【ヴァニタスの手記】ヴァニタスが死亡する経緯とジャンヌとの関係性

大人気作品Pandora Heartsを生み出した望月淳先生の最新作である「ヴァニタスの書」は、中世フランスを舞台に、人間と吸血鬼が機械仕掛けの魔導書を巡って織りなす物語です。

主人公であるヴァニタスは、この作品の数少ない人間側のキャラクターですが、Episode1の時点で殺害されることが示唆されています。

そこで今回は、

  • ヴァニタスが死亡する経緯
  • ジャンヌとの関係性
  • ヴァニタスの正体と旅の目的

について見ていきましょう。

ヴァニタス手記の基本情報

まずは、ヴァニタスのプロフィールを見ておさらいをしましょう。

重要なアイテムであるヴァニタスの書、もう1人の主人公であるノエとの関係なども、併せて確認します。

ヴァニタスの年齢・誕生日・身長・体重

  • 名前:ヴァニタス(通称)
  • 本名:実際の本名はまだ明かされていないが、少なくとも「ヴァニタス」は本名ではない。蒼月の吸血鬼がヴァニタスに話しかけるシーンでは必ず「✕✕✕✕」と表記されているので、4文字の名前である可能性がある。
  • 年齢:18歳
  • 声優:花江夏樹(アニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎役)
  • 舞台キャスト:植田圭輔(舞台「東京リベンジャーズ」松野千冬役)
  • 誕生日:2月7日(水瓶座)
  • 身長:176cm
  • 体重:65kg
  • 好物:明確に明かされていないが、タルトタタンのような甘いものに対して苦い顔をする描写が多い。酒は警戒して全然手を付けないほど全然飲めない。
  • 特技:特に明記されていないが、実は家庭的で料理がすごくうまい。
  • 家族構成:ヴァニタスには両親がいた事が明かされている。モロー博士の被検体だった時期に、同じく被検体として出会ったミハエルから「おにいちゃん」と慕われている。
  • 性格:普段は軽薄に振る舞い、人を煽ることに躊躇が無いため、周囲から苛立ちを向けられているが、根が苦労人気質な常識人であることが、ノエや蒼月の吸血鬼のような自由人との関わりの中で明るみになってきている。
    しかし、実際は自己肯定が極端に低く、誰よりもヴァニタス自身が自分自身ことを嫌っている。
    吸血鬼を救うことに執着しており、そのためなら手段を選ぶことがなく、周りを巻き込んで翻弄する。

ヴァニタスの書の正体

この物語の重要なアイテムであるヴァニタスの書です

蒼い革表紙に漆黒の紙、銀の鎖で繋がれた見た目をしており、機械仕掛けの魔導書であるその謎多き本は、ノエが田舎からパリへ出てきた理由に起因します。

吸血鬼側には、

  • “本の形をした解析機関”と言われる代物
  • 吸血鬼の真名にすら干渉を可能にする力を持っている

などと噂され"呪持ち"と呼ばれる存在を生み出している元凶であると恐れられていますが、蒼月の吸血鬼から書を受け継いだヴァニタスは、吸血鬼の真名に干渉して改竄式を取り除く“逆演算”をするための力を持った本であると述べていました。

つまり皮肉にも、吸血鬼が恐れているヴァニタスの書が、吸血鬼の命ともいえる真名を穢された際に治すために必要なアイテムだった、ということです。

もう1人の主人公ノエとの関係

パリで衝撃的な出会いをし、それから共に行動し続けているノエとヴァニタスですが、2人の印象の移り変わりは、友情と括るには不思議なものになっていきます。

その流れについても押さえておきましょう。

ノエはヴァニタスに対して、一貫して「そんなに好きじゃない」とハッキリ本人に伝えています

しかし、異界の舞踏会での一件以降、ヴァニタスという人間に興味を持ち、ことの顛末を見届けたいと思うようになりました。

過去のヴァニタスの発言を引用して、「"オレはオレの望むまま、あんたの意思に関係なく"あんたと一緒にいることに決めました」と伝え、ヴァニタスから拒まれても構わず、ノエの意思で勝手に付いていくようになります。

その後、ヴァニタスがジャンヌに対する感情に戸惑っている際には、田舎を出て最初に出会ったのがヴァニタスで良かったと伝えるほど、ヴァニタスに対して心を開き、多大なる信頼を置いていることを表していました。

そしてノエは、ずっとそばで見てきたヴァニタスの事を「自分で傷つくことには無頓着なのに、自分のために誰かが傷つくことは許せなくて、独りになろうと周りを遠ざけようとする人」であると評し、ヴァニタスの言う自由が孤独のことだと閃くと、「絶対にあんたを“自由”にはしてやらない!!!」と宣言をします。

そんなノエのまっすぐな気持ちを受けて、ヴァニタスの気持ちにも変化が起き、「ノエは自分の思い通りには動かない」=「離れろと言っても離れずに信じて傍にいてくれる存在だ」と理解し、ノエの手を取るようになりました。

ヴァニタスに対してノエのスタンスは「そんなに好きじゃない」から変わっていません。

その言葉の裏には、2人の積み重ねてきた思い出と信頼が込められています。

ヴァニタスが死亡するまでの経緯

結論から言うと、厳密にヴァニタスはまだ死亡していません

しかし、物語の端々にヴァニタスがいずれ死亡することを想起させるような描写が3つあります。

  1. ノエの手記
  2. 蒼月の吸血鬼の力を使いすぎた場合
  3. モロー博士の実験による後遺症

原作の台詞をもとに、1つずつ紐解いていきましょう。

①ノエの手記

物語を読み進めてると、ときどきノエの手記の書き出しのような文章で書かれたシーンがあります。

  • 1巻:「旅路の果てに、をこの手で殺すまでの物語」
  • 3巻:「始まりの記憶は容易く終わりの記憶をも呼び起こす…あんたのその手を掴めなかった"あの日"の後悔をー」

このように、物語のかなり序盤から、ノエの手によってヴァニタスが殺されることが示唆されています。

日記内の一人称が「オレ」であることや、日記を書く手がノエのような褐色である描写、血に塗れた中で伸ばしているのが「ヴァニタスのような指先の尖った手袋をした手」と「ノエのような褐色で白手袋をした手」であることから、日記の中の"彼"や"あんた"が指している人物はヴァニタスである可能性が高いです。

②蒼月の吸血鬼の力を使いすぎた場合

ヴァニタスは右手首に「蒼月の吸血鬼の所有印」を持っており、名前と一緒に「ヴァニタスの書」も受け継いでいました。

そのことついて、蒼月の吸血鬼やミハエルからも言及があります。

  • 8巻:蒼月の吸血鬼「その腕に刻まれた所有印はおまえの身体を蝕むものだ。印に込められた蒼月の力を使えば使う程おまえ自身も書き換えられていってしまうことを忘れないで」
  • 10巻:ミハエル「ヴァニタスの書の力を使い続けると人間じゃない何かに存在を書き換えられ、化け物となってしまう

実際に10巻では、ヴァニタスの書の力を乱用したミハエルが本の力を暴走させ、自身の存在を書き換えられていく描写がありました。

暴れるミハエルは、ノエの一撃とサンジェルマン伯爵による撤退があって、重傷の状態で留まれています。

つまり、ヴァニタスもこのまま蒼月の吸血鬼の力を酷使し続けると、いずれ力を暴走させて自我を失ってしまうことが明らかとなりました。

③モロー博士の実験による後遺症

モロー博士の研究所から脱出した後、ヴァニタス・蒼月の吸血鬼・ミハエルの3人で暮らしていた中で、蒼月の吸血鬼がある日正直に伝えます。

  • 9巻:「隠しても仕方のないことだから話すが、そう遠くない内にお前たちは死ぬだろう」
  • 9巻:「モローの実験によってお前達という存在は人間の枠から無理矢理吸血鬼側に引き剝がされかけ、今も不安定に揺れている状態だ。何かの拍子にその均衡が崩れた時、存在と理の矛盾に耐えられなくなり、お前達の身体は崩壊を始めるだろう」

そう述べた上で、ヴァニタスとミハエルを救うために、蒼月の吸血鬼が「その方法は取りたくない」と言った方法の1つが、蒼月の吸血鬼の眷属になることでした。

それに対し、

  • ミハエル:眷属になってこれからも3人でずっと一緒にいたい
  • ヴァニタス:たとえ明日死ぬことになっても眷属にはならず、最後まで人間のままでいたい

とそれぞれ答えましたが、ヴァニタスは実際には蒼月の吸血鬼の眷属となっています。

直接的な死亡の理由にはならないかもしれませんが、可能性は捨てきれません。

ヴァニタスの手記 6巻
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ここまで3つの点からヴァニタスの死亡の経緯を考えてきましたが、10巻にて満身創痍のヴァニタスが、戦いの後に再会したミハエルに対して、

  • 10巻:ヴァニタス「もしオレが―死に方を選べるなら、なにかを願えるなら、殺されるならノエがいい

と正直に述べていました。

その場を去ろうとするノエを呼び止めてまで明かしたヴァニタスの切ない願いは、これまで散りばめられた「ヴァニタスの死亡説」を、より確実なものへと押し上げています。

ヴァニタスが好きな人とは?

ヴァニタスの人間関係を語る上で、欠かせないキャラクターがいます。

それが"ルスヴン卿の処刑人"や"業火の魔女"と呼ばれている大公騎士のジャンヌです。

物語のかなり冒頭から目を付け、「君に興味を持った」と言って突然キスをしたヴァニタスですが、実際のところはどう思っているのかを確認してみましょう。

ヴァニタスとジャンヌの想いの変遷

ヴァニタスがジャンヌのことを好きという理由は、物語の中で変わっていきます。

最初にジャンヌに対して抱いていたのは、

  • 「ジャンヌに対して興味を持った」
  • 「ジャンヌを見ていると胸が高鳴る」

これらの衝動を、ヴァニタスは自分の中で恋であると定義付けし、ジャンヌの好きな所をたくさん挙げる中、ほとんどは外見ばかりでしたが、最後には「オレのことを絶対好きにはならなさそうなところか」と言いました。

ヴァニタスが軽々しく「好きだ!」と自分の血を捧げるのに対し、ジャンヌは「好きになる訳が無い」と強気の姿勢です。

このスタンスはジェヴォーダンでの事件が終わるあたりまでしばらく変わりませんが、そのジェヴォーダンでの一件でヴァニタスとジャンヌは、それぞれがお互いの本当の気持ちに気付くことになり、そこからというもの、ジャンヌは「押し倒してでも自分のものにしたい」というパワフルさを見せます。

対してヴァニタスは、誰かを愛するということに恐怖を感じ、自分がジャンヌを好いてる事やジャンヌがヴァニタスの事を好いているであろう事を受け入れられません。

蒼月の吸血鬼はヴァニタスにこう言いました。

「こうしておまえに寄り添ってくれる人がいればいい。…いや、きっと現れるよ。おまえが心を閉ざさなければ。―寒がりなおまえに熱を与えてくれる誰かと出会えるさ。」

果たしてこの先、

  • ヴァニタスは自分の気持ちや向けられる想いを、受け入れることが出来るのか
  • ジャンヌの押しが勝る日が来るのか

これは、もう一つの結末として注目したい所です。

ヴァニタスの正体と旅の目的

ヴァニタスは一貫して自分のことを「吸血鬼専門の医者だ」と言っており、蒼月の吸血鬼からヴァニタスの書と名前を受け継いで救命活動している“ただの人間”であることは、周知の事実です。

さらに物語を読み進めていくと、実際には蒼月の吸血鬼に血を啜られて力の一端を躰に埋め込まれた「蒼き月の眷属」であることが明かされます。

ミハエルの過去を覗き見るシーンでは、蒼月の吸血鬼とヴァニタスが仲良く過ごしている描写や、消えゆく蒼月の吸血鬼の身体を抱きしめながら膝から崩れ落ちてるヴァニタスの後ろ姿がありました。

しかし、"吸血鬼を救う行為が復讐である"というスタンスも一貫しており、吸血鬼であるノエに対しても最近までどこか一線を引いた対応をします。

では、どうしてヴァニタスは吸血鬼が復讐相手であるにも関わらず、ずっと救命活動を続けており、さらに自身が蒼月の吸血鬼の眷属になるような事態になったのでしょうか。

それは、ヴァニタスの過去から判明します。

そこから、ヴァニタスが吸血鬼専門の医者として救う旅を続けている理由を見ていきましょう。

ヴァニタスの過去

医者の名家出身の父が、サーカス一座の一員である母と出会い、ヴァニタスが産まれました。

しかし、母はヴァニタスを出産するとすぐに死亡し、父は結婚に際して実家を捨てていたため、母が所属していたサーカス一座の仲間と父に、さまざまな所を旅しながら育てられたのです。

ヴァニタスから見た父の印象はあまり良くなく、「自分のせいで母が死んだから、恨んでいたはず」と述べています。

ある日、ヴァニタスが吸血鬼に襲われそうになった所を父親が庇い、目の前で死亡しました。

狩人による救助により教会に引き取られますが、ヴァニタスは吸血鬼に対して憎しみの感情を抱くようになり、綺麗な世界を取り戻すため、自身も狩人として生きていこうと決意します

教会の被検体から蒼月の吸血鬼の眷属になるまで

ヴァニタスを新たに狩人とすべく教会は教育を始めましたが、その途中で狂科学者モローに目を付けられ、実験体となりました。

モロー博士にはNo.69と検体番号で呼ばれ、命を落としかねない過酷な実験や、ヴァニタスを留まらせるための卑劣な所業などを繰り返されており、現在も心身ともに当時の傷跡が残っています。

実験の最終段階に差し掛かった際、研究所を襲撃した蒼月の吸血鬼によって、同じく被検体No.71だったミハエルと一緒に拾われて、しばらくの間を3人で共に暮らしました。

ヴァニタスにとっては吸血鬼に拾われた事は複雑でしたが、蒼月の吸血鬼を「ルーナ」と呼ぶほどには良好な関係を築いていて、それを裏付けるように、ジェヴォーダンの雪山で負傷し発熱したヴァニタスは、うわ言のように「憎んでいたわけじゃないんだ、ルゥ…」と呟くのをジャンヌが聞いています。

蒼月の吸血鬼から「眷属になれば生き永らえる」と言われても、ヴァニタスは最後まで人間のままでいたいが為に、頑として吸血鬼側になることを拒み続けていました。

しかし、何者かによって蒼月の吸血鬼が真名を奪われ狂いかけた際、ヴァニタス自ら「蒼月の吸血鬼の眷属」となり、ヴァニタスの書を使って蒼月の吸血鬼を殺害します

この件が、ヴァニタスの専門医人生のきっかけとなりました。

吸血鬼の専門医になってから現在に至るまで

蒼月の吸血鬼の眷属になった一件からノエに出会うまでの詳細はまだ描かれていません。

吸血鬼のことは恨みつつも、蒼月の吸血鬼と関わった経験があったからこそ、"復讐"という名の救命活動をしながら、吸血鬼であるノエが行動を共にすることは拒みませんが、ヴァニタスは決して蒼月の吸血鬼を許していないのです。

呪持ちの吸血鬼を治療する行為は、蒼月の吸血鬼の真名を奪った何者かの痕跡を見つけるためだ、と述べています。

だからこそ、奪われた真名を取り戻して、蒼月の吸血鬼の欠片までも全て葬ることこそが、ヴァニタスにとっての"復讐"であり"目的"です。

ヴァニタスの旅の目的

彼が吸血鬼の専門医として旅をつづける目的は、呪持ちとなった吸血鬼へ治癒行為で、蒼月の吸血鬼の真名を奪った“何者か”の痕跡を見つけることです。

再会したミハエルとの遊園地での一戦にて、満身創痍になったヴァニタスは、自分の秘密の一部を明かした後に「これからどうするのか」とノエに尋ねられると、「今まで通り吸血鬼を治し続ける」と宣言していました。

つまり、吸血鬼専門の医師を自称するヴァニタスの旅は、呪持ちの吸血鬼を助けながら、蒼月の吸血鬼の真名を取り戻して消し去るまで続いていくのです。

まとめ:ヴァニタスはまだ死亡していないがいずれ死を迎える可能性がある

そう遠くない未来で死亡する事が約束されているヴァニタスにとってのハッピーエンドは、ノエに殺されることです。

単行本11巻の時点で、まだヴァニタスの死亡が描かれていません。

しかし“血を暴く者”であるノエが記録を取っているような描写の中では、ヴァニタスが今後死亡することを何度も示唆しています。

  • ヴァニタスが望んだとおり、ノエの手で命を終えることが出来るのか
  • 蒼月の力から解放されて、ヴァニタスが生き永らえる未来はあり得るのか
  • ヴァニタスの旅の目的は果たされるのか

果たして、これらの結末がどう描かれるのでしょうか。

今後の物語の進展が待ち遠しいですね。