気になる男の子が病気で死ぬ!?少女漫画の中でも特に切ないお話し

恋愛もの、バトルもの、推理もの、そんな数あるジャンルの中で最も人気の高い少女漫画のジャンルは恋愛ですよね。

恋愛系で名作の少女漫画は数多くありますが、今回はそんな恋愛の中から主人公や主人公の大切に思う相手が病気で、その病気と闘う中での恋愛を描いたものの中からオススメの作品をいくつかまとめてみました。

気になる男の子が病気で死ぬ!?切ないけど大きな愛を感じられる少女漫画

ではいくつかオススメの作品をご紹介します。

僕の初恋をキミに捧ぐ

僕の初恋をキミに捧ぐの表紙

8歳の時に、20歳まで生きられないという宣告をされた心臓病の少年、逞は修学旅行の最中、自分の寿命に気がついてしまう。気遣われるのが嫌で、同情されるのが嫌で、周囲に知られないように振る舞い、自分が20歳まで生きられないと知っていることを隠し続けている。

将来の進路や未来の夢を語り合う友達たちの中でにこやかに振る舞い続ける日々。「来年はどこ行く?」という何気ない会話も心に突き刺さる。だって、自分には「来年」なんて来ないかもしれないから…。それでも表面的には動揺は一切見せない。周囲に見せるのは、男子寮 寮長の垣野内逞の隙のない姿だった。女子寮 寮長種田繭は、逞の主治医の娘で幼馴染。偶然8歳の時、逞の心臓が「20歳まで持たない」ことを知ってしまう。「20歳になったら結婚しよう」と交わしたその時の約束はどうなるのか?

そして時が流れ、逞は自分が20歳まで生きられない事実を知る。二人は変わらずお互いに恋心を抱いていたが、真実を知り、繭を幸せにできない。と逃げるように逞は全寮制の中高一貫校へ進学。逞を追って同じ学校へ進学するが、わざと冷たい態度をとって自分から繭を遠ざけようとする逞。さらに逞のファーストキスの相手との再会や、恋のライバルの登場など二人には次々試練が訪れますが高校生になり二人は再び結ばれます。

この後も逞の心臓病の悪化や親の反対など次々に問題が起こりますが、果たして二人は一緒に大人になることができるのか?本当に結ばれるのか?最後まで二人がどうなるのかわからないので一気に読んでしまう作品です。ぜひ読んでみてください。ものすごく、ミゾミゾします!「僕は妹に恋をする」の人気キャラを主人公にしたスピンオフです!

僕の初恋をキミに捧ぐ
created by Rinker
僕は幸せだった。繭が好きで好きで、毎日毎日どんどん好きになってく。だって知らなかったんだ…。好きになっちゃいけないって。好きになっても無駄だって…。8歳の夏、僕は最低な約束をした。守れない約束をしてしまった――。20歳まで生きられない心臓病の少年と、彼を献身的に想い続ける幼馴染の少女の、あまりにも切ない、すれ違いのピュア・ラブストーリー。『僕は妹に恋をする』の逞と繭を主人公にしたスピンオフ作品。2009年10月には、井上真央と岡田将生主演で映画化。

春巡る

春巡る

自殺を図った少女が自分と同じような年のがん患者とふれあうことで、人生を見つめ直していく少女漫画。幼少のころから可愛く、ちやほやと育てられてきた主人公の梅乃が高校でいじめにあい、自殺を図り入院した病院で、懸命に闘病する子供たちと出会い、自分の甘さに気づき、成長していくストーリー。

もちろん少女漫画なので、ラブストーリーも絡み始め、梅乃は入院中に1人の男の子に出会い惹かれていく。その彼・同級生の悠聖は、骨肉腫という病気と闘っており、足を切断せずに克服し、大好きなサッカーをもう一度思いきりすることが目標。梅乃は、病気を抱えながら前向きに生きる悠聖や同じ病院の子たちに逆に励まされ、もう一度学校へいこうと決意。

この作品は、病気が大きなテーマだが、男一人女二人の三角関係の複雑な恋模様も描いていて、誰の感情に共感を覚えるのか人によって変わるのが面白い作品になっています。

春巡る
created by Rinker
悠聖の笑ってる顔が見たいよ いじめに遭い自殺を図った梅乃。入院先の病院で出会った悠聖に惹かれ彼と約束を交わす。彼が背負った苛酷な運命を知らず…。 一方、悠聖は空手のために生まれてきたような男の子。才能に恵まれ伸び盛りだったが、ある日、稽古中に突然倒れ…!

余命1か月の花嫁

余命1ヶ月の花嫁の表紙

イベントのコンパニオンの仕事をしていた千恵は、開催されたイベントで太郎と出会うことになり、千恵は、その時乳がんを抱えていたが、秘密にして交際スタート。そして数か月後千恵は胸削除することをと病気を太郎に明かしまし、別れを告げて太郎の前から姿を消すものの、太郎はあきらめきれず千恵を追いかけていきました。

一生に頑張ろうといってくれた太郎の思いに打たれて千恵は、再び太郎と付き合うことになるのですが、幸せな日々を送っていましたが乳がんが再発。懸命に病気と闘い、治ると信じていたものの彼女の病気は治らず、千恵は余命一か月と告白される。太郎は千恵が死ぬことを分かっていながらも、千恵に結婚しようと言われましたが。乳がんを患った千恵は躊躇するのですが、太郎の想いに打たれて、模擬乾坤式を上げた後、24歳という若さで天国に旅立ったお話です。

実話を元にされた作品なので純恋愛物語であり、愛と生きることを教えてくれた少女漫画になります。三角関係に展開することもなく、大変美しい純愛を描いた漫画でした

余命1か月の花嫁
created by Rinker
イベントコンパニオンとして働いていた長島千恵(ながしま・ちえ)は、ある日胸にしこりがあることに気づく。乳がんが発覚、しかし「一緒に病気と闘おう」と励ましてくれる彼、赤須太郎(あかす・たろう)とともに病気に立ち向かう決意をする千恵。手術後、左胸全摘となりながらもSEの資格をとり、新たな生活が始まった矢先、千恵をまたも病魔がおそう……。大反響を呼んだTBSのドキュメンタリー番組をコミック化! 涙が止まらない、勇気ある真実の物語。

きょうのキラ君

きょうのキラ君の表紙

主人公岡村ニノンは、肩に生きた鳥の「先生」をいつも乗せている不思議少女。その隣の家には、イケメン男子の吉良ゆいじ君が住んでいます。全く接点がなかった2人ですが、実は吉良君が重い心臓の病気にかかっていて、余命が幾ばくも無いことを知る。やけになって生きているような吉良君に、他人と関わりあうことが苦手だったニノンは目が離せず、本当は吉良君だって、死ぬのは怖いし、もっと治療に励んでこなかったことを後悔していることをニノンは知ることになります。

心を開いてくれた吉良君のことをいつの間にか好きになっていたニノンは、吉良君に気持ちをぶつけ2人は両想いに。たくさんの困難がありましたが、ニノンに勇気をもらった吉良君はアメリカで手術を受けることを決意。ただ、成功率の低い難しい手術の為、ニノンは不安でいっぱい。はたして手術は成功するのか?恋の行方は?

重い病気を扱っている題材ですが、凛ちゃんと吉良君の恋は、お互いを思いやる恋で温かい気持ちになります。また、みきもと先生の独特のギャグがちりばめられていて、思わず吹き出す場面もあるので、登場人物が生き生きとして、本当に応援したくなるお話です。

きょうのキラ君
created by Rinker
これは、人生でもっとも輝く365日の恋の話。『近キョリ恋愛』みきもと凜が一番描きたかった物語。――365日、瞬きするのもおしいくらい、あなたを見つめていくから。――肩にインコ(先生)を乗せた変わり者のニノと無意味な毎日を過ごす遊び人のキラ。家が隣同士なのに話したことすらなかった……。けれど、ニノがキラの秘密を知ったことから運命は交錯し、煌めく生の時を刻みはじめる――!!

恋空

恋空の表紙

作者の美嘉が実際に体験したことを執筆し、漫画化・映画化がされている大人気の少女漫画

学生だった美嘉は病気のヒロと出会い恋に落ちる。仲間達と三角関係になるトラブルや、ヒロの子供を美嘉が流産してしまうなどショックな出来事が続き、最初はうまくいかなかった二人だが、互いに支えあい徐々に絆を深めていったそんなある日、ヒロが急に美嘉に別れを切り出した。

その時美嘉はまだヒロが病気であることを知らず、別れを切り出された理由もわからず困惑するが、ヒロの希望なら仕方ないと別れることに同意。その後、二人は別々の相手と付き合うようになるが、それもお互い長くは続かなかった。実はヒロが別れを切り出したのは、自分が病気で死ぬと美嘉を悲しませてしまうからだったと知った美嘉は、それでも最後までヒロを支えたいと思い、ヒロに復縁を提案。

ヒロも自分の残された時間には美嘉が必要だと感じ、二人は再びよりを戻すのだが、末期がんだったヒロは数年後にこの世を去ってしまい、美嘉は一人になってしまう。ヒロとお別れをした後、自分のおなかにヒロとの子供が宿っていると知った美嘉は、ヒロの分までその子を幸せにしようと決意し、その後の人生を歩んでいく

死ぬところややつれていく姿でミカを悲しませないように愛するミカの前から姿を消したものの結局見つかってしまい、最後まで共に戦うミカとヒロの純愛にどこか勇気をもらえました。病気で自分が死ぬ怖さとミカに忘れられてしまう怖さと戦い続けるヒロの姿には心打たれます。最初は純粋に愛を楽しむ少女漫画ですがヒロの元カノ・咲とのちょっと変わった三角関係を乗り越えて2人の絆を感じるラブストーリーです。2人が再開するシーンはなんともロマンチックで心が繋がってるんだなぁと感動しました!ノンフィクション作品ということで本当に作者が経験した話なのかと思うと切なすぎて涙が止まりません

電撃デイジー

電撃デイジーの表紙

電撃デイジーは、まず冒頭から主人公の兄が28歳という若さでスキルス胃がんという病気によって死んでしまうことで始まる。兄が死ぬことで、主人公は一人になってしまうのだが、生前の兄からもらった携帯はdaizyと名乗る人物からメールが来るようになっていた。それは、主人公にとっていつしか心の支えとなり、主人公を守ってくれる唯一無二の存在となっていたが、主人公はdaizyが誰なのか知らないままだ。

しかし、主人公の通う学校の用務員の正体はまさかのdaizy。主人公の兄が天才プログラマーだった為、その遺品を主人公が持ってるのではないかと、主人公を脅かす存在をdaizyは主人公に気づかれないように排除していくが、ひょんなことから主人公はついに用務員の黒崎がdaizyであることに気づいてしまう。それでも、気づいてないフリをし続ける主人公に対して、黒崎は自分がdaizyであることを明かそうとするのだが、邪魔が入る。最後は「お前のこと守るのは俺だからな。ずっと一緒だ」と主人公に対していう黒崎にめちゃくちゃキュンとします!

だって、君が笑うから。

だって、君が笑うから。の表紙

田舎に転校してきた病弱な結衣(ゆい)は、凌(りょう)と出会いクラスメイトになります。病気に侵された結衣は自分の命が長くないと 知っていながら受け入れて懸命に笑顔で生きてようとしていて、誰にも言えずにいる願いを叶えてあげたいと思う凌の切なくもハートフルな少女漫画です。

病気におかされながらもとても頑張って楽しく前向きに生きる結衣と、結衣のそばにいる凌の二人。周囲の人たちの暖かさや凌の優しさ、純粋さが切なくて悲しすぎます。誰かの為に幸せを祈れるピュアな心に涙しました。後悔のない生き方なんてないかもしれないけれど、瞬間瞬間で一生懸命生きる姿は見ていて感化されましたし、自分も一生懸命生きようと思えるとてもいい作品で逆に励まされ感動する少女漫画。一話完結ですがストーリーもしっかりしてて超オススメです。

Deep Love アユの物語

Deep Love アユの物語の表紙

援助交際を繰り返す、17歳の女子高生・アユ。ある日、道端で花を育てているおばあちゃんと知り合う。アユは「汚い都会では花が咲かない」と言うが、おばあちゃんは「がんばれば咲くのよ。咲いたらアユちゃんにあげる」と答える。アユは生きることに希望が持てず、おばあちゃんの言葉も理解できなかった。

数日後、アユは舌を切り取られた捨て犬を見つけるのだが、どうした良いか迷ったアユは、おばあちゃんに助けを求め、その犬をおばあちゃんに預けることにした。それがきっかけで、アユはおばあちゃんの家に泊まるようになる。

月日は流れ、恋人の健二から200万円が必要だと言われたアユはおばあちゃんが貯めていた150万円を盗み、健二に渡してしまう。アユがお金を盗んだことに気づきながらも、おばあちゃんは知らないふりをしていた。おばあちゃんは、養子として育てていた少年・義之の心臓の病気で、その手術のためにお金を貯めていたと話し、そのことを知ったアユは、お金を盗んだのは自分だということ、援助交際をしていることを告白。おばあちゃんはとても悲しい顔になり、翌日死んでしまう。それをきっかけにアユは援助交際をやめ、地道に働き、義之の手術代を貯めることを決意するが…。

【感想】
携帯小説として話題沸騰したDeep Loveシリーズ。映画やドラマ、少女漫画と派生し、10代の女子高生を中心に人気となった作品で、生きることに興味がなかった主人公のアユが、おばあちゃんや義之たちの優しさに触れ、変わっていくのが印象的です。
漫画の冒頭では無表情だったアユが、後半では感情豊かになり、たくさん笑って泣くようになります。アユは援助交際を止めて真っ当な仕事でお金を稼ごうとしましたが、義之の病状が悪化したことにより、また身体を売り始め、その結果、エイズを患い死ぬことになります

誰かのために自分を犠牲にしてまで頑張るアユの姿に涙が止まりませんでした。リアルにありそうなストーリーなので、援助交際やエイズなど、改めて考えさせられる作品です。

Deep Loveシリーズは特別版を含めて4部作で、アユが死んだ後に手術を受けた義之がホストになる話、捨て犬のパオがアユに拾われるまでの話など、どれも感動する話なので、シリーズを通して見て欲しいです。

イシュタルの娘

イシュタルの娘の表紙

少女漫画の巨匠、大和和紀先生の描いた戦国時代もので不思議な力と才気を持つ少女、お通の生涯で、戦国乱世を文才を以って生き抜き生涯を全うした実在の稀有な女性の一代記となります。

運命の相手は近衛信尹(元服時に織田信長が付けた名は信輔、後に信基、最終的に信尹となります)五摂家筆頭の近衛家の当主です。幼い頃2人が出会ったのは安土城の城下でした。しかしいくら衰えたとは言え近衛家の嫡子と、信長の家臣の明智光秀の更に家臣の娘では身分が違う。さらに本能寺の変により父や兄も死ぬとお通は身ひとつで生きる決心をします。不思議な縁で五摂家の一つ九条家の御隠居様(おおごっさん)から高度な学識と公家の礼儀作法を叩き込まれ、文人として名を馳せるようになった。宮中の女御(近衛前子、信尹の妹)や淀殿を始めとする諸大名の奥型達の書や礼儀作法の師として成功を収め、信尹はずっと正室を迎えずにいたが思案の末「渡瀬羽林」という名でお通の夫になりようやく2人は結ばれます。

しかしそんな中信尹を病気が襲う。衰弱していく信尹を看病に行くが、身分を考えれば自分が居てはならないと、一人娘の太郎姫(後の二世おつう/お図)を連れ屋敷を去る。死ぬ瞬間に看取ることは叶わなかったが、お通は確かに信尹の魂に触れ1人涙。これからは比翼の鳥を失い一人で娘を育て生きていく日々が始まるのだった。

パートナー

パートナーの表紙

少女漫画好きなら知っている方も多い、小花美穂先生の作品「パートナー」。

主人公の一卵性双生児の双子の妹が不慮の交通事故で死ぬという、ショッキングな出来事からストーリーは始まります。妹の恋人は二卵性双生児であり、その恋人が気になる主人公という三角関係もどうなるかが見どころです。
また、亡くなった妹の遺体が盗まれ、とある研究所にて、アンドロイドとして生まれ変わる妹。妹と助けるべく、主人公、妹の恋人、その恋人の兄弟3名で、謎の研究所へ侵入し、外の世界へ戻れない隔離生活が始まります。

妹の恋人は、うつ状態、妹の恋人が精神的病気になり、最終的には自殺を図るという少女漫画にしてはかなりダークで、暗い内容に。何故、妹の遺体が盗まれたのか、亡くなった妹がアンドロイドとして生まれ変わった理由、その怪しい研究をしている研究所の真の目的とは、などなど、サスペンス好きなら、目が離せない展開を繰り広げます。

ふしぎ遊戯 玄武開伝

ふしぎ遊戯 玄武開伝の表紙

少女の父が書いた本の中に吸い込まれた少女。本の中は昔の中国、玄武の国。吸い込まれた少女はその国を救うため、玄武の巫女として玄武召喚のため体に文字をもつ7人、玄武七星士を集める旅に出る。七星士のうち一人がその国の王子。その王子と少女は惹かれあっていくが、王との確執がある王子は追われる身で賞金首となっていた。賞金目当てに王子を追う人物が出現し、その人物も七星士の一人だった。

彼は巫女に惹かれて三角関係となるが、彼は彼女と王子の想いから少女を守ることに。七星士集めのなか、少女は肺病、結核を患っており、病気をかかえながらも難航する旅は続き、玄武を召喚することができたが、王子と少女は一緒になることはできず、少女は現実世界に戻ります

少女も父と確執があったが、本の世界から帰って父と和解、結核により死ぬ。王子は王となった後も少女を想い結婚することはなく、生涯、少女のことだけを想うのである。純粋に一人の人を愛し続けた王子に涙し、女の思いや、仲間、恋愛について感慨深い少女漫画だなと思いました。

Swan―白鳥

SWAN(白鳥)の表紙

バレエを描いた少女漫画の金字塔、SWAM(白鳥)。主人公の真澄の女性としての転機となるNY編の登場人物、美貌の青年ルシアン・スタンレー、通称ルシィ。バレエだけに一生懸命だった真澄の初めての恋人です。レオンハルトの親友で優れたバレエダンサーのルシィですが誰にも言えない病気と戦っていました。病名は骨肉腫、しかもそれは舞踏家の命、足に発症していたのです。進行していく病気、恋人同士になってもダンサーとしての真澄のパートナーになり得るのはレオンだという現実。遠く及ばない才能と自分の余命。痛み止めを打ちながら、最後の舞台で見せた魂の踊りは観客を熱狂させるのです。

その直後親友と行くはずだった憧れのバレエ団の夢を思い浮かべたその瞬間に、交通事故で死んでしまうのですが、医師はたとえ切断しても手遅れだったと語ります。自殺か事故か不明なまま、真澄の心に爪痕を残し逝ってしまったのです。この恋が真澄のバレエを成長させ、同時に「永遠のパートナー」であるレオンに向き合う足枷にもなってしまうのです。ルシィを忘れる罪悪感を真澄に、真澄を求める罪悪感をレオンに残したルシィの切ないエピソードです。

ストロベリーデカダン

ストロベリーデカダンの表紙

幼少期から従弟(男性)・太郎に惹かれていた主人公(男性)・兼次の長期にわたる恋愛譚。純粋な少女漫画誌に連載されていた異色の同性愛いわゆるBLマンガ。

舞台は昭和の古き良き時代で、名家の生まれである兼次は眉目秀麗、頭脳明晰、性格もよし、人望にも恵まれパーフェクトな人物。その彼の唯一の弱点が従弟の太郎ちゃん。太郎はノンケで、過去の経験からホモフォビアである。その考えを知っているからか、兼次は友情や従弟愛を表すことでしか太郎に近づけない。

太郎は[昭和の光源氏]というあだ名がつけられているがごとく、女性のことが大好き。数多くの女性と浮名を流すも、すべてライトな関係であることがわかるために兼次もその行動を流していた。そんなところ、無精子症ゆえに女性との間に子供ができにくかった太郎に子供ができたとの報告が。兼次には決定打、死刑宣告にも近い片思いの終焉。

デキ婚をする太郎とユイ子。ユイ子は兼次の態度から自分の存在が兼次には邪魔な存在、旦那を取り合う三角関係だと気付いてしまう。もともと心臓に病気を抱えていたユイ子は出産後、体力の低下もあって日に日に弱っていき、死ぬ間際、兼次を呼び、自分の死後は太郎と結ばれるようにと言い残して死んでしまう。

ユイ子を亡くした太郎は途方に暮れ過ごすも、やがて自身の身体にもとんでもないことが起きつつあることを知る。胃癌である。病気が進む前に意を決して告白する兼次と、それを受け入れるのにためらうホモフォビアの太郎。やがて死を前にしてふたりは結ばれ、太郎は病に倒れる。

最初は絵のきらびやかさ、くどさに頭にはっていこなかったのですが、読んでいると、現実世界を忘れさせてくれて、作品世界に没頭していることに気付きました。あまり腐女子の要素は自分にはないのですが、人が人を好きになるときって外的な要素ってどこまで関係してくるのかなと思わせてくれます。

もちろん、タイプってどこまでもついてくるのですがね。
私は高校時代、受験で苦しんだり、大人にならないといけないなと苦しんでいるときに出会えて、本当によかったと思っています。

夏のかけら

夏のかけらの表紙

主人公の滝沢美雪は14歳の夏に入院した祖父の見舞いと旅行を兼ねて、夏休み中に田舎で過ごすことになりました。お見舞いに行った美雪は病室を間違えて訪れてしまい、そこで入院中の早瀬円という同い年の男の子に出会います。最初は興味本意で関わりに行っていた美雪でしたが、次第に仲良くなり毎日会いに行くようになり、そんなある日いつものように会いに来た美雪は、円が咳き込み吐血している姿を見てしまい…

具体的な病名は一切出てきませんが、「肺が悪い」「子供の頃からずっと病院生活」といった言葉が出てくるので、症状としてはかなり悪いのかもしれません。徐々に切なくなっていくストーリー展開に目が離せなくなります。可愛らしい絵柄が特徴的で、キャラクターの個性もはっきりと描かれていて読みやすい作品です。

風光る

風光るの表紙

男装して新選組隊士になった主人公が、沖田総司と恋に落ちる物語。沖田総司は結核を発症し、喀血などを起こす

この作品はかなりしっかりと作者によって歴史的背景が調べられていて、歴史の勉強として読んでも面白い。新選組の存在を知らない日本人は稀だと思うが、新選組について細かに知っている人はあまりいないのも事実だろうと思う。この作品を読めば、新選組や徳川幕府、江戸時代や江戸の暮らしを垣間見ることができ、実際の史実に対しても興味がわきやすい。また、主人公が男装して新選組で暮らすさまも、ご都合主義で描かれているのではなく、想定される障害に対する克服についても詳細に描かれているので、それを読むのも面白いと感じる、それが風光るの最大の魅力でしょう。史実を変えてまで話を湾曲する作者ではないので、主人公セイ、そして沖田総司への愛と覚悟を感じました。

ガラスの仮面

ガラスの仮面の表紙

少女漫画好きなら一度は読むべしで知られる大河少女漫画です。

横浜で家業の貧乏ラーメン屋の手伝いをしていた主人公北島マヤが往年の大女優月影千草に見いだされ、家出同然に女優への道を歩みだしました。やがて劇団の仲間達、後の若手新人の星となる桜小路、大手芸能事務所社長速水真澄と出会い、やがて、有名監督と大女優を両親にもち、サラブレッドとも呼ばれる姫川亜弓と不朽の名作「紅天女」の主演女優の座を目指して競ってゆく物語です。
度重なる苦難を乗り越え、数々のライバル達に勝ちテレビデビューを果たした北島マヤは一気にスターダムにのし上がりました。
一方、最後まで反対した母親は結核という病気を患い失明同然になり、サナトリウムに収容されたのですが、偶然週刊誌に北島マヤが載っている事を知り雨の中サナトリウムを抜け出してしまいます。そして交通事故に会いながらも映画館へ行き主演北島マヤの声を聞きながら落命

「生き別れた母親との感動の再開」を演出しようとしていた速水真澄は逆にマヤの母親を死ぬ目に合わせてしまったと、自責の念に駆られ、自分が実は「影で北島マヤを支えている紫のバラの人」であると言いだせなくなり、後の桜小路との三角関係、政略結婚によるフィアンセとの三角関係等、物語をより複雑なものへと展開させていきます。

まとめ

自分や自分の大切な人が病気になると単なる愛ではなく、人の生き方について多くのことを学べるため、このジャンルは男女問わず一度は読んでみてほしい作品ばかりです。

死は悲しいことですが、それを受け入れて前を進む姿は人生観を変えると言っても過言ではありません。

生きることの意味を教えてくれる少女漫画は私たちにとって大切な存在だと改めて感じました。