鬼滅の刃に登場する最高位 柱の一人風柱の不死川実弥の悲しい過去には一人の恩人がいました。
それが粂野匡近(くめの まさちか)なのです。
- 粂野匡近の過去や性格について
- 粂野匡近と不死川実弥の関係
- 匡近の最後はどうなったのか
- 粂野匡近が遺した遺書の内容
登場シーンは少ないですが、実弥の過去を知る上で欠かせない存在なので今回は粂野匡近について解説していきます。
粂野匡近とは何者?
- 粂野匡近(くめの まさちか)
- 風の呼吸の使い手
- 最高位の「甲」
- 実弥より年上で、18~19歳の年齢だと推定
風柱になる前の不死川実弥の兄弟子兼先輩であり、命の恩人でもある親友という実弥にとって心の支えにもなった存在の大きい人物です。
実弥より前から鬼殺隊に属しており、自身の血の匂いが持つ能力を使って酔わせた鬼を日光に当てて殺す、という命を顧みない無謀な方法で殺しまわっていた頃の実弥と出会ったことをきっかけに、彼を鬼殺隊に誘います。
実弥にすぐに追いつかれてしまいますが、これまでの豊富な経験と洗練された剣技を併せ持つ歴戦の猛者であり、常に冷静さを保ちながら、状況や仲間との連携を意識して立ち回る戦上手です。
明るく真っ直ぐな性格の持ち主で、弱者であっても手を差し伸べ、人の心に寄り添うことのできる心優しい人物であり、実弥はそんな彼のことを「誰よりもお人好しで誰よりも優しい」と語っています。
しかし、純粋なのか他人の皮肉に気付かずに真に受けてしまうなどかなり天然気味な面もあり、どことなく竈門炭治郎に似ている部分を感じ取れますね。
粂野匡近の過去に何があった?
市井に暮らす普通の少年として家族と幸せに暮らしていましたが、ある時鬼の襲撃にあい、目の前で弟を食い殺されてしまいました。
両親は弟が死んでしまったのは誰のせいでもないと考え、決して匡近を責めることはありませんでしたが、自分は弟を守れなかった自分自身を許すことができず、己がいかに非力であるかを悔やみ続けます。
この時の後悔が、やがて「自分に救う力があれば弟は死ななかった」という想いに変わり、鬼殺隊に入ることを泣きながら反対する母を振り切って鬼殺隊へと入隊します。
鬼殺隊の剣術の師となる、育手の下で風の呼吸を修得したのち、半数以上が命を落とすとされる過酷な最終選別をも突破、正式に鬼殺隊の剣士となり、鬼に襲われる人々を守るために刃を振るっていくこととなったのです。
その後、無謀な方法で鬼を退治する実弥と出会い、自身の自分の師匠を紹介し、共に任務へと赴くなど親交を深めていきました。
粂野匡近と不死川実弥の関係性は?
鬼との戦いの最中、鬼殺隊の存在も全集中の呼吸も知らないまま、独自に鬼と戦い続けていた実弥と出会います。
実弥は鬼によって家族の多くの家族を失い、恨みの気持ちから半ば自暴自棄になりつつ鬼を殺し続けていました。
あまりに無謀な戦いをする実弥に驚いた匡近は、鬼殺隊の存在を伝えた上で自身の師を紹介し、実弥はみるみるうちに実力をつけ、最終選別を突破し鬼殺隊へと入隊することとなります。
しかし、あまりに荒々しい攻撃に恐れ、周りの人は彼のことを遠ざけるようになるんです。
匡近はそんな彼に死んだ弟の面影を重ね、「人生を諦めてほしくない」と何かと話しかけ続け、距離を詰めていき、そして匡近の努力も報われたのか、根負けした実弥は兄弟弟子であり親友という関係となっていきました。
十二鬼月との戦い
匡近と実弥は、柱に次ぐ高位の階級である甲(きのえ)となり、どちらが先に新たな風柱になるかを実弥と競っていた頃に、久しぶりの共同任務が申し渡されます。
いつ命を落としてもおかしくない状況の中でありながら、互いに心の通った親友と共に戦える安心感と共に、とある町の屋敷を訪れ、ここでは大勢の子供に加えて鬼殺隊の剣士までも行方が掴めておらず、強力な鬼が潜伏していることが予想されていました。
そこにいたのは、当時の下弦の壱「姑獲鳥」で、「自分のしあわせ」の為に大勢の子供を捕まえては自己満足の育児で衰弱させて、自分の中に還して幸せにするという自分勝手な理由で子供を殺しており、あまりに残酷な言い分に怒りがこみ上げるも冷静に現場を判断し、血鬼術にはまった実弥を助け、彼のアシストをしながら共に背中を預け戦っていました。
しかし、トドメを刺そうと刀を振り上げた時、鬼の事を「母親」だと洗脳され、助けようと庇った少女の致命傷を避けた際に、鬼によって致命傷をくらってしまいます。
粂野匡近の遺書と最後
直後、実弥が姑獲鳥を倒すことに成功しますが、すでに匡近の傷は深く手に負えないほどの重症で、実弥に「ちゃんと飯を食べろ、みんなと仲良くしろ、自分の人生を生きろ」と告げて、静かに息を引き取りました。
匡近の死の衝撃は実弥にとって大きく、家族でもあり親友であり、心の支えそのものだった彼がいなくなってしまったという悲しみを鬼殺隊の当主である産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)にぶつけます。
自分はこんなに苦しんでいるのに、自分の手を汚さず、命の危機もなく、一段高いところから、涼しい顔で指図だけしている、産屋敷に自身の気持ちを吐き出すように迫りました。
「いい御身分だなァ、おいテメェ。産屋敷様よォ」
「白々しいんだよォ、鼻につく演技だぜ」
「隊員たちなんざァ捨て駒としか思ってねェくせにア ンタ武術も何も齧ってすらねェだろォ」
「見れば一発でわかる そんな奴が鬼殺隊の頭だとォ?虫唾がはしるぜェふざけんじゃねェよ!!」
耀哉は無礼な態度をとる実弥に怒る訳ではなく、ただ「ごめんね」と謝ります。
体が弱く、刀を振っても10回で脈が激しくなってしまう、叶うなら体一つで命を守れる君たちと同じように戦いたかったと、つらいことばっかり君たちにさせてごめんねと心の内を伝え、その優しい瞳に母を思い出した実弥は、わが子が親に向ける眼差しに言葉を失ってしまいます。
「君たちが捨て駒というのなら、私も同じく捨て駒で、鬼殺隊を動かす一つの駒にすぎない」
「実弥は柱の会議の出席が初めてだから勘違いしたかもしれないけど、みんな善意で自分の言葉を聞いてくれてるだけであって、嫌なら同じようにする必要はないんだよ」
「そんなことに拘るよりも囚実弥は柱として人々を守っておくれ それだけが私の願いだよ」
家族同然だった匡近が亡くなってしまって申し訳ないと伝え、当時同じ柱だったカナエから、耀哉は当主になってからの間、死んだ全ての隊員たちの名前や経歴などを覚えていると告げます。
困惑した実弥に、匡近が書き残した遺書を渡し、そこには、
「大切な人が笑顔で 天寿を全うするその日まで 幸せに暮らせるよう。決してその命が 理不尽に脅かされることのないよう願う。例えその時自分が 生きてその人の傍らに いられなくとも 生きていて欲しい。生き抜いて欲しい」
匡近からの遺書を読み、実弥の脳裏には弟の玄弥の姿が頭に浮かび、実弥の目からは涙がこぼれ落ちました。
粂野匡近の遺書と不死川実弥の関係のまとめ
- 不死川実弥の兄弟子兼先輩であり、命の恩人
- 風の呼吸の使い手
- 誰にでも手を差し伸べる心優しい人物
- 下弦の壱「姑獲鳥」に操られていた少女を庇い亡くなる
- 実弥に遺書を遺し「生きて欲しい」と伝えた
実弥も述べているように優しい人ほど死んでいく、とても悲しいことでありあってはならない犠牲です。
あの世では争うことのない暮らしをしていて欲しいですね。