進撃の巨人が11年の連載を終え完結を迎えました。
今回は、
- 進撃の巨人を読んだことがない
- 途中で読むのを止めてしまった
という方に向けて簡単なあらすじを紹介していきたいと思います。
- 1 作品の設定と中心人物について
- 2 進撃の巨人のあらすじ
- 3 最終回までのあらすじをネタバレ解説のまとめ
作品の設定と中心人物について
作品の設定は以下の通りです。
- 舞台はヨーロッパ風の小さな王国
- 国土の中心部から外側に向かって半径100km~200km毎に高さ50mの3重の壁が立てられている
- エレンら物語の中心人物は1番外側の壁「ウォール・マリア」から更に外側に突出して作られた小さな区画「シガンシナ区」の住民
- 壁の外には無数の「巨人」がさまよっており、巨大な壁は「巨人」に対するバリケードとなっている
- 「巨人」とは知性も意志も持たない巨大なゾンビのような生き物で、「人を食う」という本能に従って行動している
- 人間が生身のまま巨人に対抗することは不可能であり壁の外に出るのは極めて危険
- 壁の中にいれば安全だが事実上巨人に閉じ込められている状態
- 100年前突如発生した巨人により人類は食い尽くされ唯一生き残った人たちが壁の中に逃げ込み国を作ったと言い伝えられている
- 巨人の発生原因は不明であり、唯一分かっていることは弱点部分のうなじを深く損傷すれば死ぬということだけ
- 壁内には現代のような軍事技術はなく、巨人を倒すためには「立体起動装置」という専用の装備を使用してうなじに近づき攻撃するしかない
- 壁内の人々は巨人に対抗することなく壁の中で安全に暮らしていけばいいという考えの人が大半
- 一方で危険を覚悟で巨人から「自由」を取り戻そうとする兵団組織「調査兵団」があり物語の中心として活躍していく
次に物語の中心人物はエレン・イェーガー、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトの3人で生立ちや性格は以下の通り。
- エレン・・・巨人に壁の中に閉じ込められ「自由」を奪われていることを激しく憎んでおり、調査兵団に入ることに憧れている
- ミカサ・・・戦闘民族アッカーマン家の血を引く少女で女性ながら抜きん出た強さを持つ。
- アルミン・・・エレンとミカサの幼なじみで頭のキレる少年。
進撃の巨人のあらすじ
おおまかなあらすじは以下の通りです。
- 超大型巨人に壁が破られ大勢の人が犠牲になる
- 兵士を志願し訓練に励むが同期の中に内通者がいた
- エレンに眠る始祖の巨人の力を巡って全面対決へ
- 壁外世界の真相が判明
- 人vs巨人から人vs人へ
- パラディ島vs世界に
- エレンが地ならしを発動
- 地ならしを止めるため敵同士だった104期生が結集
- ミカサがエレンを殺したことで地ならしが止まり巨人も消滅
- 終戦後約100年が経ちパラディ島は報復攻撃を受けて滅びる
- 更に数百年後、巨人が復活
謎の「超大型巨人」に壁が破られ大勢の人が犠牲になる
壁が築かれてから100年間巨人が侵攻してくることはありませんでしたが、エレンが10歳のとき突如としてその平和は破られます。
母カルラが食い殺され巨人への復讐を誓う
シガンシナ区の外側に現れた謎の「超大型巨人」により外門が破壊されてしまい無数の巨人が入ってきたのです。
シガンシナ区の人たちが次々と巨人に食われていく中、エレンはカルラやミカサと共に逃げようとしますが直後に絶望的な光景を目にします。
エレンの家は壁が破壊された際に飛散した大岩に潰されておりカルラは瓦礫となった家の下敷きになっていたのです。
カルラを助け出そうとするエレンでしたが、すぐそこには巨人が迫っており最終的にはカルラを置いて逃げるしかありませんでした。
カルラはそのまま身動きを取ることができず近付いてきた巨人にわしづかみにされ、エレンの目の前でバキバキと身体を噛み砕かれながら殺されてしまいます。
最愛の母を惨たらしく殺されたエレンは怒りを爆発させ「駆逐してやる。この世から一匹残らず」と巨人への復讐を誓うのでした。
「鎧の巨人」により内門も破壊されウォール・マリア陥落
巨人に破壊されたのは外門だけに留まらず、超大型巨人に続いて現れた「鎧の巨人」によりシガンシナ区内門も突破されてしまいます。
これにより壁外の巨人はウォール・マリア内にも侵入してしまい、ウォール・マリア内の住民のほとんどはカルラと同様巨人の餌食となってしまうのでした。
巨人から逃げ延びた人たちは更に内側の壁「ウォール・ローゼ」内に逃げ込み生き延びることができましたが、またいつ巨人が攻め込んでくるか分からない恐怖に怯えながら過ごすことになります。
兵士を志願し同期の訓練生と心を通わせる
ウォール・マリア陥落から2年後エレンはミカサやアルミンと共に兵士を志願し、兵士の養成所「訓練兵団」に第104期訓練兵として入団。
エレンには巨人になる力があると判明
エレン達は同期の訓練生ライナーやベルトルトらと研鑽を積みながら鍛錬に励み、3年後無事に訓練を終えることができました。
訓練兵団卒業後エレンは幼い頃からの憧れだった調査兵団に入団しますが、その過程で2つの衝撃的な事実が判明します。
- エレンには「超大型巨人」や「鎧の巨人」と同様、自らの意志で巨人になる力があった
- エレン宅には父グリシャが遺した巨人の正体や壁外世界の真実に関する資料が隠されていた
どうして自分が巨人になれるのか、どうして父は大事な情報を隠していたのか・・・それはエレン本人にも分からないようでしたが、調査兵団はエレンが人類の味方だと判断し巨人の力を利用してエレン宅を目指すこととしました。
仲間だったはずのライナーやベルトルトは壁を破壊した犯人だった
しかしその過程でまたしても信じがたい事実が判明します。
なんとエレンの同期ベルトルトとライナーの正体は5年前壁を破壊した「超大型巨人」と「鎧の巨人」だったのです。
3年間仲間として過ごしてきた2人の裏切りを知ったエレンは激怒し、壁外世界により強い復讐心を燃やすようになりました。
ライナーらの目的は「始祖の巨人」を奪うこと
人類を滅ぼそうとするライナーらの目的は壁の王が持つ「始祖の巨人」の力を奪い去ることです。
「始祖の巨人」とは「全ての巨人を操る」いわば無敵の力を持つ巨人のことであり、壁の王レイス家が代々継承してきたものでした。
つまりライナー達は壁内を襲撃することでレイス家の出方を伺い始祖の巨人の所在をあぶりだそうとしていたのです。
エレンに眠る始祖の巨人の力を巡って全面対決へ
始祖の力を狙うライナー達でしたが、実はその力は何者かの仕業によりレイス家から奪い去られており、その人物はなんと同日以降行方不明となっていたエレンの父グリシャでした。
グリシャは壁の王レイス家から始祖の巨人の力を奪った
始祖の巨人や超大型巨人などの「知性巨人」からその力を奪う方法は巨人化した状態で対象者を「食べる」ことであり、レイス家一族が始祖の力を継承してきたのも同じ方法です。
グリシャはライナー達と同様知性巨人の力を有する者で、その力を使って始祖継承者から力を奪ったのでした。
グリシャの目的は王家の「不戦の契り」から壁内人類を解放すること
始祖の力は壁外勢力に対抗しうる唯一の兵器ですが、グリシャはなぜそれを統治者から奪ってしまったのでしょうか。
その理由はレイス一族が縛られていた「不戦の契り」という誓約にあります。
「不戦の契り」とは文字通り「戦わない」という誓いのことであり、レイス一族かつ始祖継承者にのみ効力を発揮します。
そのためレイス一族が始祖を継承した場合必然的にこの誓約に囚われてしまい、始祖の力を外敵に行使することができなくなってしまうのです。
つまりグリシャはレイス家の「不戦の契り」から人類を解放するために始祖の力を奪ったのでした。
始祖の巨人の力はグリシャからエレンに託される
始祖の力を手にしたグリシャでしたが後述する経緯からその力を自ら行使することはなく、ある人物に始祖の力を託して死亡します。
その人物こそ主人公エレンであり人類の命運は始祖の力と共にエレンに委ねられることになるのです。
調査兵団とライナーらはシガンシナ区で運命の決戦に
グリシャから始祖の力を継承したエレンですがすぐにはその力を掌握することができませんでした。
なぜならエレンのように王族以外の者が始祖の力を行使する場合「王家の血を引く者を巨人にして接触する」という厳しい条件をクリアしなければならないためです。
また始祖の力がエレンに渡ったことはライナー達にも知られてしまい、ライナーらはレイス家からエレンへとターゲットを変更。
エレンを狙うライナーらとエレンを守ろうとする調査兵団は、始まりの地シガンシナ区で運命の決戦を迎えました。
壁外世界の真相が判明
シガンシナ区にはライナーやベルトルトだけでなく仲間の「獣の巨人」や「車力の巨人」が待ち構えており調査兵団は壊滅状態に追い込まれてしまいますが、最終的には全員を退却に追い込むことに成功します。
多大な犠牲を払って勝利を掴んだ調査兵団は壁外世界に関する以下の真相にたどりつくことができました。
- 王政の伝えてきた歴史は偽りのもので、人類は巨人に食い尽くされてなどいなかった
- エレン達が住んでいる場所は「パラディ島」という小さな島の中にあり、海の向こうには現実世界のようにたくさんの国がある
- パラディ島の人たちは「エルディア人」という人種であり、「悪魔の末裔」と呼ばれ全世界から激しく憎まれている
- エルディア人には「巨人化注射薬」という特殊な液体を摂取することで無垢の巨人となる能力がある
- パラディ島を治めていたレイス家は約100年前に滅んだ「エルディア帝国」という国の王家だった
- 「エルディア帝国」は1700年もの間、エルディア人の巨人の力を利用して殺りくの限りを尽くした
- エルディア帝国最後の王「カール・フリッツ」はエルディアによる殺りくの歴史に激しい罪悪感を抱いており、100年前、始祖の巨人以外の知性巨人の力を敵国「マーレ」に託してパラディ島に退いた
- カールと共にパラディ島に逃れることができなかったエルディア人はマーレに残された
- グリシャやライナーはマーレに残されたエルディア人の子孫にあたる
- マーレに残されたエルディア人はマーレの圧政下に置かれ、収容区内に隔離されるなどの激しい差別を受けている
- マーレに背いたエルディア人は罰として「楽園送り」となる
- 「楽園送り」とは強制的に巨人化させられる罰のことであり、壁外をさまよう巨人の正体は「楽園送り」となったエルディア人だった
- ほとんどのエルディア人は楽園送りを恐れマーレに従っているが、中にエルディア復興のため立ち上がる者もおり、グリシャもその1人だった
- グリシャは「エルディア復権派」の幹部として活動していたが、間もなくマーレに発覚してしまい仲間と共に楽園送りとなる
- グリシャは巨人化させられる寸前、マーレ当局に潜入していた「クルーガー」に助けられ生き残りとなった
- グリシャはクルーガーから「進撃の巨人」という知性巨人の力を受け継ぎ、始祖の巨人奪還のため壁内に潜入した
- 後述の理由からグリシャだけでなくマーレも始祖の巨人を狙っており、マーレが始祖の巨人を手に入れればエルディア人は皆殺しにされてしまう
- エルディア人を滅ぼすことはマーレだけでなく全世界が望んでいる
- パラディ島が世界に対抗する唯一の手段は「地ならし」
- 「地ならし」とは壁の中に潜む無数の超大型巨人を解放して壁外世界を丸ごと踏み潰すこと
- 知性巨人継承者は代償として寿命が13年に縮められてしまう
真の敵は「巨人」ではなく「人」すなわち「世界」だった・・・多大な犠牲を払ったにもかかわらず更なる絶望を突きつけられた調査兵団。
エレンは始めて見る海を前にしてこう呟くのでした。
「向こうにいる敵全部殺せば、俺たち自由になれるのか?」
マーレ編に入りライナー達の事情が明らかに
生き残るためには人と殺し合わなければならない・・・残酷な現実を突きつけられた調査兵団ですが、続く23巻では突然マーレ側へと視点が転換。
「マーレ編」ではエルディア人の境遇やライナーの生立ちにスポットが当てられ、ライナー達がパラディ島を襲撃した経緯が明かされていきます。
マーレは「巨人兵器」を利用して数々の戦争に勝利
エルディア帝国が滅んで100年、エルディア人を圧政下に置いたマーレは巨人の力を利用して数々の戦争に勝利してきました。
この「巨人兵器」はマーレの軍事力の要となっており、中でもライナーら知性巨人(戦士)は全世界から恐れられる存在です。
知性巨人継承者(戦士)は過酷な運命をたどる
マーレの軍事力の中核として活躍する知性巨人ですが、その反面敵国からは最重要の攻撃目標として徹底的にマークされ、作戦の度に集中砲火を浴びせられてしまいます。
また前述したとおり知性巨人の継承者は寿命がわずか13年に縮められてしまうのですが、このような過酷な役目と知っていながらなぜライナー達は戦いに身を投じていったのでしょうか。
マーレはエルディア人を「巨人兵器」として都合よくコントロールしてきた
それはマーレ政府や親から偏った教えを受けたためです。
マーレはエルディア人に対し幼い頃から「お前たちはかつて世界を蹂躙した悪魔の末裔だから自由を奪われて当然だ」と言い聞かせる反面「知性巨人継承者は『名誉マーレ人』になれる」「パラディ島の悪魔を滅ぼせば世界から認めてもらえる」などと吹き込んできました。
このようにしてマーレに洗脳されたエルディア人は、虐げられている現状から抜け出そうと藁にもすがる思いで「名誉マーレ人」を目指すのです。
その典型例として描かれているのがライナーで、ライナーは幼少期から上記のような偏った教えを受けた結果何も知らないまま「戦士」を志願し過酷な役目を背負うことになりました。
ライナー達はパラディ島側からみれば罪もない人を大勢殺した殺人鬼ですが、マーレ編に入り明かされたその生立ちはあまりにも悲惨であり同情せざるをえないものでしたね。
パラディ島vs世界へ
エルディア人を利用して戦争に勝利してきたマーレでしたが、無敵と思われた巨人の力は徐々に陰りを見せ始めます。
近代兵器の発達による巨人兵力の衰退
巨人の力は「陸」に限れば最強なのですが「空」では全くの無力であるところ、近年各国は戦闘機の開発に力を入れており戦争の中心はいずれ「空」となるためです。
このような現状を危惧し近代兵器の開発を進めようとするマーレでしたが、世界水準の軍事力に追いつくまで敵国が待ってくれる保障はありません。
また巨人に人を食わせるなど残虐な戦術を使ってきたマーレは世界中から激しく憎まれており他国と同盟を結ぶのも困難な程孤立化していました。
このような現状を打開するためマーレ軍は「タイバー家」一族の力を借り以下の作戦を実行に移します。
世界中の国々が同盟を結びパラディ島に宣戦布告
それは世界中の国々が一丸となってパラディ島に宣戦布告を行うこと。
これにより世界のマーレに対するヘイトをパラディ島へと逸らすと共に、始祖の巨人を手中に収めることで国力を安定させようとしたのです。
世界中の要人をマーレへと招いたタイバー家党首ヴィリーはパラディ島が世界にとっていかに脅威であるかを訴えることで各国の団結を促し、世界連合vsパラディ島の構図を作り出すことに成功しました。
宣戦布告直後にエレンら調査兵団がマーレを襲撃
ヴィリーによる宣戦布告が成立した直後、感動に包まれていた会場の雰囲気は一変します。
なんとここにいるはずのないエレンが突如として巨人の姿で出現し、会場に集まっていた人たちを次々と殺していったのです。
またエレンに続いて調査兵団のメンバーも登場し、立ち向かおうとした「車力の巨人」などの知性巨人を次々と無力化していきました。
マーレ襲撃はエレンの単独行動だった
調査兵団はマーレ軍に壊滅的打撃を与えた上でパラディ島へと退却します。
しかしパラディ島への帰路において、このマーレ襲撃は兵団が計画したものではなくエレンの単独行動だったことが判明します。
調査兵団は3年間世界との対話を試みてきた
ではなぜ調査兵団は戦うつもりがなかったのでしょうか。
それはシガンシナ区決戦以降の3年間、世界との対話を試みてきたためです。
義勇軍・アズマビトなど親エルディア的な外国人の来訪
「悪魔の末裔」として全世界から憎まれているパラディ島でしたが、中にはパラディ島と友好的な関係を築こうとする人たちもいました。
マーレ打倒のためパラディ島と同盟を結ぼうとする「義勇軍」、パラディ島に埋蔵されている資源を取引しようとする「ヒィズル国」の「アズマビト」。
また捕虜として捕らえたマーレ兵でさえ打ち解けることができた人もいたのです。
厳しい現実を突きつけられ「一部地ならし」を検討
時間をかけて話し合えば分かり合うことも可能ではないか、と希望を見出す調査兵団でしたがその願いも空しくパラディ島を巡る世界情勢は非常に厳しいものでした。
- ヒィズルを介して世界との対話を図ろうとするも、ヒィズルは資源の独占的取引を望んでいるため非協力的
- エルディア人保護を訴える人権団体に助けを求めようとするも保護の対象は大陸のエルディア人だけであり、パラディ島エルディア人はむしろ加害者として扱われていた
- 世界がエルディア人を恐れる根本的原因は「巨人になって人を食う」ことであり、この事実は変えようがない
厳しい現実を突きつけられた調査兵団は対話が叶わなかった場合の最終手段として「一部地ならし」計画を進めることになります。
一部地ならし計画
「一部地ならし」とは壁の巨人を一部だけ解放しその破壊力をもって世界を牽制し、地ならしが必要なくなるまでパラディ島の軍事力を底上げすることを目的とした計画です。
現実を踏まえれば最善の選択とも言えますが、この計画の実行には王家の血を引く者が犠牲となり惨たらしい「継承の儀式」を繰り返していかなければなりません。
また計画を実行すれば対話の道は閉ざされパラディ島は世界からますます孤立してしまうでしょう。
一度実行してしまえば後がない・・・地ならしの弊害を重く見た調査兵団は、本当に対話の道が残されていないのか、マーレの実情を「調査」しに行くことにします。
エレンの目的は地ならしで壁外人類の全てを滅ぼすこと
つまり調査兵団がマーレに潜入していたのは「話し合う」ためであり「戦う」ためではなかったのです。
では兵団に背き単独行動に出たエレンの目的とは何でしょうか。
それは「地ならしで壁外世界の全てを踏み潰すこと」すなわち「壁外人類全員を殺すこと」です。
マーレ潜入後エルディア人差別の現状を目の当たりにしたエレンは話し合いは不可能だと判断しました。
また「一部地ならし」についても結局は誰かが犠牲になる点で納得できず、壁外人類を滅ぼすことで壁内人類全員を救おうとしたのです。
パラディ島に帰還後王家の血を引く「ジーク」と接触したエレンは、壁に潜む「地ならし巨人」を全て解放し「進撃」を開始しました。
エレンの虐殺を止めるため104期生が結集し最終決戦へ
パラディ島の人たちは地ならし発動を知りこれで自分たちを脅かす存在はいなくなると安堵しますが、一方でアルミン達104期生は葛藤します。
- 自分たちが助かるためであっても何十億という人を犠牲にしてもいいのか?
- 死んだ仲間は人類虐殺のために命を捧げたのか?
悩み抜いた末、104期生は世界を救うため地ならしを止めようと決断し、ライナー達とも和解した上でエレンに決戦を挑みました。
天と地の戦い
アルミン達はエレンを殺さずに地ならしを止めようと試みますが、始祖の巨人の力は圧倒的でありとても手加減できるような状況ではありません。
厳しい戦況の中でもミカサはエレンを殺すことを最後までためらっていましたが、最終的には自らの手でエレンを殺そうと決断します。
ミカサは「エレンと一緒にいたい」という自分の気持ちを犠牲にして、世界を救うことを優先したのです。
ミカサがエレンを殺す
覚悟を決めたミカサは無数の地ならし巨人の中からエレンの居場所を探り当て、猛スピードでエレンに接近。
そしてエレンの首めがけて切りかかりながら優しく微笑み別れの言葉を告げます。
「行ってらっしゃい、エレン」
言い終わった直後ミカサはエレンの首をはね落とし、生首となったエレンに優しくキスをするのでした。
エレンの真の目的はのアルミン達104期生を英雄にすることだった
エレンがミカサに殺され死亡した瞬間、アルミン達104期生にある記憶がよみがえります。
それはエレンとの戦いに入る直前、エレンが始祖の力を使ってアルミン達に自分の本当の思いを伝えに来たときの記憶です。
エレンとの会話の内容を思い出したアルミン達は、世界を滅ぼそうとするエレンの真の目的と巨人の発生原因に関する真相を知ることになります。
- 巨人の発生原因はエルディア帝国の奴隷少女「ユミル」
- ユミルは「全ての有機生物の根源」ハルキゲニアと接触して始祖の巨人の力を手にした
- 始祖の力を手にしたユミルは、当時の国王「カール・フリッツ」の命令に従い他国を侵略した
- 強大な力を手にしてもなおフリッツに従った理由はフリッツへの愛
- ユミルは死んだ後もフリッツの命令に従い巨人を作り続けたが自分が生み出した巨人が人々を苦しめていることに激しい罪悪感を抱いており、フリッツへの愛を断ち切らなければと考えていた
- ユミルを愛の呪縛から解放する存在がユミルと似た境遇のミカサだった
- ユミルはミカサにエレンを殺させることでフリッツの暴走を止められなかった未練を解消しようとした
- エレンの真の目的は①ユミルに「ミカサがエレンを殺す」結末を見せて成仏させ、エルディア人の巨人化能力を消滅させること②104期生を世界を救った英雄にすること
最終回ではその後の世界が描かれる
自らの望む結末を見て満足したユミルは成仏し、これに伴い世界から巨人が消滅しました。
約100年後パラディ島は報復を受け滅びる
巨人が消滅したこと、地ならしで壁外人類の8割が滅ぼされたこと、104期生が世界に向けて和平を訴えたことから「天と地の戦い」は無事終結。
その後の世界には束の間の平和が訪れましたが、約100年後パラディ島は報復攻撃を受け滅ぼされてしまいます。
最終ページは巨人復活の暗示で締めくくられる
最終ページはパラディ島が滅んでから更に数百年後、エレンが埋葬されたお墓に謎の少年が訪れた描写で締めくくられました。
この描写はユミルが始祖の力を手にしたシーンと類似していることから、少年が始祖の力を手にして巨人が復活する暗示と言えるでしょう。
ただし少年が巨人の力をどのように活用したのかははっきりと描かれておらず、パラディ島を滅ぼした壁外世界への復讐に使ったのか、島の復興など平和的に活用したのかは読者の想像次第となっています。
最終回までのあらすじをネタバレ解説のまとめ
巨人に支配された世界の中で「自由」を取り戻すため戦ってきたが、死闘の末判明した真相は自分たちを滅ぼそうとする壁外人類の存在。
世界との対話を試みる兵団に背きエレンは「地ならし」で世界を滅ぼそうとしますが、その真意は104期生を世界を救った英雄にすることだったことが分かりました。
今回紹介したあらすじの中には省略した箇所も多々ありますので、詳しい内容に興味がある方は当サイトの関連記事をご覧下さい。