成に大きく影響しているのでライナーだけがこんなに苦しんでいるのはあまりにも可哀相です。

今後はライナーが自分の罪とどのように向き合い償って行くのかに注目して行きたいですね。

 

【完結済み】進撃の巨人
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第35回講談社漫画賞。シリーズ累計1億部突破!2013年アニメ化、2015年実写映画化。2009年「別冊少年マガジン」で連載を開始し、2021年完結