鬼の餌として飼育されていることを知らずにグレイスフィールドという施設で幸せに過ごす子どもたちは、ある日を境に自分たちが餌であるという真実を知ってしまい、自由を求めて外の世界へ逃げ出すという週刊少年ジャンプ連載中ダークファンタジー「約束のネバーランド」には数々の名場面・名言が存在しています。
今回は約ネバの名場面・名言を厳選してご紹介。
約束のネバーランド農園~脱獄編
まずは物語の始まりである子どもたちがまだ真実を何も知らずに一見幸せに農園で過ごしていた頃から、ある事件をきっかけに自分たちが餌であることを知ってしまい脱獄を企て外の世界へ向かう序盤からピックアップしていきます。
お調子者ドンが怒った本当の理由「家族だろ、兄弟だろ」
いつもみんなを笑わせるお調子者のドンが珍しく激しい怒りからノーマンとレイを殴り「家族だろ 兄弟だろ」と思いを打ち明けるシーンがありますが、なぜドンがここまで怒ったのかというと、エマたちに嘘をつかれたからでも実は施設が農園で自分たちが鬼の餌だったという真実に怯えたからでもなく、エマたちを「家族・兄弟」だとドンは思っていたからです。
エマ・ノーマン・レイは脱獄計画を成功させるために年長者であり能力も高いドンとギルダの2人に真実を話し協力を要請することを決めますが、そう簡単には納得しないであろう衝撃的な内容であることから少しオブラートに包み若干の嘘をついてドンとギルダに説明します。
しかしドンとギルダはエマたちが思うよりずっと頭が良く、それに加え本当にエマたちを家族同然に想っており本当の真実を自ら得たドンは自分が守られるだけの存在であり、エマたちに信用されていないと情けなくなり自分に能力がないことがとても悔しいと涙を流しました。
ただ「エマたちに嘘をつかれた」とドンは激昂したのかと思いましたが、実はエマたちを誰よりも信用して家族・兄弟同然だと思っており対等になれない自分の弱さにドンは怒り悔しがっていたのです。
外の世界でエマが思う「自由ってなんて美しく苛酷なんだろう」
緻密に脱獄計画を練りノーマンの餌としての出荷・エマの足の骨折など数々の苦難を乗り越えついに農園の壁の向こうへと逃げ出すことに成功したエマは、森の中を走りながら「私たちは自由なんだ」と幸せを噛みしめますが、ふと脱獄はゴールではなく外の世界で生きていくのだという事実に気が付きます。
自分たちを餌とする鬼たちがうろつく世界で住むところや食料を探し出し子どもたち全員で生きていくことは本当にできるのだろうか、と震える両手を握りしめ輝く星空を見上げならエマは「自由ってなんて美しく苛酷なんだろう」と希望と恐怖を感じますが、農園に残してきたフィルをはじめとする幼い子供たちを迎えに行くことを誓い自分を奮い立たせ先を進みました。
農園からの脱獄その後編
誰一人逃げ遅れることなく農園から脱獄することに成功したエマたちは、恐ろしい鬼がうろつく外の世界で懸命に生き抜いていきますが、追い詰められたときこそ人間の本性が見えるものでそんな過酷な世界で生まれた名場面・名言をご紹介します。
髪の毛よりずっと大切なもの「そんなことよりお誕生日おめでとう」
以前、
関連記事:約束のネバーランド・アンナの人気の秘密とレイとの関係を徹底解剖
こちらのの記事でご紹介したアンナですが、エマたちの脱獄計画の中で自身の長い髪の毛を作戦を成功させるためにばっさり切って提供しました。
脱獄成功の後レイは長い髪を切らせてしまって申し訳なく「ごめん…髪…」とアンナに謝りますが、アンナが髪を切って渡した理由はレイに生きていてほしいと思うからであり全く気にしておらず、話題を変えるため「そんなことよりお誕生日おめでとう」とレイを笑顔で祝い髪の毛のことには触れなかったのです。
アンナがレイを家族同然に想う心が、レイに生きる決意をさせ今後二度と家族を裏切らず家族全員で暮らせる世界をつくろうと誓うまでに至らせます。
今まで登場回数も少なくそこまで存在感のなかったアンナを、一気に人気キャラクターへと押し上げた名言ではないでしょうか。
エマを生かす全て「私はまだ望む未来を叶えてない!!」
鬼たちの密猟場となっていた閉ざされた空間ゴールディポンドでエマは、最強の敵であるレウウィスと対決するのですが、賢く残酷なレウウィスは容赦なくエマたちを殺しにかかりついに長い爪で、エマを背後から刺して捕えレウウィスに爪を引き抜かれ倒れこんだエマは意識朦朧となり瀕死の重体となってしまいます。
薄れゆく意識の中エマはノーマンや農園に残してきたフィルたちを思い出し家族の元へ戻らなければならない、死ねないと自分を鼓舞しますが今にも途切れそうな意識は戻らずエマはもがきますが、突如憎んでいたはずのママ・イザベラがエマの夢の中に現れエマの手を引き上げエマは意識を取り戻し「私はまだ望む未来を叶えてない!!」と再び立ち上がったのです。
本来なら立つことすら出来ないはずのエマを奮い立たせた台詞に感動しつつも、大きすぎる未来を幼いながらに背負い込むエマに切なくなりました。
レイの決意「背負う覚悟はもうできている」
エマたちはミネルヴァに会うため道を急ぎますが、エマたち食用児を殺そうとするラートリー家の刺客アンドリューがその道を阻みます。
ユウゴとルーカスが命を懸けてアンドリューを足止めしエマたちを逃がしますが、もはや殺人鬼と化したアンドリューは食用児を殺したい一心でユウゴたちを殺し、エマたちを追撃。アンドリューによって仲間が殺されそうになったときレイは銃の引き金を引こうとします。
銃のスコープを敵に合わせ引き金を引こうとするレイは、脱獄を計画しみんなを外をへ連れ出した責任感からか何かと率先して行動していたのですが、とはいえレイもまだ子ども。
生きるために敵を殺さなければならない過酷な状況にレイはユウゴから「子供が背負う必要はねぇ」と大人の役割だと教えられていましたが、それを破ってでも仲間を助けたいと思ったレイは「ごめんユウゴ 背負う覚悟はもうできている」とアンドリューを殺す覚悟があると歯を食いしばります。
しかしユウゴの言葉がよぎりレイは一瞬引き金をひくのを躊躇い、その隙にアンドリューは鬼に食べられレイは人を殺さずに済みました。
頭が良い故につい頼ってしまいますが、まだ子どもであるレイの葛藤が詰まった台詞です。
エマの意志を尊重「納得してねぇならとことん向き合った方がいい」
ミネルヴァとしてエマたちを導いていたノーマンとの再会を果たすエマとレイですが、ノーマンが鬼を絶滅させようと着々と計画を進めていることを知りエマはそれに反対でした。
正しいのはノーマンであり仲間たちも鬼が絶滅することで、安心して暮らしていけると必死で自分を納得させたいエマですが、道中出会ったムジカや誰しも生きるためには食べなければならない事実を考えると、鬼を絶滅させずに和解したいと諦めきれないエマは自分でもどうしたらいいのか苦悩します。
レイはノーマンの計画が正しいと思いながらもエマの気持ちもくみ取り「納得してねぇならとことん向き合った方がいい」と提案しエマと一緒に考えてあげるのです。
自分は正しいと思っていても誰も賛成してくれなければ自信が持てず、手をあげることは難しくて心の内に秘めてしまうことは誰でも1度は経験があるのではないでしょうか。
いつも冷静沈着でどこか影のあるレイですが実は優しく家族思いな彼の性格が表れる台詞でした。
まとめ
約ネバの名言・名場面を厳選してご紹介しましたが共感してもらえたでしょうか?
ここでは紹介しきれないほどまだまだ約ネバには名言・名場面がたくさん存在していますのでつい何度も読み返したくなってしまう作品です。
いよいよ佳境の約ネバは今後も名言・名場面が増えそうですね。