医療漫画は読むだけで勉強になりますが、その中でもリアルで凄いと思った作品をいくつかご紹介します。
読むハードルが高い作品だけではないので、ご安心ください。
リアルで凄いと思った医療漫画
ここからは、読むだけで勉強になるリアルで凄いと思った医療漫画をご紹介します。
Shrink~精神科医ヨワイ~
【おすすめポイント】
精神科医である弱井先生が主人公で、現代の人々を取り巻く環境と、精神疾患を抱える当事者の苦悩、現代の精神医療について、リアルに描く作品です。各テーマごとに数話ずつで構成されており、それぞれで精神疾患や障害がある人が弱井先生とともに解決の道を探っていき、人と人との繋がりや心の内を丁寧に描くヒューマンドラマのような作品になっています。
精神科というと少し重い印象を持つ方も多いと思いますが、この作品は違います。優しいタッチの絵や主人公の精神科医の穏やかな性格、暖かい雰囲気がとても読みやすく、さらにそれぞれの精神疾患や障害について詳しく正確に噛み砕いて描かれているというところが他の精神医療系の漫画とは違うなと感じました。
私のイチ押しポイントはやはり絵のタッチです。柔らかくあたたかい雰囲気の絵で、とても読みやすいと感じます。精神医療系の重く暗い印象の漫画は苦手という方にも、自信をもっておすすめできる作品です。
フラジャイル
【おすすめポイント】
病理学を専門とする医師の先生たちが奮闘する医療系漫画です。総合病院にはいろんな科がありますが、それぞれの科に関わってくるのが病理学で、病気の診断をしたり、医療ミスを見つけたりします。わかりやすく描かれているので、病気や病院の知識がなくても楽しめます。
病理学という、普段病院に行っても目にすることがないところが描かれているのでとても勉強になりました。病気の原因を見つけたり、医療ミスを見つけたりするのがミステリー小説のようで面白いです。病気を扱っているので、時には亡くなってしまう患者さんも出てくるのですが、ストーリーがとても切なくてリアルで泣いてしまいます。いろんな医療マンガを読んだことがありますが、病理というなかなか無い視点で描かれていて興味深いです。
コウノドリ
【おすすめポイント】
産婦人科のリアルが書かれている漫画です。
ペルソナ総合病院産科には、いつもたくさんの方々が訪れます。産婦人科は病院の中で唯一幸せが生まれ患者も家族も安全だと思い込んでいる方が多いと思いますが、現実は毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせで、知さな命と向き合っても助けられない命もああります。そんな、年間100万人の命が誕生する現場で、妊娠・出産に向き合う鴻鳥サクラ先生のお話です。
この漫画を読んだ時、私もちょうど妊娠出産をひかえていて、リアルな妊娠あるあるまた、聞いたこと経験したことのない出産のお話があり、正直に出産が怖くなってしまいました。それくらいリアルです。
子どもを妊娠して幸せな気持ちやポジティブなイメージが多くあると思いますが、実際は違って「お産は命がけ」だと強く印象に残る作品だと思います。妊娠・出産のみならず、現代の女性の問題(不妊や社会復帰)なども取り上げられているので、妊婦の方のみならず家族みんなで考えさせられる漫画です。
アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり
【おすすめポイント】
アンサングシンデレラは処方箋に異議を唱えられる唯一の存在「薬剤師」たちの奮闘記録です。主人公は総合病院の薬剤師として働く、葵みどり・26歳。同じ病院で働いているのに医師のように頼られることもなく、看護師のように親しまれることもありません。ただ薬剤師として今日も彼女は患者の「当たり前の毎日」を守るため、様々な患者のために院内を駆け回っている医療漫画です。
各巻様々な患者、出来事トラブルがありつつも起点を聞かせ乗り越えていく考えさせられる内容となっています。
わたし自身、調剤薬局で働いており薬剤師という職業を身近に感じており、実際に同じような立場にも遭遇したことがありリアリティがあって、ハラハラドキドキが好きな人にはオススメです。
また、最新巻は医薬品の供給が不安定のため薬が足りないという内容でした。実際に今の世の中も医薬品がコロナや戦争等様々な理由が重なり供給が不安定になっています。毎日、この薬がないから他の薬で変わるものはないかと疑義照会を行っているさなかです。なので今の世の中とも内容がマッチしている点もいいなと思いました。
プラタナスの実
【おすすめポイント】
小児医療漫画です。過去に母親の病死で心に傷を負い、父親とも確執の残る、小児内科医師の主人公がさまざまな患者さんと寄り添い、父親そして兄との仲を取り戻していくお話になっています。
小児医療なので、患者の子どものみならず、親や保護者のケアの内容まできちんと描かれていて素晴らしいと思いますし、実際に外科は切って縫って治してなんぼ、な所はありますが、内科は患者と家族のケアまでしている印象があって、リアルだなぁと涙ながらに読んでいて感じました。
最上の命医
【おすすめポイント】
生まれてすぐに心臓手術を受けた主人公の最上命が物心ついた頃に自分の受けた手術の映像を見て、この手術を行った医者を超える医者になりたいと思うようになります。幼い頃から医療について勉強し、天才と呼ばれるような医者になり、多くの患者を救っていく物語です。
スピンオフとして最上の明医という作品が出ています。主人公の最上義明はチンピラ高校生でしたが、友人が大怪我をしてしまい、医者の父親から電話で指示を受けながら対応し、命を救います。それをきっかけに勉強をし始めて、医者を目指す話です。
どちらも医療に詳しくない人にも分かりやすく病状などを説明されていてとても勉強になりますし、漫画ですが医療の勉強の参考者にもなるような漫画だと思います。
ブラックジャックによろしく
【おすすめポイント】
名門大学医学部を卒業した主人公、斉藤英二郎は永禄大学附属病院と呼ばれる病院に勤務する研修医です。
この物語は主人公が目の当たりにする医療現場における過酷な現実をリアルに描いています。研修医としてのアルバイト低給料でありながら重労働を強いられる問題や病院と医師による圧倒的な技術の違い、がん治療と緩和ケアの対策、転院と医局の関係性の違い、そういった様々な問題に主人公は立ち向かい、成長していく姿を描いた作品です。
この作品はとにかく医療業界についてリアルに描かれています。私は医療についてあまり詳しくないのですが、この作品を読んでより一層この業界で働いている医師や看護婦さんの絶え間ない努力を少しでも理解できました。そして主人公の成長していく過程も見ていてとても面白く、不器用ながらに医療業界を知り、より良い医者になって人助けをしたいという彼の精神に応援したくなること間違いなしです。
ゴッドハンド輝
【おすすめポイント】
新米外科医の真東輝が、真の名医ゴッドハンドを目指すというストーリーです。主人公が、今まで患者を一回も死なせたことがないという強運と、信じられない医療センスの持ち主だったり、主人公の先輩たちのゴッドハンドたちの技術が凄かったりして、ファンタジー感があります。
しかし、劇中に出てくる、現場での応急処置などは連載当時ではお手本として、本当に現実の緊急マニュアルに書いてありました。漫画として、ファンタジー部分を作りながら、医療マンガとして、本当に使用できる医療技術を書いているあたりが、面白い作品です。作者の読者を飽きさせない工夫と、リアルを書こうとする熱意を感じました。
研修医 なな子
【おすすめポイント】
研修医ななこが色々な病院で研修をするなかで、同期の研修生や指導医とのやりとり、先輩とのやりとりや患者さんとの関わり方、手術の腕の良し悪しなど見ていて分かりやすい内容になっています。こんな患者もいるな、とかリアルですし、医療従事者の日常を書いているので、それが面白いです。
先生ってこんなこと考えてるんだ、とか、こんなに大変で給料もらったてなくて、こんなこと言ってたんだっていうのが、今になって理解できるようになりました。
透明なゆりかご
【おすすめポイント】
とある産婦人科のアルバイトをしていた看護学生のお話。
出産と言う命を産み出す神聖な場所でもありながら、ひっそりと命を終えてしまう胎児や赤ちゃんの看護学生からの視点で切り込んだ作品です。
淡々とシンプルな絵柄で語られるそれは重いテーマでありながら女性の妊娠、出産、子育て、そしてこの世に女性として性を受けたが故の幸せや哀しみ、苦しみが語られていきます。出産に至るにはたくさんの人が関わってきているはずなのに、1人でそれを抱える女性のリアルに驚かされるばかりです。
ラジエーションハウス
【おすすめポイント】
この漫画が面白い点は『放射線技師』が題材になっている点です。
コミュ障の主人公は幼馴染の女の子とある約束をし、その約束を守って日本に帰ってきました。女の子は医師になり最初主人公のことが分からなったが、主人公は世界から見て目られたスカウトも受けているが、それを断った天才『放射線技師』その女の子のサポートをすることになります。
医師の幼馴染(気が強い)とぎこちない恋愛話もありながら、主人公は優れた能力を持ちながらコミュ障で表舞台に立たずにサポートする姿がむずがゆく可愛い作品です。
Dr.コトー診療所
【おすすめポイント】
東京の大学病院の外科医という医者の中でもスーパーエリートな医者が、辺境の孤島に赴任してきたというところから始まるお話です。絶対に訳ありの医者とこんな孤島に赴任してくる医者なんて信用できないという真っ当?な意見を持つ島民の対立し、なかなか信用を得られなかったのですが、だんだんとDrコトーの人柄や医者としても腕前を見られる機会が増えていき、受け入れられていく展開です。
コトー先生はカップラーメンが好きでちょっと抜けたところのあるのんびりした性格の男性ですが、医師としては超一流で、怪我・病気問わず難しい手術を次々とこなしていてカッコいいですし、また、診療所の看護師さんとの恋愛要素もありますが、ほんの少しという感じで、主にヒューマンドラマという内容です。
医龍
【おすすめポイント】
天才的な医者が主人公というのはとても漫画っぽい設定ですが、心臓のバチスタ手術はこの漫画で覚えました。様々な医学会の問題を提示しているだけでなく、医局内の政治など医学界の血生臭い現状もとてもリアルだと思います。
登場人物たちが魅力的なのはもちろんですが、原作の永井明さんがあってのことだと思えました。登場人物では加藤晶が好きです。強い女性ですが、その裏に男性中心の医局の中で強くならざるを得なかった辛さが垣間見え、それでもそれを越えて権力を持とうとする姿が美しかったです。
JIN―仁―
【おすすめポイント】
西暦2000年時点の脳外科医「南方仁(みなかたじん)」が江戸時代末期にタイムスリップして、幕末時点での対応可能な医療技術の制限がありながらも、近代の医療知識を駆使して多くの人々を救う物語です。
見どころは2点あり、1点目は必要な薬や器具がない状況で実現させようとするところです。専門の脳医学で頭に刀傷を負い重傷の青年を救ったのをはじめ、専門外のコレラや梅毒、癌や鉛中毒などの治療法を編み出し治療をしていくところが凄いです。特にコレラの際は自らの危険を顧みず対処法を指導して多くの患者を救ったところは圧巻でした。また、梅毒の治療時に、その当時未発見のペニシリンを周囲の協力のもと製造したところも凄かったです。
2点目は南方仁と史実の人物との関わりです。緒方洪庵、勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬、徳川慶喜など多くの人物と診療所の運営や治療などに関わる様子が興味深く、特に歴史を修正してしまう事に迷いながらも、親友になった坂本龍馬の暗殺を防ごうとするところに惹きつけられました。
読むだけで勉強になるリアルで凄いと思った医療漫画のまとめ
取り扱うジャンルが違っても、医療漫画はどれもリアルで勉強非なる作品ばかりでした。
今回ご紹介した医療漫画はごく一部なので、リアルで凄いと思った医療漫画を見つけ次第追加していきたいと思います。