人気漫画『約束のネバーランド』主人公の女の子エマは天真爛漫で小さな子どもたちの面倒見も良く、仲間からの信頼も厚い存在ですが、人気者のエマには物語が進むにつれて気になる点も。
約束のネバーランドエマには鬼の血が流れている?にて、エマには鬼の血が流れているのではないか?という説を検証しましたが、今回はその中でも「エマの耳」にスポットを当てて掘り下げていきたいと思います。
それでは、順を追って説明していきましょう。
エマはなぜ自身の耳を切り落としたのか
農園からの脱走のために自分自身の片耳を切り落としたエマですが、なぜそこまですることができたのでしょう?
敵をあざむくための勇敢なエマの行動と、謎が多く見えないエマの気持ちを考えていきたいと思います。
耳に居場所を知らせる発信器が埋め込まれている
農園で暮らす子ども全員には脱走防止のための発信器が耳に埋め込まれているのですが、これは逃げ出そうとすればママであり監視員であるイザベラが発信器を追い、すぐに阻止されてしまいます。
万が一発信器に異常があれば、本部にも連絡が入りすぐに異常はわかる仕組みになっていて、脱走の最大の壁は監視員イザベラの存在。頭の切れるイザベラを出し抜くには、入念な事前準備が必須です。
レイが焼身自殺を図ったとイザベラが対処する間に、エマはさらに時間を稼ぐために自身の耳を切り落とし別室に置いて逃げるのですが、予想通りイザベラはエマの発信器を追って別室を探しタイムロス、レイとエマを筆頭に子どもたちは無事脱走することができました。
- イザベラを欺くための入念な下準備
- エマが耳を切り落としてそれを焼くという常軌を逸した行為
普通では考えられない行為も相まってエマたちは鬼の餌になることなく、イザベラの目も欺いて施設から脱出することができたのです。
耳の発信器は壊せたのになぜエマは耳ごと切り落としたのか
実はエマたちの耳の発信器は、レイが長い月日をかけ発信器を調べ上げ破壊する装置を製作していたため壊すことができます。レイの破壊装置でレイを含む子どもたちは全員発信器を壊しますが、エマだけが耳を切り落とすという方法を選んでいるのです。
なぜエマは耳を切り落とす方法を選んだのでしょう?
エマより先に脱走したレイと子どもたちはエマが合流するとすでに発信器を壊し終わっていたので、破壊装置はレイが持って行ったと考えることが妥当であることから、レイが作った破壊装置は複製ができず、唯一の破壊装置はレイが持って行ったのではないか?ということが考えられます。
最後までひとり農園に残ったエマの手元に破壊装置はなく、エマは発信器を外すため仕方なく耳を切り落としたのではないかとも考えられますが、手元に破壊装置がなかったというなんともお粗末な理由がいまいち腑に落ちません。
なぜならこの脱走計画はエマの親友である頭脳明晰のノーマンが命をかけて考えたもので、緻密に組まれた脱走計画の重要なポイントでエマが破壊装置がなくて慌てて耳を切り落とすことにした、というハプニングが生まれるとは考えにくいのです。
レイの作った破壊装置をエマが信用していなかった
次にレイの作った破壊装置をエマが信用していなかったのではないか?と考えてみると、失敗が許されない脱走において、もし破壊装置が正しく使えずエマやレイの居場所がイザベラにバレてしまえば計画は失敗となり逃げ遅れる子どもが出ることをエマが懸念する気持ちもわかります。
脱走をより確実にするためにできるだけ時間を稼ぎたいエマは、レイの破壊装置にだけ頼ることを避け自分の耳を切り落とす方法を選択したのではと納得できるかもしれませんが、エマがレイを全く信用していないという可能性は低く、レイは自分の命を捨てるつもりで脱走を成功させたいと言っているほどです。
レイは破壊装置の「破壊検証実験」まで済ませていることをエマたちに打ち明けていますし、破壊検証実験の詳細は明かされていませんが、ノーマンに負けず劣らず頭の良いレイが曖昧な返答をするとは思えません。
もしレイの言うことをエマが全く信用していなかったとしたら、幼い子どもたちの命をかけた脱走を実行することはできないでしょう。
以上から、
- レイが作った破壊装置は複製ができなかった
- レイが作った破壊装置をエマが信用していなかった
という2つの考えはエマが耳を切り落とす理由には足りず、やはり明かされていないエマの本心が何かあるのではと考えます。
片耳を残すことでイザベラに「生きている」と教えた?
イザベラから逃げる時間を少しでも稼ぐために切り落としたとみられるエマの耳ですが、耳を残したことで生きて逃げ出したことがイザベラにばれてしまっています。
原作4巻より、床に落ちたエマの片耳を拾い上げるイザベラ。
当初イザベラはレイの焼身自殺を信じ切っているように見えますが、エマの片耳を見つけたことで「片耳以外は無事」なのだと把握し、残ったエマの片耳を手に数分前の出来事を反芻すると避難を指示した子どもたちがすでに靴を履いて逃げ出す準備をしていたことを思い出して、エマたちの脱走を確信しました。
エマがもし、故意に耳を残していたとしたらどうでしょう?
イザベラから逃げることにエマは最初から自信があり、なおかつ耳を残すことでイザベラに「生きている」とメッセージを残していたとしたら、それはイザベラへの同情のように思えて、エマたちと同じように食用児だったイザベラに対するエマの最後の優しさだったのでは・・・と想像しました。
エマの耳が復活する?扉絵の謎
16巻143話の扉絵で脱走の際切り落としたはずのエマの片耳がはっきり描かれていることから、エマの失った耳が復活するのでは?という疑惑で「約ネバ」ファンの間で騒然となりました。
脱走で耳を切り落としたあと、エマは耳部分を隠すため三つ編みにしたり、ヘアピンをつけたりしてさりげなく隠しており、もうずいぶん前から片耳を隠した髪型だったのに16巻で突然の復活。
ただの作画ミスでしょうか?
作画ミスにしてはずいぶんはっきり描かれていますし、今までヘアアレンジをしていたのだから忘れることもなさそうです。
エマに鬼の血が流れている可能性を提言している私としては、この耳の復活でもやはりエマの鬼説を否定できず、驚異的な身体能力を持つエマの治癒力で耳を復活させることもできるのではと思ってしまいます。
また、この扉絵では「昼と夜」が表されていると思われますが「あの方」がいた「昼と夜」は時間も昼も夜も左右もはっきりと決まったものがないようで、人間だとほとんどの人が当たり前に持っている「軸」が通用しません。
エマは「軸」をすべて取っ払い自身を開放したことで「あの方」に会うことができたと捉えると、エマはやはりただの人間ではないのではと思われます。
まとめ
今回は主人公エマの失われた耳について解説と考察をお届けしましたが、私は読めば読むほどエマが普通の人間ではなく鬼の血が流れているんだろうと予想してしまいます。
まだ明かされていないエマの真の姿・本心があるのではないかと想像できるエマの耳について、あなたはどう思いますか?
最新刊18巻現在では、エマの片耳は失われたままであり復活するしないについては全く触れられていませんが、今後片耳は復活するのか?復活しないとしても扉絵の意味は?など、まだまだ気になるところがたくさんある「約束のネバーランド」から目が離せません。