ドクターイチガキチームは暗黒武術会編で対戦したチームです。
浦飯チームと二回戦で当たったのですが、その主力メンバーは人間であるという異質なチームでした。
では何故、人間が妖怪に従って暗黒武術会に出場したのでしょうか。
その謎を知っていきましょう。
- ドクターイチガキチームとはどういうチームなの?
- 何故、人間がチームに参加したのか
- 場外の戦いの様子と結果
- ドクターイチガキとは何者なのか
- 浦飯チームとの戦績はどうなったのか
以上を紹介します。
ドクターイチガキチームが結成された理由
ドクターイチガキチームはイチガキが集めた生物兵器のチームです。
それについて描かれているのは単行本7巻から8巻にかけてで、最強の生物兵器を造るため、まずイチガキは試作品として高名な武術家の弟子三人を実験材料(モルモット)にしました。
イチガキの意のままに動く生物兵器を造るために円・魁・梁を騙し操り、更なる実験材料を手に入れるために大会に参加します。
円・魁・梁は何も分からないまま操られていますが、最初は師匠である三田村を助ける事ができるのだと本気で信じてイチガキに身を任せました。
全てはイチガキの野望のために結成されたチームだったという事です。
ドクターイチガキチームのメンバー
暗黒武術会で浦飯チームと二回戦で当たったチームです。
人間の格闘家三人と妖怪の科学者二人で結成されていて、チーム顧問だと名乗るイチガキが支配するチームとなっていました。
では、そのメンバーとはどうなっているのでしょうか?
M-1号
- 本名:円(えん)
- 性別:男
- 誕生日:不明
- 年齢:不明
- 身長:不明(ただし、三人の中では一番小柄)
- 容姿:齧歯類のような歯とオレンジ色の髪で目元を隠している。
- 戦い方:霊気の輪(エンジェルチャクラム)を自身の腕から指に掛けて作り出し、飛ばして戦います。
- 声の出演:亀井 芳子
- 初登場したのは:単行本7巻
M-2号
- 本名:魁(かい)
- 性別:男
- 誕生日:不明
- 年齢:不明
- 身長:不明(ただし三人の中では一番の長身)
- 容姿:口髭を生やしていて長い黒髪を三つ編みにしている。
- 戦い方:伸縮自在の棒状の霊気を扱う。見えないようにして戦う事も可能。
- 声の出演:荒川 太朗
- 初登場したのは:単行本7巻
M-3号
- 本名:梁(りょう)
- 性別:男
- 誕生日:不明
- 年齢:不明
- 身長:不明(円より高く魁より低い)
- 容姿:紫色の髪を肩の長さに伸ばしていて額に傷がある。
- 戦い方:霊気の拳(ハウンドクロー)を叩き付けるようにして戦う。見えないようにして戦う事も可能。
- 声の出演:中村 大樹(33話のみ檜山 修之)
- 初登場したのは:単行本7巻
以上三人が元・人間の選手
彼らは元々、高名な武術家である三田村の弟子でしたが、イチガキが生物兵器として円・魁・梁を利用するために三田村を重病に追い込む事で実験に利用したのです。
三人は三田村を助けるためにイチガキに身体を提供し、生物兵器として操られて暗黒武術会に参加しました。
三田村とは何者なのか
身寄りのない円・魁・梁たちを息子のように育てた高名な武術家。
Dr.イチガキに騙されて幽閉されていましたが、蔵馬・飛影に救出されて再会する事ができました。
M-4号、M-5号
イチガキの助手に当たる科学者妖怪となっていますが、単行本ではどちらがM-4号でM-5号なのかは不明のままとなっています。
ただ、スマートフォンアプリ【100%本気バトル】では生き残った方がM-4号とされました。
Dr.イチガキ~cv:槐 柳二
チームの顧問として指示を出すだけの存在で、究極の生物兵器を造ろうと目論んでいるマッドサイエンティスト(狂った科学者)です。
円・魁・梁の師匠である三田村を重病にして、実験の材料に巻き込みました。
円・魁・梁がイチガキに操られていた理由
本来ならば妖怪に関わる事のなかった円・魁・梁ですが、慕っている師匠を助けるためにイチガキに自身の身体を実験体として差し出し、生物兵器へと変貌しました。
そのまま暗黒武術会へ、本人の意志とは関係なしに参加する事になり対戦相手となる妖怪を殺していたのです。
本人の意志とは関係なしの強制
円・魁・梁はイチガキの実験で背中に操血瘤(そうけつりゅう)を付けられてイチガキに操られていました。
操血瘤を外す事は死を意味していて、死を持ってしか操血瘤を外す事はできません。
操血瘤とは
背中に設置する事によって、精神を完璧に管理することができるコブの事を指します。
その名の通り、血液を通して脳を支配し、性格を凶悪な殺人鬼に人格変換する事ができ、それを装着された円・魁・梁は意志と関係なくただ、戦い殺すだけの殺人兵器にされてしまいました。
桑原の夢に出てきた三人の意志
二回戦の前、桑原を夢を見て三人がイチガキに騙されて連れられていく場面を見ていました。
夢の件に関しては単行本7巻に描かれています。
三人の心は完全に支配されたり洗脳されたりしているわけではない、と確信して戦う事を拒んだ桑原は必死の呼び掛けも虚しく倒されてしまったのです。
しかしそれを切っ掛けに三人の本心が支配を逃れるようにして表に出ました。
あがなえない支配と血の涙
操血瘤の支配から身体は逃げられなく桑原を襲った三人ですが、精神ギリギリの崖っぷちで戦い急所を外すという荒技をしてのけました。
そのあがきの果てが、血の涙を流しながら「コロス」という意志に逆らうように「殺してくれ」と叫ぶ心の声だったのです。
場外の戦い~M-4号・M-5号・妖鋼獣ガタスバルVS蔵馬・飛影
幽助・桑原・覆面が闘技場で試合をしている時、蔵馬と飛影は場外でM-4号とM-5号の足止めを喰らっていました。
M-4号・M-5号VS蔵馬・飛影
一回戦・六遊怪チームとの戦いで右腕を負傷していた飛影は一人で痛みに耐えていました。
様子を見に来た蔵馬と合流したところにM-4号・M-5号が現れて足止めをしてきたのですが、あっという間に一体をバラバラにします。
原作ではどちらとの明記はありませんが、スマートフォンアプリ【100%本気バトル】では死亡した方がM-5号とされました。
妖鋼獣ガタスバルVS蔵馬・飛影
選手交代として召喚されたのが妖鋼獣ガタスバルという痛みも死の恐怖も知らない鋼の魔物で、対妖気防御用の陰呪水(いんじゅすい)を塗った特殊な鎧を纏っていたため、飛影の刀でも傷ひとつ付ける事ができません。
そこに蔵馬が助けに入り、薔薇棘刃鞭を回路に侵入させて動きを完全に停止させました。
蔵馬曰く「痛みくらいは教えておくべきだったな。機械も生物も小さなキズが命とりになることもある」だそうで、ムチを回路に侵入させる事で「説得させた」との事です。
ドクターイチガキとは何者なのか
イチガキは一言でいうとマッドサイエンティストで、究極の生物兵器を造る事が夢だと豪語していました。
作品の中では珍しく、どうしようもないゲスな悪役として有名なキャラでもあります。
計算率の高さ
イチガキは対戦相手との勝利率を脳内で計算する事ができます。
浦飯チームとの勝負では最初の計算で、80%の勝率だと自信を持って思っていました。
その後、覆面からの提案で六人バトルでの勝負を持ち掛けられた時も即座に計算して、99.95%の勝率に上がったと計算できる頭脳を持っています。
非情な性格
イチガキは誰が見ても分かる非情な性格をしており、騙して手に入れた円・魁・梁の三人でさえも、捨て石でデータの切れ端だと言い放ちました。
「遠慮は無用、殺した方がいい」と幽助たちに言うなど、感情を逆なでし動揺させるツボをよく知っています。
窮地に陥ると動揺する
ただ、窮地に陥ると動揺が強くなり、頭では勝率を整理できなくなってしまいます。
幽助に霊力が戻った状態での勝率は52.725%にまで落ち、蔵馬に「マニュアル通りの心理作戦も結構だが、なにがきっかけで人間強くなるかわからないんだぜ」と諭され、更に動揺し円・魁・梁に「ぶち殺せ」と命令を飛ばしました。
ドクターイチガキの末路
覆面の活躍で敗北したイチガキは幽助たちに攻め寄られて「ワシを殺せば奴等の師匠も死ぬぞ」と悪あがきをします。
しかしそれさえも突破され、イチガキは自らに戦闘妖液を注射して姿を変貌させるも、怒りに満ちた幽助の一撃で場外まで吹っ飛ばされ粉砕されました。
浦飯チームとドクターイチガキチームの戦績
勝敗はドクターイチガキチームの敗北となりましたが、試合開始時は円・魁・梁が圧倒していました。
霊気が見えない事による戦い
円・魁・梁は武闘家としても霊気の遣い手としても一流です。
霊気は洗練すればその姿を見えないようにする事も可能で、二回戦当時の幽助と桑原には彼らの霊気を見る事はできない、と覆面がキッパリ言いました。
それを裏付けるように、覆面に声を掛けられなければ幽助たちは最初の一撃で負けていた事でしょう。
操られているだけの円・魁・梁を攻撃できない葛藤
イチガキにより殺人兵器にされ操られているだけと知った幽助たちは円・魁・梁を攻撃する事ができません。
試合は幽助たちの防戦一方なりつつありました。
巧みな連携による攻撃
ナイフのように鋭い霊気の輪(エンジェルチャクラム)が見えるせいで逆に魁・梁の攻撃に集中できず、試合は一方的なものになりつつありました。
見えない梁の攻撃を喰らいそうになっていた幽助を覆面が庇い吹っ飛ばされますが、それでも攻撃できない幽助たちを復活した覆面が一喝します。
「手加減してお前たちが負けて死ねば、奴等が救われるってのか?」この問いは幽助たちの胸に深く突き刺さりました。
攻撃できない桑原
覆面から諭されても桑原は攻撃する事ができません。
「目を覚ましてくれ」
その気持ちを込めて叫ぶも円・魁・梁三人の攻撃が桑原に命中して倒れてしまいました。
反撃開始
桑原が倒され、円・魁・梁の霊気が見えるようになったものの、解決策が思い付かない幽助は円・魁・梁を殺すしかないと覚悟を決めました。
そんな幽助を覆面が直前で止め、一人で三人に向かいます。
覆面の必殺技である霊光波動拳、五大拳のひとつ修の拳・奥義(光浄裁)にて円・魁・梁の背に付けられた操血瘤を破壊して完全勝利しました。
三人をいとも簡単に殺した、と思われましたが、そうではありません。
霊光波動拳、五大拳のひとつ修の拳・奥義(光浄裁)とは
この技は単行本8巻で披露されました。
自分自身の罪の裁きを心に問い、肉体に科す荒技で、心が汚れていれば肉体は滅び、逆に澄んでいれば肉体の悪い部分を浄化してくれます。
ただし、使用者の霊力を大幅に消耗してしまうのが難点となっていて、覆面も次の試合が戦えないくらい疲労してしまいました。
試合終了後の結果
死んだと思われていた円・魁・梁は生還しました。
背中の操血瘤は破壊され、円・魁・梁は自分を取り戻す事ができたのです。
師匠・三田村との再会
蔵馬・飛影によって助け出されていた三田村は、生きていると分かった円・魁・梁の名前を呼びながら近付きます。
しかし、操られていたとはいえ償いきれない過ちを犯していた三人は会わせる顔がないと背中を向けてしまいました。
そんな円・魁・梁を「バカモノ!!」と一喝して「死ぬな」と懇願するように声を掛けてくる三田村に円・魁・梁は涙を流して近付き最後は抱き合い、生還した事と無事を確かめ喜んだのです。
ドクターイチガキチームの謎についてのまとめ
ドクターイチガキチームの話しが描かれているのは単行本7巻から8巻にかけてでした。
イチガキチームの主力である円・魁・梁は暗黒武術会のみの出演ですが、利用されたり操られたりと壮絶な過去を持つキャラ達です。
そしてイチガキとは真逆の純粋で精神の強い一面を持っていて、今後を明るく生きて欲しいと思わせてくれました。
暗黒武術会が終わったら、きっと故郷に帰って師匠とまた修業をし、偉大な武術家になってくれる事をすべてのファンは願ったのではないでしょうか。