黒死牟

【鬼滅の刃】上弦の壱として登場した「黒死牟(黒死牟)」ですが、寡黙で謎めいた印象を受けました。

下弦の鬼を簡単に切り捨てる鬼舞辻無惨の信用を得ている様子ですが、無限城での決戦では、その過去や正体が明らかになってきましたので、その謎について迫ってみたいと思います。

黒死牟(こくしぼう)とは

黒死牟

©吾峠呼世晴/集英社

鬼舞辻無惨の直属の部下で、最強の鬼の集団「十二鬼月」その最高位の上弦の壱が「黒死牟(こくしぼう)」です。

上弦の鬼が無限城に招集されたときが初登場で、着物で刀を指している姿は鬼殺隊のようにも見えましたが、猗窩座を一喝するときに見せた顔には6つの目があり、鬼であることが分かりました。

無限城での決戦では柱をも圧倒する力を見せる

かつて無惨を追い詰めた剣士や、炭治郎の記憶の中の耳飾りの剣士と瓜二つですが、何か関係はあるのでしょうか。

黒死牟が初めて戦う場面を見せたのは、時透無一郎との戦いでした。

その刀身を見せることもなく無一郎の片腕を切り落としますが、それでも攻撃してくる無一郎を、素手で柱に磔にしてしまうほどの強さです。

駆けつけた不死川玄弥は黒死牟に一撃も入れられず、両腕と胴体を切られてしまいます。

弟の危機に、兄であり風柱である不死川実弥が駆けつけ、さらに岩柱である悲鳴嶼行冥も合流しますが、二人の柱の力を持ってしても、黒死牟の着物一枚切ることがやっとでした。

今までの鬼とは比にならず、柱が束になっても敵わない。

黒死牟の過去、弟「縁壱」の存在

黒死牟が人間であった頃

©吾峠呼世晴/集英社

鬼殺隊が絶望するほどの力を見せる黒死牟ですが、なぜこれほどの強さを持っているのでしょうか。

自らの語りと戦闘の中での回想で、黒死牟の過去が明らかに。

黒死牟が人間であった時の名は「継国巌勝(つぎくにみちかつ」戦国時代の武家の長男として生を受けました。

巌勝には双子の弟がいて、その名は「継国縁壱(つぎくによりいち)」、生まれつき額に痣があり、当初は双子は跡目争いで不吉とされたことから、縁壱は殺される運命でしたが、母親が烈火のごとく怒り狂ったことで、10歳で出家させることを条件として生きることを許されます。

巌勝は武家の長男として、縁壱は居ないものとして、住む部屋や食べ物も大きく差をつけて育てられ、縁壱が親離れができずにいつも母親の左側にくっついていることから、巌勝は縁壱を可哀想だと思っていました。

巌勝が剣の稽古をしていると、縁壱が寄ってきて剣を教えてほしいというので剣を持たせたところ、大の大人に4発打ち込み、失神させてしまったのです。

ここで初めて見せた縁壱の剣の才覚。

この事で巌勝は弟より才能がないとされ、自分が弟の境遇になってしまうと焦りましたが、母親が亡くなり、縁壱は予定よりも早い出家となりました。

縁壱は「いただいたこの笛を兄上だと思い、どれだけ離れていても挫けず、日々精進していきます」と兄からもらったガラクタの笛を大事そうにしまい込み、出家。

巌勝が可哀想だと思っていた縁壱は生まれつきの痣と特別な視覚、さらに剣の才覚と、それに即応できる身体能力を持っており、自分よりもはるかに優れた存在だと気づいてしまうのです。

さらに母親は随分前から左半身が悪く、縁壱は母親離れできなかったのではなく母に寄り添っていたこと。

兄に代わって自分が跡継ぎとなってしまうことを悟った縁壱が、自ら予定を早めて出家したことを知ってしまった巌勝は縁壱という天才に、心の底から憎悪を抱くようになるのです。

巌勝が鬼となった理由

縁壱が出家してから月日が立ち、巌勝は妻子を持ち穏やかに暮らしていました。

戦国の世なので、人間同士の戦でしょうか。夜営をしているところを鬼に襲われてしまいますが、縁壱が鬼を倒して二人は再会します。

そこで鬼殺隊という存在を知り縁壱が剣の道を極めていたこと、それをたくさんの人に教えていることを知り、
才能ある弟が人格者にさえなってしまったという嫉妬と焦りから、妻子を捨てて鬼殺の道を極めることに決めました。

その後は巌勝にも縁壱と同じ痣が発現しますが、縁壱と同じ日の呼吸は使えず、さらの痣の出たものは短命であることを知っているのです。

縁壱に近づくために鍛錬する時間もない、自分は縁壱を超えることができないと絶望しているところを鬼舞辻無惨に声をかけられ、鬼になりました。

ここで巌勝が鬼になった理由ですが、痣の者が25歳で死ぬことを受け入れられなかった、長生きして強くなりたかったという思いの他に、巌勝が鬼になることで特別な存在になれるという思いも合ったのだと考えられます。

天才の縁壱でも痣の者の運命は変えられない。ならば自分はその縁壱もならなかった鬼になって特別な存在になると。

縁壱の最後

鬼になってからは鬼舞辻無惨と共同し、日の呼吸の者を根絶やしにしてきましたが、そんなある夜、白髪の老人となった縁壱が黒死牟の前に現れます。縁壱と別れてから数十年たち、本来であれば80歳を超える歳でした。

自分よりも弱い存在である人間で、老いた縁壱に黒死牟は死の恐怖を感じるほどに追い詰められましたが、あと一振りで首が落ちるところ、縁壱は寿命で立ったまま死んでいました

そんな縁壱に嫉妬の感情がこみ上げ、死体を斬ったところに、縁壱が大切にしていた笛が転がり出ます。

黒死牟の最後

黒死牟の最後

©吾峠呼世晴/集英社

無限城では霞柱の時透無一郎、風柱の不死川実弥、岩柱の悲鳴嶼行冥と隊士の不死川玄弥と戦います。

無一郎は柱に磔にされ、玄弥は銅を真っ二つ。

実弥は動けば贓物が出るほどの重症を負わされ絶望的な展開でしたが、玄弥の血鬼術が発動し銃で打たれたところから木の幹が生えてきたこと、無一郎の日輪刀が赤くなり、赫刀となって黒死牟の身体の再生を阻止したことで首を切ることができました

首を切られた黒死牟はその強い思いから頭を再生しより強い生き物へと変貌しましたが実弥の刀身に自分の姿が映った瞬間、自分がなりたかったものはこんなに醜いものであったかと絶望してしまい、自らの精神に耐えられずに崩れ去っていきました

黒死牟の過去からわかること

黒死牟の過去や生い立ちから分かったことがあります。

それは、黒い刀を持つ剣士は出世できないと言われていることについてです。

これは巌勝が鬼になってからの行動から推察することができます。

鬼になった黒死牟は、鬼舞辻無惨と共に日の呼吸の者を根絶やしにしてきましたが、これによって結果的に黒い刀を持った剣士が殺され、出世する者がいなくなったのだと思います。

また根絶やしにするということで、その隊士の関係者や血縁者まで殺しているのだとうと考えることができます。

日の呼吸を使うものが現れると無惨や黒死牟に見つかり殺されてしまう。縁壱はこのことに気づき、日の呼吸をヒノカミ神楽の舞として竈門家に託したのではないでしょうか。

またヒノカミ神楽と共に耳飾りも託していて、普通に考えると耳飾りをしている者が目印となり、無惨や黒死牟に見つかってしまうのではないかと思ってしまいますが、これは縁壱が黒死牟に気づいてほしい思いがあってのことだと考えられます。

自分が死んでも自分の思いは継承されていく、人は繋ぐことができると、黒死牟に気づいてほしかったのでしょうね。

さらに、炎の呼吸の指南書にもある、炎の呼吸を「ひのこきゅう」と言ってはならないということですが、これも無惨や黒死牟から一族を守るためのものだと考えられます。

まとめ

鬼舞辻無惨の配下の鬼の中でも圧倒的な強さを誇る鬼であった黒死牟ですが、弟を憎みながらも、弟に憧れていたことに気づき、涙を流しながら塵となった最後は、人間味あふれるものでした。

兄を鬼にしてしまい、その兄を葬ることもできずに死んでいった縁壱、弟を超えることもできず、醜い姿となって消えていく黒死牟。

なんの罪もない人間をいとも簡単に殺してしまう、奪ってしまう鬼は許せない存在ではありますが、同時に非常に悲しい生き物です。

生きているうちに仲直りもできず、思いも果たせずに死んでいった二人ですが、あの世ではせめて、再会して仲良くしていてほしいと思わずには居られません。

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