今回は様々なメディアから大注目の押見修造先生の話題作『血の轍』について紹介していきます。
独特な設定とタッチで毒親とマザコンの息子を描いたこの作品は、怖い描写が満載で、まるでホラー漫画のようだと話題沸騰中です。
今回はこの作品に登場する主要人物しげるは意識不明の重体からどのように回復していったのか紹介していきます。
記事の都合上ネタバレとなる要素が多く含まれますのでまだ見ていないという方はご注意ください。
しげるが意識を失い回復するまでの経緯
ここからは、しげるが意識を失い回復するまでの経緯を見ていきましょう。
しげるは静子の手で崖から突き落とされ意識不明の重体に
しげる家族と静一家族で夏休みに山登りに行った際にしげるは意識を失いました。
崖の上でふざけていたしげるのそばに心配するように近づいてきた静子は、一度はしげるを抱きしめるも、その直後、微笑を浮かべ、しげるを崖から突き落とします。
この事件をきっかけにしげるは意識不明の重体となり、事件について警察の事情聴取が行われるも、静子と静一の嘘の供述により、事件はしげるが崖で足を滑らせて落下したという事になってしまうのです。
しげるが意識を取り戻す
では、しげるの記憶が戻る前後の様子はどのようなものだったのでしょうか?
しげるの記憶が戻る前
しげるは原作第7集で意識を取り戻しましたが、静一と静子の事を覚えていませんでした。
この時のしげるは意識が回復したばかりで体に麻痺が残っていることもあり、静一たちの事を本当に覚えていない様子がしげるの描写から読み取れます。
その後、しげるの母は「ご飯の準備に行くからしげるの面倒を見ていてほしい」と静一に頼み、静子もしげるの母の手伝いに行ったので、静一は一人でしげるを見守ることになりました。
静一に見守られる中、しげるは突然立ち上がり「かあさん、どこ?」と言いながら歩きだしますが、身体に麻痺が残っているためよろけて倒れそうになるのを静一が間一髪抱きとめます。
するとしげるは「おばちゃん?」と意味深な発言をし、それに驚いた静一は思わず、しげるを抱きとめた手を放してしまいました。
しげるの記憶が戻った?
この時のしげるの様子を見た静一の頭の中では、蝶の描写と同時に自分がしげるを突き落とす描写が浮かんでおり、これが、しげるの記憶が戻るきっかけになったのではないかと推測できます。
床に倒れ込んだしげるはそのまま大声で泣き出し、しげるの母が心配してしげるのもとへ駆けつけ、静一に事情を聴きますが、しげるは自分で転んだとまたしても嘘の供述をするのです。
そんな中、おびえた様子で静子の方を指さすしげるの姿がありました。
おびえてうまく喋れないしげるですが、この様子からしげるを落としたのは静子だと読み取ったしげるの母は「静子さんがしげるを落としたなんてことないやいね?」と問い詰め、ここから徐々に静子の嘘が暴かれていき、しげるの記憶が戻ったのもおそらくこの一件がきっかけだったと推測されます。
また、静一に突き飛ばされる前のしげるの顔は、ぼうっとして何も考えていない様子だったのが、静一に突き飛ばされてからは、表情がはっきりと表れるようになり、ここで記憶の大半が戻ったと考えられるのでしょう。
しげるの記憶が戻ってからのその後
原作第10集でしげるは突然静一の家の前に姿を現しました。
真夜中になんの前触れもなく一人で歩いて静一の家に現れたことから、しげるの意識や体の麻痺はかなり回復しており、記憶もほとんど戻っていることが推測できます。
静一を山に誘ったしげるは、静一の手助けも受けながらなんとか崖にたどり着くと、「僕は静一。しげちゃん、かわいそうに。ゆがんじゃったんね。」と話すのです。
この時のしげるは、自身のことを静一だと思いこみ、静一のことをしげるだと思い込んでいることが分かります。
そして、「僕をゆがむ前にもどして。」と言い放ち、それに対して静一は「もどすことはできないけど、生き返ることはできる」としげるを励ましますが、今度はしげるが「違う、僕はママだ。」と支離滅裂な発言で否定し、静一を混乱させるのです。
恐らくしげるの記憶のほとんどは戻りつつあるが、自分の頭の中で記憶の整理ができず、自分が何者か分からなくなっているのかもしれません。
しげるの意識回復についてのネタバレ感想のまとめ
しげるは、静一から突き飛ばされたことを引き金に、自分が静子から同じように突き飛ばされたことを思い出し、記憶を取り戻しました。
意識が回復した直後は完全に記憶が失われていたように見えますが、この出来事をきっかけにしげるの顔に表情が出るようになったことから記憶が戻ったと推測できるのではないでしょうか。
さらに、崖の上で繰り出されるしげるの意味深な発言はしげるの記憶のゆがみから生まれるものなのか、それともしげるは完全に記憶が戻っていて演技しているのか様々な読み取り方ができます。
この後、しげるはどうなってしまうのか今後も目が離せません。