始祖ユミルに巨人の力を授けた謎の生物、ハルキゲニア。
巨人の力の根源として重要な存在ですが、エルディア側とマーレ側で考え方が分かれていることもあり、その正体については終盤まで謎に包まれたままでした。
そこで今回は物語終盤で明かされたハルキゲニアの正体と、宿主であるエレンが死亡した後どうなったのかについて解説していきたいと思います。
ハルキゲニアの正体
ハルキゲニア(光るムカデ)の正体は「全ての有機生物の起源」であり、エレンが死んだ後もエレンの生首に留まり生き続けていました。
ハルキゲニアの正体について順を追いながら説明していきたいと思います。
光るムカデ(ハルキゲニア)の正体については説が分かれていた
ハルキゲニアの正体についてはエルディアとマーレの歴史認識の違いからで考え方が真っ二つに分かれており、エルディア帝国では「神」、マーレでは「大地の悪魔」と呼ばれていました。
一方マーレでは巨人の謎について歴史や伝承に頼らず科学的に解明しようとする「巨人学」という学問があり、巨人学者の中には「全ての有機生物の起源」と唱える者もいたようです。
光るムカデの正体の真実は「全ての有機生物の起源」
巨人学者の提唱した説はマーレでは支持を集めなかったようですが、第137話「巨人」でこれが真実だったことが判明します。
ジークの説明によると遥か昔混沌とした世界で様々な物質が発生と消滅を繰り返す中、やがて最初の生命であるハルキゲニアが誕生し、これが「全ての有機生物の起源」となったそうです。
時空を超えて巨人を作り出すという超常的な存在である一方、その正体は「全ての有機生物の起源」という科学的な存在でもあったのですね。
光るムカデは始祖ユミルの願いに共鳴し巨人の力を授ける
様々な物質の中で「生命」という存在が生き残った理由は「増える」という性質ゆえであり、光るムカデの目的も生命を「増やす」ことです。
そこに善悪の感情はなく、光るムカデがユミルに巨人の力を授けたのも死に瀕したユミルの「生きたい」という願いに共鳴したためでした。
ユミルを宿主として寄生したハルキゲニアは以降ユミルの命令に従い約2000年間巨人を生み出し続けてきたのです。
光るムカデの寄生先であるユミルとエレンは最終回で死亡
ユミルに寄生していたハルキゲニアはエレンが始祖の力を掌握したことでエレンの身体へと転移しますが、新たな寄生先となったエレンは最終的に殺されてしまいます。
また最終回では元の宿主であったユミルも死亡してしまい、より所をなくしたハルキゲニアも2人と共に消滅したかに思えました。
光るムカデ(ハルキゲニア)は最後どうなった?
しかし実際にはハルキゲニアは死亡しておらずミカサに切り落とされたエレンの生首の中で生き続けていたのです。
考えてみればハルキゲニアは生命が誕生してから何十億年もの間生き続けてきた不死身の存在なのですから、宿主が死んでも共倒れになることはないのですね。
エレンが埋葬された「あの丘の木」はハルキゲニアの力で巨大樹へと成長
ハルキゲニアはエレンが埋葬された丘の木の地中で次の宿主となる人間を何百年もの間待ち続けていました。
その過程で「あの丘の木」はどこかで見たことのある姿へと変貌を遂げます。
それは始祖ユミルが巨人の力を得た「巨大樹」であり、なんとハルキゲニアは宿主となる人間と接触するために長い年月をかけて丘の木を巨大樹へと成長させていったのです。
最後には丘の木に謎の少年が訪れハルキゲニアの新たな寄生先となる
そして最後のページは巨大樹となった丘の木に謎の少年が訪れたシーンで締めくくられました。
このシーンは以下の点で始祖ユミルが始祖の力を手にした場面と類似していることから、ハルキゲニアが少年に巨人の力を授けて巨人が復活する暗示と言えるでしょう。
- 空に向かってそびえ立っていることを強調した描き方
- 周辺の木の様相
- ユミルを巨大樹に追い込んだ犬を連れていること
ただし少年が始祖の力をどのように活用するかは描かれておらず、別記事で記載したとおり読者の想像に任される終わり方となっています。
ハルキゲニア(光るムカデ)の正体と最後のまとめ
ハルキゲニア(光るムカデ)の正体は「全ての有機生物の起源」であり、寄生先となったユミルとエレンの死亡後も数百年もの間生き続け、最終的には巨大樹と化した丘の木に訪れた謎の少年に再び巨人の力を授けたことが分かりました。
巨人の力の大元を断ち切ることは不可能なので、世界を滅ぼしうる力とどのように向き合っていくかを各々が考えなければならないのですね。
進撃の巨人は今回紹介したハルキゲニアの正体以外にも様々な謎や伏線がるので、今後も順次考察記事を上げていきたいと思います。