鋼の錬金術師は2010年までに2度のアニメ化をし、一時社会現象となった名作中の名作、そんな鋼の錬金術師の中でも印象的なシーンと言えばアニメ版(『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』2009年~)4話の「錬金術師の苦悩」多くの人がトラウマを抱えたであろうシーンです。
その話に登場するのは生体錬成の権威であるショウ・タッカーと娘のニーナ、愛犬のアレキサンダー。
今回は鋼の錬金術師のトラウマ回となったニーナについて改めて調べてみました。
鋼の錬金術師ニーナの声優とプロフィール
名前 :ニーナ・タッカー
年齢 :不明
家族 :ショウ・タッカー(父)母親は行方不明
ペット:アレキサンダー(犬)
声優 :こおろぎさとみ(2003年版)
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST:諸星すみれ(2009年版)
ニーナは、「綴命の錬金術師」の父ショウ・タッカーの娘です。行方不明になっている母親がいますが、現在は父とペットの犬、アレキサンダーと暮らしています。
年齢は明らかになっていませんが、おそらく6歳前後。
ニーナは、生体錬成の研究をしているショウ・タッカーの元へ訪れたエドたちと出会い、2人が研究について調べている間、アルとアレキサンダー、時折エドを巻き込んで遊んでいる様子が見られるなど、かわいらしい女の子です。
鋼の錬金術師でニーナがキメラにされたのは何話?
鋼の錬金術師でニーナがキメラにされたのは、「錬金術師の苦悩」という話です。
アニメ鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMISTでは4話、原作では2巻に収録されています。
トラウマと言われる原因は狂気のショウ・タッカーが原因
綴命の錬金術師と呼ばれるショウ・タッカーは、生体錬成の研究をしています。
エドやアルを見ていると国家錬金術師といえば才能あふれる人物を想像しますが、ショウ・タッカーには特別な才能はないため、年に一度の「査定日」までに研究成果をあげられなければ、彼は国家錬金術師の資格を失う状況にありました。
追い詰められて焦っていたタッカーは娘のニーナと愛犬のアレキサンダーを使って、人語を理解する犬のような姿のキメラを作り出します。
キメラが話した「おにいちゃ」という言葉を聞いて、エドたちはそのキメラがニーナとアレキサンダーであることに気づくのです。
ショウを詰め寄るエドたちに彼は「研究のための犠牲は仕方なくそこに可能性があるから試した」と笑いながら話します。まさに、狂気としかいいようがありませんね。悲しむそぶりも見せませんでした。
そして母親を取り戻すためにエドたちがした人体錬成も、自分がしたことと同じ「人の命をもてあそんだ結果」だと言うのです。
この話はアニメ鋼の錬金術師 fullmetal alchemistで4話、序盤も序盤でこの内容だったので強いトラウマになった人が多くいました。
怒ったエドワード兄弟にショウがボコボコにされるもキメラとなったニーナがとった行動
自分の娘を錬成の道具としてしか見ていなかったタッカーに対し、エドは怒りに震えタッカーをボコボコに殴り倒し、その時キメラになってしまったニーナが「お父さん、痛い?お父さん、痛い?」としゃべり出します。
自分をこんな姿にしたにも関わらず、自分よりも父親の心配をするニーナの心が残ったキメラに対し、アルは自分たちには元の姿に戻してあげられないことをひたすら謝るのです。
キメラとなったニーナは、父を心配するだけでなくエドたちに向かって「あそぼう、あそぼうよ」と切なげに繰り返し、これは人間だった頃のニーナがよくエドとアルに言っていた言葉でしたが、そこにかつての無邪気で可愛かったニーナの姿はもうありません。
ショウ・タッカーは娘のニーナだけでなく自分の妻もキメラに変えていた
以前、ニーナの母親は実家に帰ってしまったと話していたタッカーは(原作2巻)ですが、実は母親は実家に帰ってしまったのではなく、2年前国家錬金術師になるためにタッカーが自分の妻を使ってキメラを錬成していたのです。
そしてキメラにされてしまった妻は一言「死にたい」と話し、エサも食べずに死んでしまいました。
つまりタッカーは自分が国家錬金術師であるために、
- 妻
- 娘
- 愛犬
を人ではない元へと錬成し、自分の権威を保っていたことになります。
キメラにされたニーナのその後
一度キメラにされてしまったニーナたちはもう元の姿に戻ることはできません。
その際、国家錬金術師を殺して回っているスカーにターゲットにされたショウ・タッカーはスカーを前に一撃死、そしてその傍で父親を心配するキメラをタッカーの娘だと判断したスカーの手に取って共に殺害。
本来キメラにされたニーナは国に引き取られ人体実験の毎日を過ごすことが余儀なくされていたのですが、サッカーが命を奪ったことで実験からは解放された形になります。
希望に満ち溢れたアニメであればその後ニーナは元に戻って幸せに暮らしました、とする所を鋼の錬金術師が描いたのは非情な現実のみ。
夢や希望だけでは現実は変えられない、こんな悲観的な表現もトラウマと言われる一つの要因なのでしょう。
まとめ
娘のニーナと愛犬のアレクサンダー、として自分の妻すら権威のためなら実験材料としか見ていないショウ・タッカー。
悲しい話が多い鋼の錬金術師でもこれだけ、誰も幸せにならない、全てが不幸になる、のはこの回だけです。
ニーナとアレキサンダーが死後、天国で幸せになってほしいとただただ願わずにいられません。