エレンの記憶の片隅に突如として現れた謎のスリ少年ラムジーは、出番は少ないながらもエレンに大きな影響を与えたキャラクターの一人です。
今回はスリ少年ラムジーの素性やエレンとの関係について、見ていきましょう。
エレンとジークが接触!記憶に映る謎の少年
スリ少年ラムジーは、第120話刹那にて初登場します。
ジークとエレンの接触を阻もうとするガビの活躍によって、エレンは首を打ち抜かれましたが、吹っ飛んだ首がジークの手に収まってしまい、始祖の巨人の力が発動。
この始祖の力こそ、「地鳴らし」人々を絶望の淵に突き落とす破壊の力で、ジークとの接触の際、エレンは記憶の中で今まで出会った大切な人を思い出した中で帽子をかぶったまだ読者が姿を見たことがない少年が今回紹介するスリ少年ラムジー。
一族の豊かな暮らしを願って、残酷な世界でたくましく生きる少年です。
この時点では、まだ彼の素性も名前も判明していませんが、第123話「島の悪魔」にて彼との出会いが明らかになります。
スリ少年ラムジーとの出会い
第123話「島の悪魔」で、ラムジーは調査兵団がマーレ大陸に視察に訪れた際に出会いました。
人混みで賑わうマーレの港町でラムジーはサシャにスリを働きますが、リヴァイによって未然に阻止されスリを働いたラムジーは、マーレ人に捕まり厳しい制裁を受けようとします。
ところが言葉が通じず、いかにも移民の風貌であるラムジーはマーレ人が忌み嫌う「ユミルの民」の可能性が高かったた、過度な暴力行為を受ける可能性が高く、ラムジーが五体満足では済まされないと思った調査兵団は、制裁を防ぐことに成功しました。
ラムジーは故郷を失った難民
ラムジーと別れた調査兵団は、アズマビトの館でパラディ島の和平について会議をしますが、エレンは抜け出し難民キャンプへと向かい、その難民キャンプには港町で出会ったラムジーがいました。
彼は戦争によって故郷を奪われた難民で、助けてもらったお礼にとラムジーとその家族は、エレンをもてなします。
エレンが心配で追ってきた調査兵団の仲間たちも手厚いもてなしを受け、難民たちの優しさを知り、壁の外も人種も壁の中と一緒だということに気づかされました。
民族差別が絶えないマーレで、疲弊していた調査兵団一行はつかの間の安らぎを得たのです。
ラムジーがスリを行なっていた理由
第131話「地鳴らし」にて、ラムジーは盗んだお金を前に、弟ハリルにある決意を伝えました。
「俺が死んだらこの金をみんなに渡してくれ」そしてスリ行為を重ねた結果、ついにマーレ人から右手を切り落されてしまったのです。
これ以上罪を重ねれば次は左手を失うだけでなく、最悪命さえも失うかもしれない、エルディア人はもちろん他民族への迫害がひどいマーレでは難民への風当たりが強く、まともな住居も医療ですら受けることができません。
それでもしかしそれでもラムジーには揺るぎない決意がありました。
ラムジーは少しでも良い暮らしができるようスリを行い、健気にも皆の安全を願っていたのです。
エレンの涙と謝罪の理由
エレンがマーレの街を歩いていると、スリの制裁で暴行を受けているラムジーを見つけるのですが、時系列として、アズマビトの館から抜け出した後の出来事、もしくはマーレ入国直後だと推察できます。
将来的に地鳴らしを発動させることから自責の念と葛藤しながらも、ラムジーを救出し、この後、エレンはラムジーを難民キャンプまで送って行き、涙を流しラムジーに謝罪しました。
言葉が通じないラムジーには、エレンが何故泣いているのか何を言っているのか理解できません。
エレンは自身がこれから起こす悪魔の所業と良心の呵責に苛まれてしまったのでしょう。
誰にも吐露することができなかった罪悪感を意思疎通できない異国の少年にぶつけていたのです。
止まることがない涙と懺悔の気持ちを垂れ流しながらも、地鳴らしを決行します。
地鳴らしが発動した後のラムジーはどうなったのか
そして時は経ち、最低最悪の事態が人類を襲い、地鳴らしがマーレ大陸に到達したのです。
逃げ惑う人々の喧騒の中、ラムジーはエレンの涙を思い出しますが、迫りくる巨人に人類はなすすべもなく、弟ハリルとともに巨人に踏みつぶされ、凄惨な最期を迎えます。
彼の希望だった富をもたらすお金も失った右腕も地鳴らしの前では、無慈悲にも無に帰してしまいました。
なぜラムジーに始祖ユミルが見えたのか?
最期の瞬間、ラムジーは始祖ユミルの姿を見ます。
ユミルの民は民族浄化で無理矢理他民族に子を産ませる暗黒時代が2000年続きました。
この長きにわたる民族浄化によって、ラムジーなど異民族を含む大半の人類がユミルの民であってもおかしくありません。
ユミルの民と巨人は、全ての道を交わり一つの座標へ繋がっていることから、死の瞬間、巨人と触れたことで道を介し始祖ユミルが姿を現したと推察されます。
進撃の巨人に登場したスリの少年ラムジーのまとめ
- ラムジーは自分が犠牲になっても、仲間のためであれば死さえも覚悟する勇敢な少年
- エレンは言葉が通じないラムジーにこれから行う非道な行為を深く懺悔するが、地鳴らしを決行した
- ラムジーはユミルの民である可能性が高い
アニメファイナルシーズンでは、たくましく生きるラムジーやエレンの苦悩がどう描かれるのでしょうか?
原作は終了しましたが、今後も進撃の巨人から目が離せません。