【血の轍】しげるが死亡したのは原作何巻?どんな経緯で亡くなった?

今回は押見修造先生が独特の設定とタッチで毒親を描いた話題作『血の轍』の主要人物「しげる」が死亡した話について紹介していきたいと思います。

しげるは主人公長部静一のいとこで、最新巻の第11集では、静一に崖から突き落とされ死亡してしまい、これまでの話の中でもしげるは静一の母静子に崖から突き落とされたことをきっかけに、思わず背筋がぞっとしてしまうようなエピソードが多くありましたが、今回のエピソードには本当に驚かされました。

そこで、今回はしげるがどういった経緯で死亡するに至ったのか紹介していきます。

記事の都合上、作品のネタバレになってしまう内容ですので、原作を読むまで知りたくないという方はご注意ください。

血の轍でしげるが死亡したのは原作何巻?

しげるの死亡が確認されるのは原作第11集の第92話「ありがとう」です。

話は雪の降る夜に起こります。夜中4時前頃に突然静一の家の前に現れたしげるは静一を山に誘い、その中で、静一のママ静子の回想や過去の静一の回想が描かれる中で、全ての元凶は自分であることを自覚してしまった静一は、しげるを崖から突き落として殺してしまいます。

しげるが死亡した経緯

しげるが死亡するエピソードは原作10集の第84話「呼び声」から始まりました。

静一は突然現れたしげるに山へ行こうと誘われ、一緒に歩いていきます。

降り積もる雪と後遺症で足元のおぼつかないしげるを介抱しながら山を歩き、崖にたどり着いた静一は、自分が誰で何者であるのかわからなくなってしまっているしげるの姿を目の当たりにしました。

そんなしげるの姿を見る中で、静一の頭の中では、静子との回想が始まります。

第90話「ママから見る」と第91話「ぜんぶ僕」のママとの回想の中で静一自身が放つ負の感情が静子を恐怖に陥れていたことが発覚して、静子から見た静一の表情が描かれる中で、静子は静一の恐ろしい表情に怯えていたのでした。

そんな静一の無言の圧力によって静子はしげるを崖から落とさざるをえない状況に追い込んでしまっていたと知った静一は、静子に対し、申し訳なく感じるとともに、もう消えてしまいたいと考えます。

そんな中、背後に幼い静一の姿が現れます。彼は、今の静一に昔、自分がママに突き落とされたときにちゃんと死ななかったのがいけないと伝え、「僕をちゃんところして」と話し、第92話「ありがとう」で、過去の自分をちゃんと殺そうろ決意した静一は、涙を流しながら、幼い静一を崖から突き落としてしまいますが、それは、静一の頭の中での回想であり、現実世界で殺されたのは、しげるだったのでした。

そして静一に「ありがとう」と伝え、しげるは崖から落ちていきます。

静一がしげるを殺したと自供

崖から降りていくしげるを見届けた静一は山を下りていき、そのまま家に帰り、朝目覚めた静一は昨夜の出来事がすべて夢だったのだと錯覚しますが、静一の目の前には昨夜の雪が溶けた水滴がついたアウターが部屋に置かれていることに気づきます。

そんな時に家のインターホンが鳴り響き、静一が扉を開けた先に待ち受けるのは刑事でした。

刑事は静一に「おはよう。静一君。今一人?お父さんはいる?」と尋ね父がいないことを伝えられた刑事は、水にぬれた長靴を見つけ、部屋に上がって静一と話をするために部屋に上がります。

刑事はしげるがいなくなったと、しげるのお母さんから通報があったことを伝え、

  • 静一に何か知らないか尋ねて玄関の長靴が濡れていること
  • 部屋で見つけたアウターが濡れていること

などから、静一が夜中、しげると会ったのではないかと刑事は推測しました。

疑いの目を向けられても昨夜の出来事を夢だと思っている静一は、夢の中でしげるに会ったと話し、刑事はそれが夢ではなく、現実であることを伝えると、静一は不敵な笑みを浮かべ、「僕は、本当に、おかしくなっちゃったんだな。」と話し、夜中しげるが家に来て、二人で白髭神社の裏の高台に行ったことを伝えます。

そして、「僕が、しげちゃんを、崖から突き落としたんさ」と自供する静一とそれを聞いた刑事は、悲しさからうつむき、険しい表情を浮かべ、一緒に現場に来てもらうよう決意して現場に行き、倒れたしげるの姿を発見した刑事らと静一でした。

その中で静一はしげるの姿に猫の描写を重ね、「ばいばい、ねこさん」とつぶやき刑事に連れられながら、現場を後にしその後、刑事による取り調べが行われる途中で、しげるが死亡したことが確認されます。

その連絡を聞いた静一は、「そっか、ちゃんと死んだんだ。良かった。ちゃんと死ねて。」と呟くのでした。

血の轍でしげるが死亡した経緯のまとめ

しげるが死亡したエピソードは血の轍の話の中でもかなりスリルのある恐ろしいお話です。

これまでは、静一の視点で描かれた話が、静子の視点から見た静一の姿を垣間見ることで、静一の新たな表情と内に秘めた負の感情が目の当たりになりました。

今までの話の中では、静子がただただ毒親だと思っていたのが一転して、静子がそのようになってしまうようにさせていたのは、静一の放つ圧倒的な圧力のせいだったことを知った時本当に驚かされましたし、おかしな方向へと壊れていく静一や静子の言動や行動は本当に怖すぎます。

漫画で、ここまで怖くてぞっとさせられる作品は他にないのではないでしょうか。

それでも、そんな怖さがたまらなくて癖になり、どんどん先が気になり、作品の世界観にのめりこんでしまいました。

この作品は、作者がとても吹っ切れていて、普通に読み進めていると気づいたらどんどんおいていかれて、読者が想像もしてなかったような世界に引きずり込まれるところが、最大の魅力の一つです。

そこで、まだ読んだことがない方は、1巻からじっくりと読み進めてみる事をおすすめします。