「ティエンポ」は2018年から現在は週刊ヤングジャンプ公式アプリで連載している高校サッカーを舞台にした漫画です。
「ティエンポ」は主に主人公・柚樹の成長物語ですが、柚樹と中学の先輩である朝美との関係性の変化や、欧州で最先端の戦術を高校サッカーで再現したらどうなるか、なども見ることができます。
物語は、柚樹のトラウマの原因である朝美との再会から始まりました。
朝美圭右の身長・ポジション・得意なプレー
新設校で監督もいない春日高校のキーマンである朝美は、県内随一の強豪校・江南第一から怪我の影響で転校してきました。
まずは朝美のプロフィールですが、公式プロフィールがないので、作中から読み取れるものだけを抜粋しています。
- 所属:埼玉県立春日高校サッカー部
- 学年:2年
- 身長:178㎝
- 体重:不明
- ポジション:センターフォワード
- 所属クラブ:鶴島FC→尾上中学校→江南第一高校→春日高校
- 背番号:10(中3)→9(高1)→20(高2リーグ戦)→10(高2インターハイ予選)
- 得意なプレー:ボールコントロール、DFやGKとの駆け引き、マリーシア(ずる賢いプレー)
- 家族構成:母
- 好きな音楽:Hip-Hop
- 好きな食べ物:シュークリーム
- 嫌いな食べ物:トマト
- 好きな色:赤
- 口癖:Dumb Ass(ダムアス)
- 柚樹に対する呼び方:チビリ
朝美の性格は超めんどくさい
中学生時代は地元の強豪クラブの鶴島FCで1年生からエース、ナショナルトレセン(若年層サッカー選手の最高峰の合宿)に選ばれるほどの選手でしたが、途中交代させられたことが気に食わず監督を殴ってクラブを辞めてしまうなど、子供の頃から我儘で自信家な性格でした。
リズム感がなく下手くそなもののHip-Hopが好きで、聞きかじった英語のスラングを使って悪態をつき怒鳴り散らすので、後輩たちからは恐れられています。
しかし試合中の怪我が原因でサッカーができなくなりウジウジと泣き続けるなど繊細な性格の持ち主で、朝美の幼馴染の波多野すみれに迷惑をかけっぱなしです。
そもそも部の親睦会に大人しく参加するのもびっくりですが、初めてやったボウリングではしゃいだり、始めて入ったサウナでのぼせるまで出て来なかったりするなど、意外と天然なところもあります。
朝美のプレースタイル
対峙するDFやGKに情報を与えないプレーを心がけており、逆に相手のプレーを予測し矢印の逆を一瞬で突くプレーが持ち味です。
怪我の治療のためチーム練習にはほとんど加われませんでしたが、初出場で春日のポジショナルプレーに難なく合わせるほど戦術理解度も高く、相性の良さを見せつけました。
FWとしての引き出しも驚くほど多く、ドリブルでの細かなタッチや精度の高いダイレクトプレー、裏抜けやポストプレー、PKのトリックキックや視野の広さを生かしたチャンスメイクで味方を生かすこともできるなど万能型FWです。
朝美はサッカーにかける情熱や勝利に対する執着が強く、インターハイ予選が始まる頃には部長の會澤要が「春日になくてはならない選手」と認めるほどでした。
また勝利を第一優先に考え、自分のエゴを優先して強引にシュートを打つタイプではなく、得点の可能性が少しでも高ければゴール前でもパスを選択する冷静さを持ち合わせています。
朝美の怪我の原因と復帰の時期
朝美は怪我が原因で江南第一から県立の春日高校へ転校してきました。
転校しなければならないほどの怪我とはどのようなものだったのでしょうか。
怪我をしたのは選手権予選の決勝戦だった
朝美は一年生のうちから全国屈指の強豪校でレギュラーを張る選手でした。
しかし第2巻8話で、冬の全国高校サッカー選手権大会の県予選の決勝戦、勝ったら全国という大会で相手選手とトップスピードで交錯、立ち上がれずそのまま救急車で運ばれるという大怪我をしたことが語られています。
チームは朝美を欠いても決勝を難なく突破し全国大会に出場を決めましたが、朝美は膝の靱帯を損傷して全治半年の怪我を負い、しばらくの間歩くことすらできない状況でした。
転校の理由は家庭の事情?
朝美は一年生からレギュラーで出場し将来有望ではあったものの、怪我によりスポーツ特待生としての実績を残せず、奨学金制度の対象者から外れてしまいます。
母子家庭で高額の学費を払えなかった朝美は、実家近くの春日高校へ転校せざるを得なかったのです。
貧乏生活から抜け出すためにプロになるという目標のために強豪校に通っていた朝美にとって、この怪我は絶望のどん底に突き落とされたも同然で、しばらく立ち直ることはできませんでした。
復帰は5月11日の支部予選初戦
朝美は転校後最初のAチーム対Bチームの紅白戦で、怪我により満足のいくプレーを最後まではできなかったものの、非凡な才能を見せつけAチーム入りを決めます。
そして途中出場ながらも、普段Aチームに所属する選手が何人もいる西浦高校Bチームとのリーグ戦で復帰し1ゴール1アシスト、チームの開幕戦勝利に貢献しました。
別メニューで調整し膝にサポーターを巻きながらもAチームの紅白戦で完全復帰、インターハイ支部予選の初戦から全試合に出場してチームの柱として活躍していきます。
朝美と柚樹の関係
「ティエンポ」の主人公・柚樹の一つ上の先輩でトラウマの張本人である朝美とは中学時代の三、四か月、高校生活の二か月ほど同じチームでプレーしています。
散々罵倒されてきた柚樹はどのように朝美を克服してきたのでしょうか。
チビリの柚樹が大嫌い
そもそも朝美はプレーの言語化が苦手なタイプで「俺の動きをよく見ろ!」「常に俺がどうしたいのか考えてプレーしろ!」としか言いません。
柚樹は何度も怒鳴られ、恐怖のあまり失神して三日連続で漏らすこともあり、それ以来朝美から「チビリ」と呼ばれています。
朝美もオドオドして戦う気があるのかどうかすら分からない柚樹のことが大嫌いでした。
柚樹から近付かれるのが恐怖
柚樹は「朝美先輩のことが怖いのは朝美先輩のことを良く知らないからだ」という結論に至り、朝美と仲良くなるために話しかけたり質問したりするようになります。
しかしそもそも怖いと思っている人に話しかける為、オドオドしたりキョドったりしながら近づいて来たり、ストーカーレベルで個人情報を細かく調べたりするので朝美自身も柚樹のことが怖く感じるようになりました。
最終的には柚樹を全面無視してシャットアウトするという荒業に出ます。
柚樹の成長を認め、プレーヤーとして信頼していく
朝美は元々柚樹の繊細なボールタッチを信頼しており、第1巻4話の紅白戦で柚樹がトラップが乱れたようにして相手ディフェンダーを誘ったときも、しっかり次のプレーでパスを出すと信じて走り出していました。
第5巻49話の、西浦戦のゴール前でポストプレーからのワンツーで抜け出すコンビプレーも、お互いがイメージを共有していたので、プロ注目のDF竜胆を攻略し得点を奪うことに成功したのです。
第6巻52話で柚樹がカットインから朝美の裏抜けを囮にして決めた逆転のゴールも、自分にパスを出さなかったことに文句を言わず、ミラクルを起こしたことをさりげなく褒めることまでします。
朝美の怪我や復帰のまとめ
朝美は高1の冬に大怪我を負いますが、半年後のリーグ戦で途中出場、さらにその二週間後のインターハイ予選で完全復帰を遂げました。
当初はエゴイスティックな発言も多かったですが、朝美が周りの実力を認め、周りも朝美を信頼するようになってからコンビネーションも抜群に良くなり、春日の絶対的エースへと成長していきます。
これから中学時代のクラブチームのチームメイトや転校前のチームとの因縁の対決も始まり、ますます盛り上がっていくことでしょう。