週刊少年ジャンプにて連載中の「約束のネバーランド」には魅力的なキャラクターが多数登場しますが、ほとんど登場回数はないものの読者に強烈なインパクトを残している「レスリー」という人物に今回は注目して解説してみたいと思います。
レスリーとは?イザベラとの関係
かなり序盤で登場したきり、その後物語に登場していない人物で「レスリーって誰だっけ?」という方のために改めて順を追って説明していきます。
レスリーも食用児だった
エマたちの飼育監イザベラがまだ幼かった頃、鬼の餌である食用児としてイザベラも育っており、同じ農園(ハウス)で育つ仲間の一人がレスリーでした。
レスリーは音楽が好きでいつも木陰で歌を口ずさんでいる少年で、木登りをしたりハウスを囲む壁に登ったりと活発なイザベラとは対照的に恥ずかしがり屋で大人しいタイプです。
正反対な性格のイザベラとレスリーでしたが、レスリーが作った曲を「みんなには内緒」と2人だけの秘密として共有していたことからも、イザベラはレスリーに好意を寄せており、レスリーもまたイザベラのことが好きだったのだと思われます。
やがてレスリーはイザベラよりも早く「出荷」つまりレスリーは鬼の餌となるためにハウスを出るのですが、このときイザベラはまだハウスの真実を知らず「レスリーは里親の元へ行く」と笑顔で見送っているのがとても切ないですね。
レスリーの歌
イザベラはレスリーが作った歌をとても気に入っており、レスリーの出荷後も大人になってからもずっとその歌を歌っています。
成長したイザベラはハウスの真実を知りレスリーが鬼の元へ出荷されたのだと理解し絶望を感じますが、レスリーが出荷されたという悔しさをバネに「生き続けたい」と思い出荷されないために、飼育監ママへの道を進むのです。
飼育監になってからイザベラはエマたちがハウスを脱走するまで一度もレスリーの歌を歌っていませんでしたが、自分ができなかった「世界を変える」ことをやろうとするエマたちの姿を見て、初めて幼い子どもたちにレスリーの歌を歌って聞かせます。
レスリーの歌を聞かせることで幼く何もできなかった自分と、エマたちを照らし合わせ、レスリーを哀悼しているように見えました。
イザベラの人生には常にレスリーの歌がそばにあり歌がイザベラの支えとなっていたことから、イザベラのレスリーに対する想いの強さがうかがえます。
レスリーはレイの父親?
イザベラはレイの実母であることが明かされていますが、ではイザベラが愛した相手がレスリーなのであれば、レスリーはレイの父親に当たるのでは?という疑問を考察していきます。
レスリーが父親である可能性
レイの名前はレスリーとイザベラの頭文字から取って名付けられている、なんて噂も一時期ありましたが、あなたはどう思いますか?
飼育監になってからイザベラはレスリーの歌を歌っていませんでしたが、レイに幼児期健忘がなくイザベラのお腹にいるころに歌って聞かせていたのをレイが記憶していたため、イザベラはレイが息子である事実を知るのです。
今ではイザベラ以外にレスリーの歌を知る唯一の存在となったレイなので、父親がレスリーなのでは?という説も頷けますが、私は残念ながらレスリーがレイの父親である可能性は低いと思います。
なぜなら、レスリーはイザベラが妊娠するよりずっと前に鬼の元へ出荷されている、つまり子どもの頃すでにレスリーは死亡している可能性が高く、レイの父親には成りえないと思うからです。
レスリーは本当に死亡している?
イザベラがハウスの真実を知るよりも前にレスリーは出荷されていることから、すでにレスリーは死亡していると考えられますが、決定的なレスリーの死体は物語に登場していないことから「レスリーはまだ生きているのでは?」という疑惑もあります。
誰もが出荷の真実を知らずにレスリーを「里親の元へ」と思い見送っているので、出荷を止めることは誰もできなかったはずですし、レスリーはイザベラやエマのような高級品・特上といえる人材ではなかったようなので、ノーマンのような特別待遇もなさそうです。
イザベラ自身もレスリーは殺されていると言っているのでレスリーが生きている可能性は極めて低いと思われますが、万が一レスリーが生き延びて大人になってイザベラと再会できるのであれば、ファンとしてはとても嬉しい展開ですよね。
まとめ
レスリーとはイザベラといっしょにハウスで育った友人で、唯一イザベラが愛した少年であり死後もイザベラの支えとなった人物でした。
レイの実の父親であるという説は否定しましたが、イザベラが絶望的な世界でも生き延びよう・飼育監になろうと立ち上がれたのは紛れもなくレスリーの存在があったからであるため、レイが存在するのはレスリーがいたからと言っても過言ではないと思います。
主人公エマが突き進む理由は、レスリーのように何も知らない子どもが殺されないためであり、イザベラのように辛い思いをする食用児がいなくなるようにするため。大勢の子どもたちの未来を背負うエマたちから今後も目が離せませんね。