渋谷事変も佳境に突入しますます熱くなってきた呪術廻戦ですが、その中でも転換点となる話が1~2巻収録の「呪胎戴天」、いわゆる少年院編です。
この話では虎杖たちが初めて特級呪霊と邂逅し衝撃のラストを迎えることで話題となりましたが、この記事ではそんな少年院編についてあらすじをまとめ、後につながる伏線を考察していきます。
呪胎戴天のあらすじと初の特級呪霊のラストに衝撃展開があった
西東京市の少年院にて特級仮想怨霊の呪胎が発見され、派遣された虎杖、伏黒、釘崎は補助監督の伊地知に「特級と出会っても絶対に戦わないこと」を念押しされ少年院へ侵入しますが、中には既に呪霊の生得領域が展開されており、驚愕する三人。
中の遺体を親に届けようとする虎杖と、助ける気はないという伏黒が言い争っていると、釘崎が呪霊に連れ去られ、呪胎から変態を遂げた特級呪霊が現れます。
特級呪霊の攻撃で腕を失った虎杖は、伏黒に釘崎を連れ領域から脱出するように提案。伏黒と釘崎がなんとか領域外に出ると、虎杖の肉体の主導権が宿儺に切り替わり領域展開して特級呪霊を一瞬で撃破。
そして宿儺は伏黒の前に現れると虎杖の心臓を抜き取り、肉体の主導権を取り戻すと虎杖は死んでしまうという状況を伏黒に押しつけます。
伏黒は「宿儺にダメージを与え、虎杖が戻る前に心臓を治させる」という作戦を立て宿儺に勝負を挑みますが、圧倒的な強さを持つ宿儺には歯が立たず術式も破壊されてしまいます。
打つ手のなくなった伏黒が未知の術式を発動しようとすると、なぜか興味を示し「魅せてみろ!!」と叫ぶ宿儺。
伏黒が奥の手の術式を使用する寸前、なんと虎杖が肉体の主導権を取り戻すのですが、心臓を失っている虎杖は「長生きしろよ」と伏黒に言い残し、死亡してしまいます。
以上があらすじですが、この少年院編は「物語の序盤で主人公が死亡する」という展開で読者に衝撃を残した一方、伏黒が使用しかけた奥の手の術式など様々な伏線を残しました。
この記事では、
- 特級呪霊は宿儺の指を取り込んでいた!
- 伏黒の奥の手は何だったのか?
- 宿儺が伏黒に興味を示したのはなぜ?
この三点に注目して、考察、解説を進めていきたいと思います。
圧倒的な力を持つ特級呪霊は宿儺の指を取り込んでいた
少年院にて呪胎から変態した特級呪霊は、虎杖達に逃げる暇さえ与えず圧倒的な力を見せつけましたが、少年院編の後半でこの特級呪霊が特級呪物である両面宿儺の指を取り込んでいたことが判明しました。
つまり、もともと特級相当の力を持つ呪霊が特級呪物を取り込むことで更に力を増し、あれほどの実力を手にしていたわけですが、同じように宿儺の指を取り込んだ呪霊が登場するのが、7巻に収録されている八十八橋編。
心霊スポットである八十八橋の調査に乗り出した虎杖たちは八十八橋に発生した呪霊と、更に呪胎九相図の二体と遭遇、交戦しますが、このときの八十八橋の呪霊も宿儺の指を取り込んでおり、少年院での特級呪霊に相当する呪力と同じような容姿を持っていました。
現在の渋谷事変編で虎杖の取り込んでいない宿儺の指は残すところ数本となりましたが、今後、強力な呪霊が残っている指を取り込み、虎杖たちの前に立ち塞がる可能性は十分にあります。
伏黒の奥の手は五条すら倒せる禪院家の禁術
少年院編のラストで宿儺に対し伏黒が発動しようとした術は、発動直前に虎杖が復活しその詳細は隠されたまま様々な考察が飛び交っていましたが、呪術廻戦14巻にて明らかになりました。
まず、伏黒の「十種影法術」は
- 最初に2匹の玉犬だけが術師に与えられる
- それ以外の術式を扱うにはまず術師と玉犬だけで調伏を済ませなければならない
- 手持ちの式神を増やしながら調伏を進めれば、十種の式神を得られる
というものですが、更に「調伏は複数人でも出来るが、複数人での調伏はその後無効になる」というルールがあり、伏黒が発動しようとしていたのは十種影法術の中でも最強格の式神「八握剣 異戒神将魔虚羅」の調伏の儀式だったのです。
つまり、伏黒は調伏不可能なほどの力を持つ式神「魔虚羅」の調伏に相手を強制参加させることで、自身も魔虚羅に殺されてしまうが相手も道連れに出来る、という奥の手を持っていました。
更に伏黒と五条の回想によると、「過去の五条家と禪院家の御前試合で、禪院家の当主が五条家の当主(五条悟と同じ六眼持ちの無下限呪術使い)と相打ちに持ち込んだ」という事件があり、このことから伏黒の奥の手は呪術廻戦において最強のキャラ、五条悟すらも倒せる可能性を秘めているということに。
少年院編の伏線である宿儺が伏黒に興味を示している理由
様々な伏線が張られた少年院編の中でも、一番謎に包まれているのが「宿儺が伏黒に興味を示した理由」ですが、この少年院編以降、宿儺は虎杖を通して伏黒の動向を観察しており、渋谷事変編においても瀕死の伏黒を救っています。
読者の間では伏黒の奥の手が宿儺に利用されるのでは?と考察されていましたが、前述の通り伏黒の奥の手は式神「魔虚羅」の調伏儀式であることが明かされ、その魔虚羅も宿儺が倒してしまったので、宿儺の目的は再度謎に包まれました。
まとめ
序盤ながら様々な伏線を残し、特級呪霊の恐ろしさを見せつけた少年院編。
これからの呪術廻戦の展開にも少年院編が絡んでくる可能性もあり目が離せませんが、やはり気になるのは残されたままの謎、「宿儺は伏黒をどう利用するのか」ですね。
14巻で宿儺が「自由になるのもそう遠い話ではない」と語っていることから、宿儺の目的はやはり自身の完全復活が前提としてあるようなので、これからの呪術廻戦は
- 宿儺が自身の復活に伏黒を利用する
- 宿儺が完全復活の後に、伏黒を目的のために利用する
これらの展開がありそう。
なんにせよ、呪術廻戦は過去の物語や設定が緻密に現在のストーリーに絡んでくるので、少年院編を読み返すことでまた新たな発見があるかもしれません。