【スパイファミリー】バスジャック編が面白い!犯人の正体・結末・泣ける理由

アニメ『SPY×FAMILY』3期で描かれた「バスジャック編」は、シリーズの中でも特に「笑いと感動のギャップ」が凄いエピソードとして話題になっていますが、突然起こるバスジャック事件というシリアスな導入でありながら、アーニャの斜め上の行動やダミアンの勘違いによる男気など、スパイファミリーらしいコメディ要素もしっかり健在です。

特に首輪爆弾を巡るやり取りは、「今までで一番面白い」「ダミアンが不憫で可愛い」と多くの視聴者の腹筋を崩壊させましたが、バスジャック編の犯人は誰で、事件は最終的にどうなるのでしょうか。

まずは、スパイファミリーのバスジャック編は本当に面白いのか、犯人の正体とあわせて結論から解説していきます。

バスジャック編は面白い?犯人の正体は?

結論から言うと、スパイファミリーのバスジャック編は面白さと重さが両立した名エピソードですが、犯人の正体は過激派組織「赤いサーカス」に所属する男・ビリーであるものの、彼は単なる悪役として描かれていません。

この点がバスジャック編を印象深い物語にしており、物語は子どもたちが巻き込まれる緊迫した事件として進みますが、同時に犯人側の事情や葛藤も丁寧に描かれています。

ビリーは無差別な凶悪犯ではなく、ある出来事をきっかけに後戻りできなくなった人物なので、その背景が明かされることで視聴者は単純な勧善懲悪では終わらない展開を目の当たりにするでしょう。

緊張感とユーモア、さらに感情を揺さぶる場面が重なり合うことで、最後まで目が離せない構成になっています。 続いて、物語がどのような流れで進んでいくのかを詳しく見ていきます。

バスジャック編はどうなる?物語の流れを解説

バスジャック編は日常の延長線上から一気に非常事態へと転じていく構成が特徴で、子どもたちの何気ない一日が国家レベルの事件へ発展していく流れが丁寧に描かれています。

ここでは、物語の大まかな流れを3つの段階に分けて見ていきましょう。

社会科見学中に突然起こるバスジャック事件

物語はイーデン校の生徒たちが社会科見学へ向かう場面から始まりますが、アーニャやベッキーたちは遠足気分でバスの中でも賑やかな空気が流れていたものの、その穏やかな時間は突然終わりを迎えます。

バスの運転手や途中で乗り込んできた人物たちが正体を現し、バスはジャックされてしまうことで引率の教師は制圧され、子どもたちは逃げ場のない状況に追い込まれました。

日常から一転するこの展開が、物語に強い緊張感を与えていると言えるでしょう。

警察・保安局・WISEが同時に動き出す展開

バスジャック事件の発生を受け、すぐに警察が対応に動き出しましたが、それと同時に国家保安を担う保安局や裏で活動するWISEも事態を把握します。

それぞれの組織が異なる立場と思惑を持って動き始める点がこの編の大きな特徴であり、警察は人命を最優先に考えて動く組織ですが、対して保安局は犯人確保を最重視する姿勢を崩しませんし、WISEは水面下で状況を制御しようと画策するのです。

同じ事件に対して異なる判断が交錯することで、物語はより複雑で重厚なものになっています。

事件の舞台が公園へ移り緊張感が高まる

バスはやがて街中を離れ、公園へと向かいますが、人目が少なくなることで事態はさらに切迫したものへと変化していき、犯人側の要求が明確になり、警察との交渉も本格化します。

ここで最大の見せ場となるのがアーニャの首に取り付けられた「首輪爆弾」のシーンで、犯人のビリーは見せしめとしてアーニャに爆弾を装着し周囲を威圧しますが、クラスメイトがパニックになる中、ダミアンだけは「俺が代わる!」と男気を見せ、震えながらもアーニャを守ろうとしました。

しかし、アーニャは超能力でビリーの心を読み、「この爆弾はただの模型(ダミー)」だと気づいてしまいます。

必死の形相で叫ぶダミアンと爆弾が偽物だと知ってスンッとした表情になるアーニャという、この壮大なすれ違いは緊迫した場面でありながら笑わずにはいられません。

舞台が公園へ移ることで逃げ場のなさが強調されつつも、こうしたコミカルな描写が挟まることでスパイファミリーらしい緩急が生まれており、この流れが後半の感情的な展開へとつながっていきます。

スパイファミリー12巻
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バスジャック編の犯人・ビリーはなぜ事件を起こしたのか

バスジャック編の犯人であるビリーは単なるテロリストとして描かれておらず、彼はもともとごく普通の父親でしたが、娘を国家に奪われた過去とそこから逃げ場を失った人生が、彼を事件へと追い込んでいます。

この章では、ビリーが犯行に至った理由を背景から整理してみましょう。

過激派組織「赤いサーカス」の一員として行動せざるを得なかった

ビリーは反政府過激派組織「赤いサーカス」の幹部クラスの人物ですが、「自由と平等」を掲げている赤いサーカスの実態は暴力を辞さない政治的集団でした。

一度関わった人間は政府だけでなく組織からも追われる立場になりますし、娘を失った後、ビリー自身も保安局にマークされ国外逃亡を余儀なくされます。

その逃亡を助けたのが赤いサーカスであり、彼は組織に身を置くしか生きる道がなかったため、仲間が次々と投獄・処刑される中で「仲間を救うために動く指導者」になっていったのです。

バスジャック事件は投獄された仲間17人の釈放と北国への亡命を要求するための行動であり、理想のためというより仲間への責任感と連帯感が彼を突き動かしていました。

娘ビディの死がビリーの動機になっていた

ビリーの行動の根底にあるのは娘ビディの死ですが、ビディは学生運動に参加しており、政府のデモ鎮圧の中で命を落とします。

父であるビリーはその現実を受け止めきれないまま生きることになり、娘を守れなかった後悔と国家に対する強い憎しみが彼の心を支配しました。

作中では、ビリーが子どもたちに対して冷酷になりきれない描写が何度も入りますが、アーニャとダミアンにつけた首輪爆弾が偽物だった点も、心の底では子供を殺すつもりがなかったことの証明でしょう。

特にアーニャの姿に亡き娘ビディを重ねてしまう場面は重要で、「二度も娘を殺すわけにはいかない」という思いが彼の覚悟を揺るがせたため、最終的にビリーは自分の行動が娘の教えと正反対だったことに気づき、投降を選びました。

ビリーは悪であると同時に喪失を抱えた父親でもあり、その矛盾した存在がバスジャック編を重い物語にしている理由です。

バスジャック編は泣ける?感動ポイントはここ

バスジャック編が「面白い」だけで終わらない理由は随所に強い感情の揺さぶりがあるからであり、子どもが人質に取られるという極限状況の中で大人たちの価値観や覚悟が試されます。

特に印象的なのが、アーニャの言葉と、ヘンダーソン先生の行動です。

アーニャのまっすぐな言葉が大人たちの心を動かす

この編で最も胸を打つのはアーニャの言葉ですが、アーニャは恐怖に支配される場面でも感情に流されず、自分の言葉で大人たちと向き合いました。

シリアスな場面で突然「おなかすいた」と言い放ち、犯人にパンを差し出すシーンはアーニャにしかできない解決方法であり、一見ふざけているようにも見えますが、これが「子どもが泣かない世界を作りたい」というロイドの理想を体現する行動になります。

ビリーはアーニャの姿に亡くした娘ビディを重ね、怒りと復讐心で塗り固めてきた価値観がアーニャの無垢な言葉によって揺らいでいくのです。

この場面では正義や悪ではなく「父親」としての感情が前面に出てきますし、子どもが大人を説得するという構図がこの物語をより切ないものにしていると言えるでしょう。

ヘンダーソン先生が子どもを守ろうとする姿に胸を打たれる

もう一つの感動ポイントがヘンダーソン先生の行動で、彼は生徒を守るため自ら人質になる決断をします。

恐怖に屈することなく教師としての誇りを貫く姿は非常に印象的であり、ヘンダーソン先生は犯人に対して感情的に責めることはしませんし、それでも「子どもを守る」という一点だけは決して譲りませんでした。

この姿勢が生徒たちの心を落ち着かせる役割も果たしており、大人が逃げずに前に立つことで子どもたちは恐怖の中でも耐えることができました。

アーニャの言葉とヘンダーソン先生の覚悟、この二つが重なったことで、バスジャック編は「泣けるエピソード」として強く印象に残ります。

 

ロイドとヨルはバスジャック編で何をしていた?それぞれの見どころ

バスジャック編ではアーニャや生徒たちが物語の中心になりますが、その一方でロイドとヨルもそれぞれの立場から事件に深く関わっており、表に出ないからこそ際立つロイドの動きと母として揺れるヨルの感情が、この編に奥行きを与えています。

ロイドは表に出ず、裏から事件を支えていた

ロイドはスパイでありながらバスジャック編では前線に立ちませんが、何もしていなかったわけではなく、事件発生後、ロイドはWISEとして状況を冷静に分析し、情報整理と裏方の支援に回っています。

無闇に動かず事態を悪化させない判断を下している点が印象的であり、また、アーニャが取った行動や発言はロイドの思想や教育の影響を強く受けており、「子どもが泣かない世界を作る」という言葉はロイドが目指す理想そのものでしょう。

ロイド自身がその場にいなくても彼の存在は物語の中で確かに機能しており、前に出ないからこそ、父として、スパイとしての信念が浮き彫りになる役回りです。

ヨルは母としてアーニャを想い動揺していた

ヨルの見どころは戦闘ではなく感情面にあり、バスジャック事件を知ったヨルは母として強い動揺を見せます。

普段は冷静で規格外の強さを持つヨルですが、アーニャの身に危険が及んでいると知った瞬間、その表情は一変し、「助けに行きたい」という衝動と、「動けば事態を悪化させるかもしれない」という理性の間で揺れ動くのです。

この葛藤はヨルがすでにフォージャー家の一員として、母親として生きている証であり、殺し屋という裏の顔を持ちながらもアーニャを守りたいという感情は本物でした。

直接事件に介入しないからこそ、ヨルの母性が際立つ場面になっています。

バスジャック編の結末とステラ授与は?

バスジャック編の結末は犠牲者を一人も出さずに事件が収束するという形で描かれますが、最大の転機となったのはやはりアーニャの行動でした。

極限状態の中でも怯えるだけでなく、犯人であるビリーに真正面から言葉を投げかけ、彼の心を揺さぶりますが、その姿にビリーは亡き娘ビディの面影を重ね、自分が進んできた道を見つめ直すことになります。

結果としてビリーは武器を捨て、自らの意思で投降を選んだため、赤いサーカスによるバスジャック事件は力ではなく「対話」と「覚悟」によって終わりを迎えたのです。

事件後、アーニャ、ベッキー、ダミアン、そして生徒たちを支えたビルはその功績を認められ《星(ステラ)》を授与されますが、特にアーニャは「人命救助」という最大の功績で星を獲得するものの、ダミアンたちは「お菓子をもらう」程度で終わるというオチもしっかり用意されています。

単なるトラブル解決ではなく、子どもたちの成長と評価が明確に描かれる点も、この編の大きな特徴です。

まとめ:バスジャック編はシリーズ屈指の緊張感と感情の深さを併せ持ったエピソードだった

犯人の正体は過激派組織「赤いサーカス」のビリーであり、事件の背景には娘を失った父親としての強い後悔と怒りがありましたが、一方で「首輪爆弾が偽物だと知っているアーニャ」と「本物だと思って命がけになるダミアン」の温度差など、随所に笑えるポイントが散りばめられているのも魅力です。

ヘンダーソン先生の覚悟、ロイドの信念、ヨルの母性も丁寧に描かれ、物語全体に厚みを与えていましたし、シリアスで重いテーマを扱いながらも、「子どもが泣かない世界」というスパイファミリーらしいメッセージがはっきりと伝わってきます。

面白さ、犯人のドラマ性、そして泣ける展開がそろったバスジャック編は、間違いなく名エピソードの一つでしょう。

個人的にも、アーニャの成長とそれを見守る大人たちの姿、そしてダミアンの空回りする男気が強く印象に残る編でした。

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