鬼滅の刃に登場する鼓を生やした鬼・響凱(きょうがい)。
唯一、十二鬼月の地位をはく奪された鬼として登場しますが、実は悲しい過去を持っているのです。
- 響凱という鬼について、血鬼術について
- 響凱は無惨のお気に入りだった?
- 響凱と鳴女の関係はあるの?
- 響凱の悲しすぎる過去について
- 響凱が最後にのこしたセリフ
今回は、そんな響凱について紹介します。
響凱という鬼について
- 響凱(きょうがい)
- 鼓屋敷の主
- 一人称は「小生(しょうせい)」
- CV:諏訪部順一
鍛えあげられた肉体のいたる所に鼓がついた異形の鬼。肩・腹・両腿からそれぞれ鼓が生えており、背中にもついていたが、食べるために捉えた人間によって奪われてしまいます。
ぼそぼそと小声で話す根暗気質のプライドが高い性格の持ち主。土足であがりこむ鬼殺隊の面々に怒りを露わにするなど、かなり礼儀にうるさいようです。
ですが、もともと小説家であったこともあり、「多くの人間を食べることができない」という問題にも、「少量の血でも力を得る稀血を取り込む」という解決法を考えだし、自ら稀血の持ち主を見つけ出し、その場で喰らうのではなく屋敷まで攫うといった計画をたてる賢さを持っています。
響凱は無惨のお気に入りだった?鳴女とのコンビをあり得た?
響凱はその実力を無惨に認められ十二鬼月の一員として君臨していましたが、人を多量に喰い続けることができなくなったことで見限られ、十二鬼月の位をはく奪されてしまいます。
その証である、下陸の数字が書かれた右目と共に響凱は地位は降格、再び無惨に認めてもらうために稀血を求めるようになるのです。
しかし、右目の数字を奪われた彼ですが、後に十二鬼月の下弦の鬼が「弱く、役に立たない」という理由で処刑されていったことから、片目と地位を奪われただけで済んだ響凱は無残の中でもかなりのお気に入りだったことが分かります。
響凱が他の下弦の鬼たちとの扱いが違うのにはいくつか所説がありますが、体質的に人が食べられなくなったことを言い訳にはせず、無理して取り込もうとしたこと、また、多く食べられないなら効率のいい稀血を食べればいいと努力を怠らなかったため無惨には好かれていたようです。
忠誠心が高く向上心を持っていた鬼をお気に入りにする傾向が高かったことも理由としてあげられ、鳴女のように空間を扱う能力を重宝しており、彼女のようになるのを期待していたのかもしれません。
血鬼術「鼓」
体にある鼓のそれぞれの場所を叩くことで、屋敷内を自在に動かすことや移動することができ、爪痕のような鋭い斬撃を出すことができます。
響凱が死ぬことで、この仕組みは解除され普通の屋敷に戻る仕組みです。
空間の回転
両肩と両太腿にある鼓を叩く事で、屋敷の空間を回転させることができます。
立ち位置も回転させることができるため、技を決めるために一直線に向かうと避けられてしまうデメリットも。
空間転移
背中にある鼓を叩く事で、屋敷内での空間の移動ができます。
作中では、食糧のために連れてきた少年によって奪われてしまい、彼自身が使う場面はありませんでした。
一回たたくごとに別の空間に移動することができ、同じ空間内に響凱がいれば切り離しても使うことができます。
斬撃の発射
腹部にある鼓を叩くことで、獣の爪のような打撃を繰り出し敵を攻撃することができます。
尚速鼓打ち(しょうそくつづみうち)
両肩と両太腿にある鼓を連打することで、空間が素早く回転し、腹部の鼓を叩き縦横無尽に斬撃を繰り出す響凱の必殺技です。
作中ではこの攻撃に対して炭治郎は「水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱」で対応していました。
響凱の過去には何があったの?
人間であった頃は、文筆家であり特に「里見八犬伝」を好んでおり、自身も伝奇小説を書いていました。
しかし彼のつくる物語は評価されることはなく、ある知人に至っては彼の作品を「ゴミのようだ」と手厳しい判断をした上に、原稿用紙を踏みつけにするという侮辱をしたことで彼の怒りを買い、鼓の斬激で惨殺されてしまいます。
その際「最近は昼間全く外に出てこない」と言われる描写がありますが、この時点で彼は既に鬼化しており太陽の下に出られない体になっていたからなのです。
鼓屋敷での活躍と最後
十二鬼月の降格を受けて、再びその座に戻り無惨に認めて貰えるように考えた響凱は、稀血をもつ少年を攫い、その少年を喰らうことで十二鬼月に返り咲こうとしていました。
稀血は体内に1人取り込むだけで50~100人分の人間を食べるのと同じだけの栄養を得られるため、多くの人間を食べることができなくなった響凱は、少量でも質の高い人間を喰らうことで力を身につけようと計画をたてますが、少年を攫うことに成功するも人の匂いを嗅ぎつけた他の鬼による邪魔が入り、少年に逃げられてしまい、屋敷を探すうちに炭治郎たちと遭遇し戦闘になります。
炭治郎は先の矢琶羽戦の負傷の影響で本調子でなかったこともあり、彼の「尚速鼓打ち」に追い詰められ、縦横無尽に動く部屋に苦戦しますが、誰かが書いた小説を踏まないように動いた事で戦いにおける無駄のない動きを習得することができ、炭治郎は「水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱」を繰り出し、「君の血鬼術は凄かった!!」と響凱の戦いを賞賛、そして響凱の頸を刎ねました。
人間であった頃は彼の書いた小説は誰にも認められることはなく、散々な言葉をかけられていましたが、炭治郎だけは響凱の実力を認め、心からの称賛をおくります。
炭治郎が避けていた原稿は彼が書いた作品であり、散々な扱いをうけてきた響凱にとって炭治郎が踏まないように戦っていたこと、そして最後に実力を受け入れてくれたことは彼の救いとなったのです。
「小僧…答えろ 小生の血鬼術は…すごいか…」
「すごかった… でも 人を殺した事は許さない」
「…そうか」
そして響凱は最後の瞬間に、涙を流しながら、
「小生の…書いた物は…塵などではない 少なくともあの小僧にとっては踏みつけにするような物ではなかったのだ 小生の血鬼術も…鼓も…認められた……」
彼は塵となって消えていきました。
響凱は無惨のお気に入りだった?のまとめ
- 体の各部位にある鼓で、空間を操作させることができる
- 鼓屋敷の主で、綿密な計画をたてることのできる賢さをもっている
- 鬼として向上心もあり忠誠心が高いことからも無惨に気に入られていた
- 十二鬼月に戻り無惨に認めて貰うため稀血の少年を攫うも、炭治郎に頸を落とされる
- 文筆家として活躍していたが、実力を認められることはなかった過去をもつ
響凱がもし誰かに実力を認めて貰っていたら、彼が鬼に変わることは無かったと思うと、とても悲しい鬼の一人なのだと感じます。
最後の最後に自分を認めてもらえたことに涙する姿に、本当は心優しい人物なのかもしれません。