進撃の巨人でキースがボコボコにされた理由
第113話にて若者たちにボコボコにされてしまった鬼教官キース・シャーディス。
その理由と経緯、その後のキースの状態とはなんだったのでしょうか。
キースが訓練兵にボコボコにされたのはイェーガー派になったことの証明のため
エルディアを守るため他の島の全てを破壊するというエレン・イェーガーの思想を支持し、イェーガー派としてまとめあげるフロック。一方、かつて若手訓練兵の教育指導を行ってきたキースシャーディスは、イェーガー派リーダーのフロックにとって格好の標的でした。
実際、訓練兵の中でもイェーガー派を支持する者が出始めていたのも事実。
フロックは訓練兵たちに対し旧体制の象徴ともいえるキース・シャーディスを粛正し味方になれと煽ります。
ハンジが止めようとするが正々堂々粛正を受けるキース
フロックと訓練兵達に対し愚行を止めさせようとするハンジですが、キース・シャーディスはヒヨッコが何人かかってきても相手にならない、全く問題ないとむしろ挑発するような言動をとって制します。
覚悟を決める訓練兵達。結果としてキースは若手訓練兵達から暴行を受けるのでした。
ボコボコにされたキース・シャーディスのその後
暴行を受けたキースは牢獄に入れられていました。
その後地上ではマーレ兵達が突如現れエレンを仕留めるため市街は戦闘状態になり、コニーとジャン達は戦闘に加わり人手を増やすため牢獄を開放しようとします。
一時的にイェーガー派が制止しますが、この行動はあくまでイェーガー派の神様的存在のエレンを守るためと諭され、牢獄を任されていたのがそもそも若い元訓練兵達であったこともあって解放は実行に移されるのでした。
ケガを負っているキースを発見したコニーに対し、キースは熊の相手をしたとごまかして任務優先を支持します。
ひどい暴行を受けてはいたもののある程度動ける様子でした。
巨人に襲われる元訓練達を助け導くキース
その後ジークの叫びにより市中に巨人が大量出現し、キースはなす術もなく食べられる寸前であったイェーガー派である元訓練兵達を助け、生き残らせるために適切な迅速かつ的確な指示で導きます。
自らも暴行を受けた張本人にも関わらず、かつての愚行も意に介さず背中で正しい道を示す姿勢はとてもカッコいいですね。
キースは元訓練兵達に大切な事を言い残し別行動へ
戦闘の最中エレンの思惑通り地ならしが実行され、その動乱の中でイェーガー派が島の支配を進行していく状況にキースが旧体制派である自分の居場所はないと語ると命を助けられた元訓練達はキース教官を守りたいと懇願します。
しかしキースは元訓練兵達に対してこのままイェーガー派体制の中で生き抜け、ただし行動を起こす時まで決して自分を見失うなという言葉を残し、単独で別行動をとるようになりました。
そもそもキース・シャーディスとはどのような人物?
若者にボコボコにされても命を救い正しく導いたキース・シャーディスとは、そもそもどのような人物だったのでしょうか。
かつてはコニーやエレン達たちも指導し通過儀礼を与えた人物
キース・シャーディスは以前から訓練兵を教育する立場で、エレン達もその指導を受けました。
キース教官はそれまでの自分を否定し真っさらな状態から兵士として育てるため必要な課程、すなわち通過儀礼として恫喝による指導を行います。ただ、かつてマーレの戦士として教育を受けたアニやライナー達に対しては、(壁の外のマーレの事情は知らないまで)同様の通過儀礼を終えて覚悟ができている事を察知し指導を行わなかったのです。
ただしこの恫喝を伴う通過儀礼はかつて外の巨人に対し命を懸ける前提で組まれており、エレンが地ならしを発動しようとする状況、既に壁の外に巨人がいない時代では必要ない思われていくことになります。
誤って手を逆に敬礼してしまったコニーに対し熱血指導を行うキース・シャーディス教官。一方このような状況でも芋を食べ続けるなどしてサシャに対しては、夕飯抜きかつ死ぬ寸前まで走れと指示します。
厳しい指導でしたが、キースは個性豊かなエレン達を教育し、後に調査兵団として活躍していく土台を形成したのでした。
知られざるキース・シャーディスの過去
序盤はエレン達の教官として登場していたキースでしたが、中盤でその過去が明らかになりました。
キースの過去が明かされたのは第71話
キースは調査兵団時代に壁外でのちにエレンの父親となるグリシャを発見した人物
巨人に占領されているはずの壁外でキースはのちにエレンの父親となるグリシャに出会い、その時にグリシャは自分の名前と自身が医者であること以外の記憶を無くしたことを装っていました。
実はこの時グリシャは、壁の外であるマーレ国から進撃の巨人を継承しつつ逃げだしていたのですが、当然キース達にとってその存在を思いつくはずもなく、グリシャは不審者ながら医者として壁の中の人たちに溶け込んでいきます。
キースは調査兵団隊長を務めるも後輩エルヴィンに圧倒される
キースは高い志で任務にあたり調査兵団の団長に上り詰めるも、多くの人的被害を生むだけで成果を上げることは適いませんでした。
当時の後輩エルヴィンから長距離索敵陣形を提案されるも必要ないと一蹴され時間が経つにつれ周囲から信頼を失い、一方で分隊長として死人を出さないでいたエルヴィンとも比較され団長交代の声も挙がり始めす中、自分が凡人であると悟ったキースはエルヴィンに団長を引き継ぐ決心。
志はあっても人の上に立つ才能が無ければ人々を導くことはできないし、成果も上がらなければ周りからの信頼も得られない、調査兵団の厳しい現実ですね。
キースはカルラに密かに想いを寄せていた
キースは酒場の娘であるカルラに密かに想いを寄せていましたが、グリシャがカルラとその家族を壁の中の流行り病から救ったことがきっかけで、グリシャとカルラが結婚しました。
キースの想いは儚く散り、エレンが生まれるに至ります。
キースは壁が壊された当日はグリシャの不審な行動を目撃していた
超巨大巨人と鎧の巨人らに壁が壊されカルラが巨人に食われてしまった当日、キースはグリシャがエレンを連れ去るのを目撃します。
その際、自分が凡人でありエルヴィンや医者として成功をおさめカルラと結婚したグリシャを特別な存在と評すキースは、グリシャに対し息子エレンに呪いをかけるのかと質問するのですが、グリシャは、かつて壁外で己を見つけてくれたキースに対し、関わらないでくれと頼むのでした。
その後キースは志願兵だったエレンをわざと落第させようとした
キースの最後
様々な挫折を経験し苦い過去を抱えながら若者達の良き指導者であったキース・シャーディスの最後に迫ります。
アニとともに行動するアルミン達を目撃し秘密裏に援護へ
敵方であったマーレ人のマガトと協力
イェーガー派に港に残る巡洋船で追撃されれば、飛行艇を運ぶ輸送船のアルミン達はひとたまりもありません。
そこで巡洋船を爆破すべくマガトとキースは船の弾薬庫に乗り込みます。
キースはマガトとともに巡洋船を爆破
イェーガー派の追っ手も船内に突入。捕まらずに巡洋船を爆破するため、2人はこのまま弾薬庫で自決する覚悟を決めます。
お互いに世界を救った英雄の1人になるであろう事を推測しあう2人はマーレ戦士として子供達を導いてきた後悔をマガトは吐露するのですが、同じく若者を指導してきたから分かるのでしょう、
キースは敵であるマガトを誇りに思うと伝え、最後に互いの名前を確認し、火薬粉に銃の火花で点火させて巡洋船とともに自爆するのでした。
キース・シャーディスがボコボコにされた理由のまとめ
若手訓練兵にボコボコにされるもそれを許し、助け、アルミン達含め若者を未来へと導き続けたキースは、その裏には自らの才能への絶望、恋愛での挫折など教訓に満ちた人生経験が詰まっていたのでした。
最後は本来敵同士であったマガトと手を組み、未来ある若者の行く手を守るためを命を落とします。
キース・シャーディスは凡人であることを自覚しながら、最後まで戦い続けた彼が残した若者達がこれからどのような道を歩むのか、物語の続きがとても楽しみです。