最初に進撃の巨人で知性がある巨人、しかも男性的な見た目が多い中、女型、さらにその正体はエレン達と同期のアニ・レオンハート。
今回はその女型やアニ・レオンハートの正体と目的について紹介します。
女型の巨人はアニ・レオンハート
女型の巨人の正体は、エレン達と訓練兵時代の同期であったアニ・レオンハートでした。
アニ・レオンハートの身長、体重、出身など
- 身長:153cm
- 体重:54kg
- 誕生日:3月22日
- 出身:マーレ国
対人格闘技が得意で、小柄な体格ながらたびたびエレンを圧倒。
高い戦闘技術は父親から教わったもので、本人はいやいや習得したと話すものの格闘術を披露する時が一番生き生きしているようです。
言葉とは矛盾したアニの感情が垣間見えますね。
女型の巨人が初登場したのは第22話
訓練兵時代のあとエレン、アルミン、ライナー、ベルトルトらが調査兵団に入る中、アニは憲兵団に所属しますが、それは王政に近いと思しき内地で始祖の巨人が誰であるか調査するためで、ライナー、ベルトルトとは最初からスパイ仲間でした。
エレンが進撃の巨人の継承者であることが分かった後に調査兵団の第57回壁外調査で、エレンをマーレに奪還するチャンスと判断したライナー達はアニが女型の巨人となり、巨人を引き連れ右翼索敵班を壊滅状態に。
さらに、それまででは考えられない速度で兵士たちを追い詰めていくのでした。
女型の巨人の特徴
大きさは14m級ほど。ほとんどの巨人が男性型であるのに対しスリムな体型で女性的な丸みをおびた体つきをしています。
反応速度がそれまでの無知性巨人と比較にならないほど速く高い戦闘能力を持つ上、攻守両面で身体の一部を硬質化させることも可能。
無知性巨人を自分の元へ呼び寄せ、引き連れて人類部隊を壊滅に追い込んだり、罠で捕まった時は自らを捕食させその隙に本体自体は脱出を図ったりしました。
巨人化を維持できる時間も、2カ月近く維持できる車力の巨人には及ばないもののそれに次ぐ長さです。
高い戦闘能力で兵士たちを次々と殺していく女型の巨人。
その様子を見てアルミンは、知性を持たずにただ人を食べる巨人達とは異なり、壁を壊した超大型巨人や鎧の巨人と同じ存在で、エレンと同じように誰かが巨人化して何らか目的をもって動いていることを悟ります。
明らかに任務遂行のため邪魔な存在を消していく事実に驚愕し距離をとって全体に伝えようとしますが、すぐに追いつかれるのでした。
女型の巨人がアニだと判明したのは第23話と第29話
第23話で容赦なく次々に兵士を殺してきた女型の巨人。アルミンを馬から落とし万事休すかと思いきや、アルミンの顔をしっかり確認した後はあっけなくその場を去ってしまいました。
目的がエレン奪還でありアルミンだったから何もしなかったと言えますが、本来であれば正体がバレないようにアルミンを殺す可能性も高いはずで、訓練生時代の同期であったアルミンは殺したくないというアニの優しさが分かります。
このことからアルミンが女型の巨人の正体がアニであることに気づくきっかけとなり、後にアニ自身もこの時の判断を誤りだったと認め自分は戦士になりきれなかったと表現しました。
さらに第29話では、その後巨人化したエレン相手と戦闘した際もかつての訓練兵時代の時と同じ構えを見せ、エレンも女型の巨人の正体がアニだと確信するに至ります。
女型の巨人の捕獲作戦が行われたのは第31話
調査兵団は女型の巨人であるアニを確保し情報を引き出すため、嘘の作戦を立てて罠を仕掛けることに。
エレン、アルミン、ミカサとともに地下通路を進もうとしますが、地下深くに入ってしまうと巨人化に支障をきたすため拒絶するアニ。
さらに周囲に不自然に人がいないことから自分自身に罠が仕掛けられている事を察知。
お互いの探り合いの会話の末アニは自分が女型の巨人であることを自白し、再びエレン達との戦闘に突入。
訓練兵時代の仲間が敵の女型の巨人だと思いたくないエレンやアルミンの気持ちや、仲間を騙したことへの申し訳なさと長く隠してきた正体が明かされた解放感の入り混じったアニの複雑な気持ちが、伝わってくるシーンです。
アニ・レオンハートの真の目的とは
全体的に冷たい印象を受け謎の雰囲気をもつアニですが、一体何が目的だったのでしょうか。
マーレの戦士として始祖の巨人と進撃の巨人の奪還が目的
前述の通りエレン達と訓練兵時代の同期であったライナー・ベルトルト・アニの3人は壁の外の国マーレから来たスパイでした。
正体を隠しつつ、かつてマーレから壁内に奪われた進撃の巨人と始祖の巨人の能力を3人で奪い返すことが目的で、その能力を有する人物を特定するため壁内に侵入、訓練生として志願し組織に入り込み、情報を集めていたんです。
アニは最初からマーレの戦士としての使命や名誉など感じていなかった
壁の外のマーレ国から来た始祖の巨人奪還のスパイは、実はライナー・ベルトルト・アニの3人の他に、マルセルという顎(あぎと)の巨人を持つ男の子がいて計4人でのスタートでしたが、作戦開始からいきなり巨人に襲われライナーをかばってマルセルが食べられ死んでしまいます。
成果を出したいため作戦を継続するというライナーに対し、アニは猛反対。マーレ国も戦士としての名誉も何も信じていないことが明かされました。同時に自分の願いも口にします。
アニがマーレの戦士となった理由は父親の存在
始祖の巨人奪還作戦への出発の日にアニの父親はアニに対して謝罪をしていました。
も、全て捨てていいから無事に帰ってほしいと懇願し、アニもその気持ちを受け取り約束。
つまりアニの真の目的は、生きて父親のいる故郷に帰る事でした。
正体がバレたアニのその後
エレンやアルミン達に正体がバレてしまったアニは、エレン達と戦闘に。その後どうなったのでしょうか。
アニが全身硬質化したのは第33話エレン達に敗れたものの難を逃れる
エレン側に捉えられる寸前、父親との約束を思い出し強い想いで全身丸ごと硬質化させたアニは、当時のエレン達にはどうにもならないことほど硬い物質で覆われ、長きに渡り地下に幽閉されることになりました。
その後マーレ国でエレンが戦槌の巨人の硬質化結晶を顎(あぎと)の巨人の顎を使って砕くシーンがありましたが、おそらくそれ以外に方法はないと思われます。
アニはその後約5年間眠ったまま
アニは硬質化一向に溶けずに約5年間もそのままで地下で眠り続け、アルミンは超大型巨人の能力をベルトルトの記憶ごと継承した影響もあるのか、眠るアニに頻繁に話しかけ続けるのでした。
ちなみに実はこの時アニは意識はないもののおぼろげに内容を理解し、周囲で何が起きているのか大体は理解していたと後で明かします。
アニの硬質化が溶けたのは第124話で始祖ユミルの力の解放によるもの
地上でエレンとジークの接触により始祖の巨人の力が解放され、一時的に巨人たちの硬質化ができなくなることになります。
この時、地下に幽閉されているアニのも解かれることになり人間の姿を取り戻したのですが、5年間近く眠っていたので体力も相当落ちており実際に直後に再会するヒッチからそのことを指摘されていました。
アニが長い眠りについてそれでも想うこと
硬質化が溶けた直後にヒッチと再会した後、それまであまり自分の事を話してこなかったアニですが、ヒッチに率直な気持ちをうちあけます。
自分が故郷に帰りたいがために大勢の人を手にかけてきた過ち、その罪を全面的に認めるも、それでも父親の元へ帰るなら再び同じことをするだろうという結論。
自分の愛する人のために誰かの愛する人を犠牲にしてしまう、人間の性(さが)のようなものがアニを通して描かれている気がします。
アルミン達と偶然接触しエレンを止めるために父親の元に帰ることを決意
ヒッチと離れ食事をとっていた時に不意にアルミン達と遭遇。エレンの暴走をとめ、なにより父親のもとへ帰るため、アルミン達と行動をともにします。
この時の久しぶりで気まずいアニの表情がなんとも言えません。
- 敵だった気まずさ
- 訓練兵同期としての再会の嬉しさ
- そして何よりパイを貪り食ってるところを見られた気恥ずかしさ
全てが凝縮された表情です。
変な空気を持ち前の明るさで崩すコニーもかつてのサシャを思い出してるのでしょうか。アルミンのフォローも絶妙ですね。
ライナーを蹴り起こしエレンを止めるためアルミン達と行動するアニ達ですが、一方、アニの父親もマーレ国でアニの生存を信じ待ち続けます。
無事エレンの暴走を止め、世界を救い、父親との再会を果たすことはできるのでしょうか。
まとめ
女型の巨人の初登場から、正体であるアニ・レオンハートの真の目的まで紹介していきました。
進撃の巨人では登場人物に対し理不尽で残酷な死が待ち受けるほか、因果応報という形で背負った罪を贖うような死が描かれることがとても多いです。
父親との再会のため犠牲にしてきたアニの罪は相当なものですが、それでも愚直なアニの想いは達成されるのか。
そしてどのような結末を迎えるのか、今後が非常に楽しみですね。
第35回講談社漫画賞。シリーズ累計1億部突破!2013年アニメ化、2015年実写映画化。2009年「別冊少年マガジン」で連載を開始し、2021年完結