NARUTOにおいて世界の均衡を保つ大きな役割を担っている尾獣は、その強大すぎる力はあまりにも危険な為人間に封印することでコントロール下に置く風習がありますが、人柱力によってはコントロールしきれずに暴走してしまう事も。
そんないつ暴走するか分からない人柱力は尾獣の力を得る代わりに各里でも超危険人物として迫害を受けており、例外なく壮絶な過去を持っていますが、今回はそんな人柱力の能力や強さ等を一覧にして紹介していきたいと思います。
人柱力とは
かつて全てのチャクラの源である強大すぎる力を持つ十尾を六道仙人が9つの尾獣に分け世界に分散しましたが、その力をコントロール下に置こうとする人間が後を絶たず生まれたのが人柱力。
尾の数でその呼び名が決まっている一尾~九尾を封印された人柱力は彼らが持つ特殊な能力や遁術を扱う事が出来るようになりますが、それには相当の修行が必要なのでほとんどの人柱力はその力を扱いきれず、感情の高ぶりや生命の危機をきっかけに尾獣を暴走させてしまう事や尾獣を抜かれた人柱力は死亡してしまう事がデメリットとして挙げられます。
尾獣の力を完全に使いこなすには尾獣と心を通わせる必要がありますが、そもそも尾獣とは憎しみの塊であり、人柱力になった人間も尾獣が原因で迫害を受ける事になるので、心を通わせることは至難の業だと言えるでしょう。
そんな人柱力は抑止力として各里で保有されていますが、暁という闇の組織はかつての十尾を復活させ、世界を自分たちの思い通りにする為に人柱力を捉え、尾獣を集めるという計画を進めました。
人柱力一覧
ここからはNARUTO第二部時点で9体いる尾獣を保有している人柱力を紹介していきます。
一尾:守鶴(しゅかく)/我愛羅(があら)
大きな砂の身体を持つ狸である一尾の守鶴を宿していた我愛羅は、
- 4代目風影の次男
- 現風影
幼い頃に一尾を封印されてから度々一尾を暴走させてしまう為、里の者はもちろん自身の父親からも殺されかけた事から心に深い傷をおっており、周りの人間を一切信用せずかなり暴力的な人物でした。
中忍試験で木の葉に訪れた際もナルトとの戦闘中に狸寝入りの術を使い一尾を尾獣化させてしまいますが、ナルトが自分と同じ人柱力であると知り、自分とは違い仲間に囲まれて仲間と共に生きる姿を見た我愛羅は生き方を改め、人の為にその力を使うようになり風影になる程の人望を集めます。
一尾の人柱力の強さと能力
我愛羅は砂を操る戦闘を得意としている為、常に自身のチャクラを練りこんだ砂を一定量持ち歩いており、その砂の攻撃力もさることながら我愛羅の反射速度に関係なく自動的に相手の攻撃を防いでくれる砂の防御力は「砂の絶対防御」と各里にその名がとどろくほどの強度、速度をほこります。
また、風影となっている事からも砂隠れの里で一番強い事は間違いないでしょう。
一尾の人柱力の死因
かなりの強さを誇る我愛羅でしたが、人柱力狩りを進める暁のデイダラとサソリに里を奇襲され、里の人々を守るためにすべての力を使い果たした我愛羅は人柱力を抜かれて一度絶命。
その後砂隠れの忍であるチヨの転生の術によって命を吹き返しますが、抜かれてしまった守鶴が戻る事はなく、この時点から人柱力ではなくなります。
尾獣を抜かれながらも無事砂隠れの里に帰還する我愛羅ですが、身を挺してまで里を守った我愛羅は里の人々から更なる信頼を集めその後も風影としての役目を果たす事に。
尾獣化等は出来なくなったものの自身の砂の能力や戦闘力が元から高かったのもあり、その衰えを見せない我愛羅は後の第4次忍界大戦でも前線指揮官として大活躍を見せました。
二尾:又旅(またたび)/二位ユギト
主に風遁系の能力を持つ二尾を保有していたのは二位ユギト。
二尾の人柱力の強さと能力
ユギトは二歳の頃から二尾を封印されている為、長い修行の結果、数少ない尾獣の力をコントロール出来る人柱力にまでに成長しており、尾獣化だけではなく尾獣玉というかなり難易度の高い尾獣とのコラボ忍術まで習得しています。
尾獣化した際には巨大な爪を武器に相手に襲い掛かり、遠距離戦では口から火の玉をはいて対応するなど臨機応変な戦闘スタイルを見せており、その強さは暁2人を相手に十分渡り合っていける程。
二尾の人柱力の死因
尾獣の力をも自らの物にしているユギトですが、彼女もまた暁の飛段と角都によって襲撃されてしまい、尾獣化して抵抗したのにも関わらず敗退、尾獣を抜かれてしまいました。
暁が人柱力を狙っているという情報があったため、トラップを仕掛けるなど準備も万端でしたが不死身の飛段と心臓を5つ持つ角都の相手を1人で相手するのは流石のユギトでも無理があったようです。
我愛羅の次に暁に狙われ殺されることになったユギトについてあまり多く語られる事はありませんでしたが、人柱力となったことで里から迫害されていたユギトは尾獣をコントロールすることで努力して里に馴染んだことだけは明らかになっています。
三尾:磯撫(いそぶ)/橘やぐら
カメの様な姿で水中戦を得意とする三尾を保有するやぐら。
- 4代目水影
- 水影時代はオビトから操られていた
三尾の人柱力の強さと能力
人柱力でありながら水影に就任したことからもわかる様に尾獣をコントロール下におけた人柱力の一人であるやぐらの生前について語られる事はほとんどなかった為その正確な強さは不明ですが、得意とする術は触れた相手から珊瑚礁をはやし行動を制限する珊瑚礁の術。
あの忍刀七人衆を生んだ霧隠れの里の水影を名乗っていた訳ですからその強さは相当なものだったと言えます。
三尾の人柱力の水影時代
やぐらは水影時代にアカデミーの卒業試験で生徒同士の殺し合いを行う等の恐怖政治を行い、霧隠れの里が血霧の里と呼ばれるようになった元凶ですが、これはオビトから幻術をかけられ操られていたことが後に判明し、同じ霧隠れの里の忍である青の白眼によって洗脳を解かれています。
三尾の人柱力の死因
青によって洗脳を解かれてからは自らを貶めた暁を追ってイタチと戦う事になりますが、尾獣化も行いつつ戦ったにも関わらずイタチの強さの前には歯が立たず敗北、イタチの善意でとどめを刺されずにその場に倒れこみますがその後行方不明になっています。
正確な死因は不明ですがその後三尾が湖で出現している為、暁の手に落ちていない事は確かです。
四尾:孫悟空(そんごくう)/老紫(ろうし)
岩隠れの里が所有をしていたゴリラの姿をした四尾の人柱力、老紫は
- 血継限界である溶遁の使い手
四尾の人柱力の強さと能力
尾獣化や尾獣玉は習得しているものの、第4次忍界大戦中に和解が出来ずにいたことが判明しているので彼らがお互いに協力して戦う事はなく、完全にコントロール出来ていたとは言い切れませんが、老紫は自身の血継限界を駆使して、超高熱である溶岩の山を作り出す花果山という術や溶遁を練りこんだ尾獣玉を作り出す等かなり実力のある人柱力でした。
四尾の人柱力の死因
四尾の人柱力は人里離れた森で修行を行おうと旅をしている道中で尾獣狩りの餌食となってしまい、暁の鬼鮫の手によって尾獣を抜かれ命を落としています。
四尾とナルト
四尾は第4次忍界大戦においてナルトが尾獣達と心を通わせるきっかけとなっており、人柱力である老紫も四尾と生前に仲良くなれなかった事を悔いていた事が判明しますが、最後は精神空間で和解し魂が昇天していきました。
五尾:王(こくおう)/ハン
イルカと馬を組み合わせたような見た目をしており、大きな角を使った戦闘を得意とする五尾が封印されているは岩隠れの忍ハン。
五尾の人柱力の強さと能力
蒸気を利用した体術を得意としており、飛び蹴りでナルトとビーを地面を抉りながらかなりの距離を吹っ飛ばす程の力自慢に加え、蒸気を利用した瞬発力もすさまじく、攻撃力と回避力の双方に優れたハンは人柱力の中でもトップクラスの実力の持ち主と言えるでしょう。
五尾の人柱力の特徴
里の人々からの評判は最悪で死亡したことが判明した際も喜ぶ人がほとんどだったことから尾獣をコントロールしきれていなかったことが伺えるハンですが、語尾に「だで」を付けるのが癖である可愛らしい一面があることもナルトと尾獣の人柱力達の会話の中で判明しています。
五尾の人柱力の死因
ハンは死亡した経緯についても一切描写はありませんが、第4次忍界大戦時に暁が五尾を保有しているので暁によって殺されたことは間違いないでしょう。
六尾:犀犬(さいけん)/ウタカタ
ナメクジを連想させる見た目を持ち、あらゆるものを腐敗させるガスを発生させる能力を持つ六尾の人柱力であるウタカタです。
六尾の人柱力の強さと能力
ウタカタはシャボン玉から発生する水遁系の技を得意とする為、シャボン玉を使えない状況(雨など)には極端に弱く短距離戦には向いていませんが自身のシャボン玉に入り浮遊出来たりと、戦闘力としてはそこまで高いとは言えませんがその汎用性は抜群です。
六尾の人柱力の過去
かつて信頼していた師匠から裏切られ、殺されかけた事を発端に六尾を暴走させてしまい霧隠れの里を抜けたウタカタですが、後を追ってきた追い忍によって師匠はウタカタに封印されていた六尾を取り出すことにより自由を与えたかったのだという事実を知り、里に戻る事を決意します。
六尾の人柱力の死因
やっと長年の誤解が解け里と良好な関係を築こうとするウタカタにも暁の魔の手が忍び寄り、ペインの手によって重傷を負わされ六尾を引き抜かれてしまいました。
ペインとの戦闘の際も尾獣化はせず、霧隠れでも暴走させてしまっている事からウタカタと六尾はいい関係にはなくコントロールしきれていなかったと言えますね。
七尾:重明(ちょうめい)/フウ
見た目はカブトムシの様な空中戦を得意とする七尾を保有していたのは、滝隠れの里の明るく陽気な性格のフウです。
七尾の人柱力の強さと能力
原作ではほとんど登場シーンがない為不明な点も多いですが、フウは七尾の尾を使って自由自在に空を飛ぶことが出来たり、尾獣の能力と思われる秘伝鱗粉隠れの術という口から光に反射する鱗粉を吐き出し相手の視界を奪う事が出来たりと七尾をかなり完璧に近いほどコントロール下に置いていた事が分かります。
フウ自身の戦闘力や能力は描写がないため分かりませんが、尾獣の力をかなり自由に操れると考えるとその実力は相当なものでしょう。
七尾の人柱力の死因
フウも他の人柱力同様暁の手に落ちてしまいますが、我愛羅よりも早く尾獣を抜かれている為、人柱力の中で一番最初に暁の手に落ちた人柱力と言えます。
八尾:牛鬼(ぎゅうき)/キラービー
タコの様な見た目を持つ八尾を宿しているのは雲隠れの里のキラービー。
八尾の人柱力の強さと能力
- 4代目雷影の弟
- 第4次忍界大戦前時点で唯一尾獣を完全にコントロール出来ている
という特徴を持つビーはとにかく明るく、ラップが得意なキャラクターですが、尾獣を完全にコントロール下に置いている為、常に自身の中の八尾とも会話が可能であり、八尾の長年生きているが故の豊富な知識や部分的な尾獣化もビーのアドバンテージとなっており、作中の中でもトップクラスに強い忍だと言えます。
八尾と九尾
ビーも幼い頃は迫害を受けておりましたが、持ち前の明るさと努力で八尾と良好な関係を築きくことにより里の人々からの信用も勝ち取り、更には唯一尾獣を完全にコントロール下に置いている人柱力としてナルトに尾獣コントロールの術を伝授し、第4次忍界大戦ではナルトの強力な助っ人として共にマダラ、オビトと戦いました。
八尾は九尾の性格もよく知っており、尾獣同士は会話可能な為ナルトに心を開くよう説得したりとナルトと九尾の間を取り持つのにも一役買っています。
九尾:九喇嘛(くらま)/ナルト
尾獣の中でも最強との呼び声高い狐の姿をした九尾の人柱力は、ご存知の方が多いと思いますが主人公のナルトです。
九尾の人柱力の強さと能力
ナルト自身の能力としては風遁系の術を得意としており、螺旋丸や風遁螺旋手裏剣等、短距離と遠距離どちらの敵にも大ダメージを与えられる必殺技に加え、仙人モードの鋭い感知能力を駆使しての蛙組手という体術も取得しており九尾の力なくしてもかなりの実力の持ち主です。
しかし九尾の力を持ったナルトの能力はさらに上を行く強力なもので、
- 自らのチャクラの他者への譲渡
- 悪意の感知
等が使用可能となっており、その能力を活かし第4次忍界大戦でも敵のなりすましを見抜いたり、味方の忍のチャクラを増大させたりと大活躍。
人柱力の中だけでなく、原作において最も強い忍と言って間違いありません。
九尾とナルトの関係の変化
- 風遁系の技を得意とする
- 4代目火影とクシナとの子供
- 現火影
であるナルトも生まれた瞬間から九尾を体内に封印され、両親も九尾の封印と同時に他界してしまう為、幼い頃から親も友達もいない孤独と戦ってきますが、その持ち前の明るさと真っ直ぐ自分の言葉は曲げない忍道で誰から認められる忍へと成長しました。
しかしそんなナルトも過去に九尾を数回にわたり暴走させており、対ペイン戦の際にはヒナタが目の前で殺されかけた事をきっかけに無意識に最終形態まで尾獣化し九尾に完全に乗っ取られそうになりますが、ビーの教えにより徐々に九尾をコントロールする術を身に付ける事に。
ずっとナルトの生き様を見てきた九尾はナルトはこれまでの尾獣を疎ましく思っていた人柱力とは違うと心を許し、第4次忍界大戦でナルトはビーに続き2人目の尾獣化はもちろん、尾獣玉等の尾獣の力を完全に使いこなせる存在になり、現在ではその力を駆使して火影としての役割を全うしています。
死亡してしまった人柱力
人柱力一覧でも記述したように、人柱力は八尾を持つビーと九尾を持つナルト以外は全員暁によって殺されていますが、一尾の我愛羅だけは禁術である転生術によって蘇っています。
暁によって尾獣を抜かれ死亡している人柱力はその死体も暁によって利用されており、第4次忍界大戦時にカブトの穢土転生によって5人とも復活させられ人格をも縛られて無理やり忍連合軍と戦わされることになりますが、人柱力の酷すぎる扱いに激怒したナルトとビーによって縛られていた尾獣、人柱力共に解放されることになりました。
人柱力が死亡したら尾獣はどうなる?
尾獣が抜かれてしまうと人柱力も死んでしまうという運命共同体の様な関係ですが、では逆に人柱力が死んでしまったらその中の尾獣はどうなってしまうのか。
答えは尾獣も一緒に一旦消滅してしまいます。
尾獣を抜かれた人柱力とは違い死亡する訳ではありませんが、一旦消滅し再び復活するまでには一定のインターバルが必要になり、尾獣を持つ事は各里にとってパワーバランスを保つ為の重要な政治的を含んでいる為、人柱力が尾獣を持ったまま死亡してしまったり、人柱力が裏切ったり他里に捕まったりして尾獣を失う事は絶対に避けなければなりません。
その為、人柱力に選ばれる忍は大抵5影の近親者から選ばれる傾向にあり、人柱力が死ぬ前に尾獣を引きはがし次の器に移し替えるというのが通例となっています。
アニメオリジナル話での人柱力
原作ではほとんど触れられていない尾獣や人柱力も存在しますが、ここからはそんな彼らの詳細が語られているアニメオリジナル話の紹介です。
フウの詳細
原作では暁に襲われる経緯や具体的な人柄等が全く不明なフウですが、630-633話のアニメオリジナルでは彼女の明るい性格の源や木の葉の里に中忍試験を受けに来た帰りに角都と飛段によって襲撃され、尾獣を抜かれてしまっている事実が判明しました。
三尾出現の章
原作ではなんらかの経緯によって暁の手に落ちている事しか分からなかった三尾ですが、309-332話では前人柱力であったやぐらの死後の三尾の行方からそれを巡る木の葉と大蛇丸の戦い、またどのようにして暁の手に落ちたのか等詳しく描かれており、三尾の戦闘力や能力も詳しく知ることが出来ます。
六尾発動の章
原作では詳しく描かれることのなかった六尾の人柱力ウタカタですが、アニメの364-371話では里を抜ける発端になった出来事や抜忍になってからの生活等、暁から狙われる前のウタカタを戦闘シーンをふんだんに使って紹介されている為、ウタカタの詳しい戦闘力や戦闘スタイルがよく分かる章となっていました。
まとめ
それぞれが壮絶な過去や特殊能力を持っている9人の人柱力ですが、そのほとんどは暁の手によって抹殺されてしまいます。
尾獣の力を持つ彼らをこうも簡単に仕留めてしまう暁とは一体どんな組織なのか、そちらにも注目していきたいですね。