【何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?】のあらすじと登場人物

漫画「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」は、2020年11月から週刊ヤングマガジンで連載されている歴史漫画作品です。

原作・原案 井出圭亮 先生
作画 藤本ケンシ
出版社 講談社
既刊 11巻(2023年9月時点)

今、メディアでも紹介されて話題となっている本作は一体どのような内容なのでしょうか。

今回は「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」の内容のあらすじや見どころ、そして重要な登場人物について紹介していきたいと思います。

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?はどんな漫画?

漫画「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」は戦国の三英傑の一人織田信長を題材としたタイムリープ(歴史改変)・ギャグ作品になります。

基本的には信長がどうすれば本能寺の変を超えられるのかその原因となる謀反人を探りつつ何度も殺されてはタイムリープするという新感覚の歴史ファンタジーが土台にあり、かつ正しい道筋へ辿り着くまでにギャグ要素を過分に含んだ作品です。

ねっとりとした性の絡みはありませんが、サービスシーンは稀にあるので苦手な方は注意しましょう。

「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」の面白さ

本作の見どころは大きく分けて三つになります。

  1. 織田信長がどうすれば本能寺の変を超えられるのか挑戦
  2. 三英傑や戦国武将が勢揃い
  3. 女性キャラが可愛い
1、織田信長がどうすれば本能寺の変を超えられるのか挑戦

明智光秀による本能寺の変で命を落とした織田信長は、クマとの出会いにより時を繰り返す事で過去で謀反を回避・解決に導き本能寺の変を超えるのが目的です。

例えば明智光秀の件を力技で片付けたとしても次は柴田勝家が裏切り本能寺の変を起こす、と言った具合に何かが原因で謀反へ繋がってしまう為、信長は過去に戻って一人一人の境遇を今一度見極める必要があります。

本作は明智光秀一人を解決するだけでは本能寺の変から逃れられないという新感覚歴史ファンタジーであると共に、歴史改変に右往左往する信長が時には諂ったり・逃げたり・調子に乗ったりと面白い視点で歴史が改変されていくのも見どころの一つです。

基本的にはうつけ者の信長が奇行を繰り広げて自らの首を絞めていますが、時には真面目にサシでの対話を選び謀反の理由を突き止めるシーンは普段の性格とのギャップで息を吞みます。

2、戦国武将が勢揃い

本作には三英傑は勿論の事、戦国武将が数多登場するので歴史ファンには僥倖(?)かもしれません。

ただし、作画はかなり上手なのですが、作品自体がギャグ色が強いので一部キャラ崩壊している場面や雑に扱われている描写がある為、押しキャラの痴態に寛容でない方は念頭に置いておいた方が良いでしょう。

殆どの史実キャラは信長を裏切る前提なので何が理由で裏切っているのかを見るのも楽しめます。

3、女性キャラが可愛い

本作に登場する女性キャラは帰蝶(濃姫)を始め、お遥、玉姫など非常に可愛く描かれています。

また、もはや日本人離れした体をしていたり、青年誌なので時には乳首が解禁されたりと若干お色気要素がある為、一部男子にはその要素も好評です。

一応お色気要素が苦手な方はこちらも念頭に置いておきましょう。

「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」のあらすじ

本作は天正十年、京にある本能寺に滞在中の織田信長を家臣の明智光秀が襲撃した「本能寺の変」から始まるやり直しタイムリープ作品になります。

信長は光秀の働きに見合う報酬として地位・城・名誉を十分に与えてきた為、光秀がなぜ自分を裏切ったのかが分からないまま燃え盛る本能寺の中で死亡してしまうのでした──が、気が付くと見慣れないクマのマスコットが目の前に現れるのです。

天正10年、織田信長は本能寺で死ぬ──それがお前の運命であり正史であると告げる謎のクマは、自分こそが天下を治める運命にあると立ち上がるものの、クマは信長の死は信長がこれまで辿って来た人生によって導かれた結果であり、必然だと言います。

そして信長に与えられたチャンスがやり直しの機会でした。

次に帰蝶の膝枕で目を覚ました信長は徐に帰蝶の胸を揉んで現実である事を確信すると、先ほどの本能寺やクマとの邂逅が夢であると判断しますが、武田への作戦会議中に明智光秀が声をあげると本能寺での記憶が再燃します。

思わず「お前…謀反とか考えてないよな?」とやんわり釘を刺す信長でしたが、振り返った光秀は酷く動揺し汗をダラダラ流しながら否定した為、信長は思わずその場で斬り伏せてしまうのでした。

不安の種を取り除いた信長は天下布武へ一歩近づいたと安堵しますが、次の瞬間には何故か本能寺の炎の中へと戻ってしまいます。

明智光秀が死した次の謀反者は何と柴田勝家であり、信長は勝家によって二度目の死を迎えてしまうのですが、二度目の死の後も何故か気が付くと武田への作戦会議の場にタイムリープしてしまうのです。

再び帰蝶の膝枕で目を覚ます信長ですが、先程の恨みから勝家を斬り伏せると、次に謀反人として光秀を殺害し鬱憤を晴らします。

しかし、謀反人の勝家と光秀を同時に殺した信長はやはり燃え盛る本能寺へと飛ばされてしまうのです。

三回目の本能寺の謀反人は羽柴秀吉であり、信長は秀吉軍によって三度目の死を迎えると、今度は最初に出会ったクマのもとで目を覚ましました。

自分の身に一体何が起きているのか──、なぜ刻を繰り返しているのか──、クマが言うには戻った時代には謀反が起きた原因があり、誤った行動をとればそれが反映された本能寺に戻り必ず死ぬものの、原因を知り回避・解決に導ければ死の正史を変える事が出来る──つまり、過去をやり直して謀反の原因を回避出来れば織田信長は本能寺の変を超えて生き残る事が出来るという事です。

こうして、この不可思議な時の繰り返し現象を天啓と心得た信長は天正三年岐阜城を始まりにあらゆる手段で謀反を食い止めるのですが、当の本人は大うつけである為、何度も選択を間違えて本能寺へと飛ばされ死を経験していくのでした。

「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」の登場人物

本作における重要キャラクターの紹介になります。

クマ

信長が初めて死亡した際に現れたクマのぬいぐるみ似た人語を話す正体不明のマスコットです。

目的も何もかもが不明ながら信長が死亡するとクマがいる空間へ飛ばされる仕組みであり、信長は死する度にクマの下で状況を確認及びクマからアドバイスを受けます。

基本的には信長が置かれた状況の解説やまとめ役、そして助言役でもありますが、いつしか信長のタイムリープに巻き込まれる形で歴史改変に協力する事になるのです。

因みに、信長のタイムリープのおかげでレベルアップする仕組みらしく、新アイテムを信長に与えたりもしています。

お遥

帰蝶の侍女の幼い少女ですが、お遥は信長の未来を繋ぐ唯一無二の相棒となります。

とある現場を目撃された信長が口止めに金平糖を与えたのがきっかけであり、奮闘虚しく誰もが信長を裏切り、処刑されようとした際に助けに来たのが成長したお遥だったのです。

実は信長は事あるごとにお遥の口止めに金平糖を与え続けていた為、お遥は一介の侍女である自分を幾度も可愛がってくれた信長を命に代えても守ろうと誓いを立てると、信長の役に立つべく城抜けして剣を学び、野盗相手に腕を磨き、戦の跡地で甲冑を整え、織田軍兵役募集に参加して従事しいつからか「大太刀の金平丸」と名乗るようになりました。

一つの金平糖から始まった信長の一人目の味方であるお遥は、信長にとって降って湧いた貴重な忠臣ですが、自分への忠義と命を賭して戦う姿を見ていつからかお遥と二人で本能寺の変を乗り越えるようと決意する程、信長はお遥に信頼を寄せていきます。

帰蝶(濃姫)

帰蝶(濃姫)は信長の正室ですが、信長は帰蝶に関しては本能寺の変の頃には既に故人である、まして美濃を手中に収め斎藤家が滅亡した時点で無警戒かつ用済みと判断していました。

しかし、歴史改変を繰り返す内、ひょんな事から明智光秀が信長へ向ける殺意の根源に帰蝶の死が関係している事、そしてお遥が信長の為に武を極めるようと決意した後に協力関係にあった等、信長の知らない所で用済みと判断していた帰蝶が重要な存在だったと気付くのです。

そして「天下布武」この言葉には帰蝶とのとある日の約束事の意味もあった事を思い出すと他、なぜ天正六年の中頃に忽然と姿を消したのかを探る事になります。

明智光秀

信長がタイムリープする発端となった将来謀反を企てる家臣であり、信長が本能寺の変を超えるべきキーマンの一人です。

光秀が気にしているコンプレックスの一つ禿げ頭をいじったのをきっかけに本能寺の変を迎えた信長はあらゆる手で光秀を懐柔していきますが、光秀に好かれる為に手柄を立てさせたり下手に出て褒め称えたり、時には身も心も奴隷にするべく無理矢理肌を重ねるものの、何れも失敗し何度も本能寺の変を迎えてしまいます。

光秀の謀反には、織田信長による長宗我部の四国平定に際し占領地の返還要求からなる四国攻めが関係しており、光秀は四国侵攻の阻止と良き関係の継続を願っていました。

信長はひょんなことから光秀の胸中を知る事となりますが、果たしてなぜ光秀が四国に拘るのかその真意を信長は探っていく事になります。

【何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?】のまとめ

漫画「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」は織田信長がどうやって本能寺の変を回避するのかを描いたタイムリープものの歴史改変ファンタジーです。

先ず作画が非常に丁寧かつ書き込みが多く、ストーリーもギャグ要素が練り込まれていながらも正すべき場所で正す演出は非常に面白く見ていられます。

単純にギャグ漫画、歴史ファンタジーとしても十分に面白いので特に戦国武将に詳しくなくとも楽しめるのが魅力です。