5部暗殺者チームのスタンド・強さ『リトル・フィート』『マン・イン・ザ・ミラー』

ジョジョ第五部暗殺者チームの面々は、それぞれに個性的なスタンドを持っています。

チート的に強いスタンド、シンプルに強いスタンド、ネタが割れても防げないスタンド、使い勝手の良いもの悪いもの。

その能力と姿形は唯一無二のオリジナルであり、原作者・荒木飛呂彦の溢れる独創性を感じるものばかり。

そこで今回は、キャラクターではなく彼らの『スタンド』に注目し、それぞれの特性をご紹介します。

『リトル・フィート』 ホルマジオ読んで字の如く、『小さくなる』『小さくする』スタンド。

 ナランチャ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『リトル・フィート』が触れた対象物は徐々に縮み、小さくなった身体のサイズに対応しパワーも弱まります。ナランチャもガンガン縮んで最終的に12.7+センチになりました。完全に小人ですね、借り暮らしのナラリッティです。

ナランチャが小さくなると彼のスタンド『エアロ・スミス』も弱小化し、機銃の火力なども弱くなります。

スタンドとは精神力の具現化であり、本来使い手のサイズは関係ないはずなのですが、『リトル・フィート』で縮小されると肉体に比例してスタンドも弱体化することから、『リトル・フィート』の『小さくする』能力が人間の精神にまで影響を与えることがわかります。

ホルマジオ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

また、『リトル・フィート』は他者だけでなく使い手であるホルマジオ自身を縮小することも可能です。財政難の暗チ的には、『リトル・フィート』はとてもありがたいスタンドではないでしょうか?例えば、皆で一枚の一番安いピッツァ・マルゲリータ(ジョルノの好物)をテイクアウト、おもむろに全員で小さくなればあら不思議!一枚のピザでお中一杯になれますよ、リーダー!

他者を縮小する場合には十数分の時間を要するようですが、本人に関しては縮むも戻るも即時思いのまま。小さくなった姿で発見されるリスクを度外視すれば、これ以上なく潜伏向きの能力と言えるでしょう。

ナランチャ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

応用編

『リトル・フィート』が小さく出来るのは、何も人間だけではありません。猫などの動物は言うに及ばず、車のように精密なメカすらもミニカー以下のマイクロチップサイズに出来ます。

ホルマジオはこの極小カーを用い、素晴らしく鮮やかな手際で暗殺をキメました。

ミニカー引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

レストランにて極小カーをポケットに忍ばせ、トイレに立つフリをしてターゲットが座っているテーブルにさり気なく近づく→ターゲットの飲み物の中に極小カー混入→何も知らずに『異物』を飲み込むターゲット。

ここまでやれば、もうホルマジオの仕事は勝ったも同然です。

引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

ターゲットの胃に収まった車を原寸大に戻してやればご覧の通り、人体大爆裂。

暗殺というにはあまりにも派手な殺りっぷりですが、殺すまでの手順はいたってスマート。

むしろ相手がスタンド使いでない普通の人間であるならば、ターゲットの行動パターンを事前に調べ上げ、ナチュラルに近付くためのお膳立てにこそ手間暇がかかるでしょう。

暗チ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

しかし、だからといってこの集団は…暗殺云々以前にいるだけで目立ちます。ペッシまではギリギリセーフですが、メローネ、おいメローネ!

ホルマジオが無駄に派手に人体爆裂させたのは、このイロモノ集団の記憶を吹き飛ばすレベルのインパクトを目撃者に与えるために思えてきました。

パラメーターから分析するスタンドの強さ

リトルフィート引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

持続力とスピード以外は決して高性能なスタンドではありません。

破壊力の弱さからいって、直接戦闘向にはとことん不向き間違ってもジャン・ピエール・ポルナレフ(第三部の『戦車』使いであり、5部でも色っぽく歳登場)の如く、正面切って『我が名はホルマジオ!我がスタンドはリトル・フィート!貴殿の命を頂きに来た!いざ尋常に勝負!!』とかやったら駄目なスタンドです。

というか、暗チのスタンドでそれがアリなのはペッシの『ビーチ・ボーイ』とギアッチョの『ホワイト・アルバム』くらいでしょう。そういった意味でも暗殺向きの能力と言えます。

また、『小さくする』ことに目が行くあまり見落としがちですが、スピードはBなのでそれなりに素早く、スタンドの右人差し指から伸びた鋭い爪で敵を切り裂くことも可能です。

もっとも、ホルマジオが『リトル・フィート』を出してタイマン勝負に出るのは『そうするしかない』局面――彼流に表現するなら『しょ〜がねぇ〜なぁ〜』な状況であるため、本体に受けたダメージから本来のスピードは出し切れないでしょう。

実際、ナランチャと対峙し互いに最後の一撃を繰り出した際、『リトル・フィート』は『エアロ・スミス』にスピードで遅れを取り敗退しました。

使い手に求められること

使い勝手に求められてられること各項目でご紹介。

機転・頭の良さ・胆力

イルーゾォから意地悪く『くだらねー能力のスタンド』と評されたリトル・フィートを『くだるスタンド』にするためには、スタンドのポテンシャルを最大限引き出し活用する工夫が必要です。

『いつ』『どこで』『誰に』しかけるか?

タイミング、ロケーション、対戦相手との相性。それらの見極めができないと、仕掛けたホルマジオが即詰みしかねないのが『リトル・フィート』です。

身体能力

地味に必要なのがこれ。射程距離Eであるため小さくなった『弱い』状態で標的の側に潜まねばならず、小さいままでの危機回避能力が必須です。

ホルマジオ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

ボールペンのスプリングを利用して飛んでみたり。

ホルマジオ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

車の排気ガスで飛んでみたり。

ホルマジオ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

時には鼠ライドもこなしたり。

見ている分には『トイ・ストーリー』的な『小さなマジオの大冒険』で微笑ましい限りですが、自分が彼の立場になったらと思うと、無事生還できる自信が1ミリグラムたりともありません。

ちょっと何かにはさまっだだけで手足がもげ、ちょっと誰かに水をまかれただけで鉄砲水に飲まれ、ちょっと熱風にさらされただけで全身低温火傷。走っても走っても目的地は遥か遠く、ともすれば野良猫に踏まれ烏に突かれる。

小さな身体の周りには、大きな危険がこれでもかと満ち溢れています。こうした危機を乗り越え任務をこなせるホルマジオは、実はかなり本体そのものの運動神経が良く身体能力が高いはずです。

同じく身体能力が低いと生きていけないギアッチョと、ランニング中にバッタリ顔でも合わせて気まずくなってたら良いと思います。

類似スタンド

アレッシー引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『セト神』三部の悪役アレッシーのスタンド。

『セト神』の影に入った敵を際限なく若返らせ、最後には母胎外での生存不可能な胎児にまで退化させます。アレッシーが敵の自然死を待たず、とことん嬲り倒しにかかるのは単に子供イジメが彼のライフワークだからです。

こちらは本人は子供になれない(ならないだけ?)かわりに、子供化した敵は次第に知能や精神も幼児化し、それに伴いスタンドも弱体化します。ポルナレフの『戦車』も子供になりました。

ちなみに小さくなったナランチャの言動がアレだったのは、『リトル・フィート』関係なく、彼がもともと『あんな』だからです。『リトル・フィート』は無罪なんです!

元ネタバンド

リトルフィィート引用元:http://www.tapthepop.net

1969年結成。
アメリカのロック・バンドであり、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を色濃く押し出しているサウンドが特徴。解散、再結成を経て現在も活動中。

『マン・イン・ザ・ミラー』イルーゾォ

マンミラ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『鏡の中の男』ならぬ『鏡の国の独裁者』になれるスタンド。
大小破片問わず、鏡の数だけ存在する『出入り口』から敵の本体だけを鏡の世界に引きずり込み、後は『マンミラ』で生身の人間を好き放題にブチのめし嬲り殺す。イルーゾォの『マン・イン・ザ・ミラー』とは、いわばそうしたチート能力を持つスタンドです。

『マンミラ』の作る鏡の世界にはイルーゾォが許可したものしか出入り出来ないため、本来ならば『本体の隣に常に寄り添って立つ』スタンドを、本体と強制的に切り離すという根底からルールを覆すような業を可能とします。

鏡の世界に引きずり込まないと始まらないため、ネタバレした相手との対戦には不向きかと思われますが、普通に暗殺の仕事をこなす分には『再戦』の可能性は限りなく低いため問題なかったのでしょう。

暗殺後の死体処理も、鏡の世界の山に埋めるか海に捨てるかすれば絶対に見つからないため証拠隠滅も完璧。現実世界では行方不明事件として処理されてオシマイ。とても暗殺に都合の良いスタンドです。

超・多機能型スタンド

イルーゾォの職業柄、つい暗殺に向き不向きかだけで『マンミラ』を考えてしまいますが、機能の多様性という点で暗チNo.1なのが『マンミラ』です。(No.2は『リトル・フィート』と『ビーチ・ボーイ』)

証拠隠滅

先にも上げたように、暗殺という仕事柄いろいろと表に出せないあれやこれやも多いでしょう。そんな時は、鏡の世界にポイすればOK。

無限収納

低所得からの狭いアジトの収納問題、全て解決。ほとんど無限のトランクルームです。

万引き・無銭飲食し放題?

鏡の世界のスーパーやレストランに入れば、逮捕リスク0でやりたい放題できるのでは?
持続力に問題があっても、10分あれば十分でしょうし。

災害時のシェルター

世界中の鏡が溶解するレベルのことにさえならなければ、核戦争も乗り切れるのではないでしょうか?
『熱線、爆風、炎、放射能の侵入は許可しない!』の魔法の言葉で。持続力Dであるため長時間は引きこもれないのか、引きこもったままスタンド解除で『閉じ込められた』状態を意図的に作れるのかは謎。

どこでもドアならぬ『どこでもミラー』?

鏡さえあればどこからでも出入り自由だとすれば――手鏡から入ってリゾート地の鏡から出るだけで旅費いらずバカンスできませか?
なんなら、鏡の世界で一流ホテルのインペリアルスイートに無銭宿泊だって出来るのではないでしょうか?

ただし、これに関しては『鏡の世界内であっても現実的移動をしなければいけない』などの制約があるのかもしれません。また射程距離もBであるため、現地のホテルの前くらいまではいく必要があるのかも?

何がどこまでが可能なのか定かでありませんが、使い方次第でかなり人生を非合法に楽しめるスタンドかと思われます。何故イルーゾォがよりによってギャングの暗殺者になったのか謎です。

案外調子に乗って『マンミラ』で楽しんでいるところを組織のスタンド使いに捕まって、加入か死かを迫られ仕方なく契約したのかもしれません。

パラメーターから分析するスタンドの強さ

マンmンミラ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『リトル・フィート』同様、パラメータ的には強いとは言い難いスタンドです。破壊力・スピード・精密性全てCなので、『リトル・フィート』以上に真っ向勝負には不向きでしょう。

しかし、こうしたパラメーターは『マンミラ』に関して言えばほぼ無意味。何故ならイルーゾォに『マンミラ』がある限り、まともに敵と戦う必要など皆無だからです。

生身の人間を鏡の世界に引きずり込みスタンド攻撃できる。

この能力がマンミラの全てです。成長性がEなのも、未来がないスタンドだからではなく『既にこの上もなく完成したスタンド』だからに他なりません。

使い手に求められること。

こちらも使い勝手見求められていることを少し。

適度に不自然な鏡のセッティング

『なんでこんなところに鏡があるの?』と、警戒しつつもターゲットが思わず覗き込んでしまうような絶妙のポジションに鏡を設置するセンス

イルーゾォ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

まずはここからです。個人的にペッシとリゾットは子の手のことが下手そうだと思います。

調子に乗りすぎない

これはジョジョキャラ全てに言えることですが、ジョジョの世界で『勝った!』は負けフラグ。
勝ちを確信して不必要にオラつくと、たいていロクな目にあいません。

マンミラ引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

実際、イルーゾォはアバッキオ相手にイイ気になり過ぎてだいぶ痛い目にあっています。

類似スタンド 『吊られた男』

引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『吊られた男』第三部J・ガイル。
鏡の中から現れ、鋭い刃物で切りつける職業殺し屋J・ガイルのスタンド『吊られた男』とイルーゾォの『マンミラ』は、一見かなり近いスタンドです。

しかし、その根本的な原理はまるで別物。

『吊られた男』は『鏡の世界』にいるわけではなく、映るモノからモノへと移動する光の反射を原理とするスタンドであり、映りさえすれば『鏡』である必要もありません。適当なガラス、水たまり、人の眼球、なんでも良いのです。

悲報!全否定されていた『マンミラ』

『吊られた男』な襲われたポルナレフが己の状況を花京院に説明する際、『鏡の世界が〜』と口にしたところ――

花京院引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

『鏡の中とか鏡の世界とか盛んに言ってますが、鏡に「中の世界」なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから

ものの見事にバッサリ、完膚なき全否定きました。

確かに常識的に考えたら『鏡の世界』などないのでしょう。しかし、スタンドという非常識な代物を幼少時から持っている変人高校生典明に言われると微妙です。

ポルナレフが『マンミラ』の存在を知ったら、『ほら!やっぱあるじゃあねぇかよ!鏡の世界!』と12年越しのツッコミを花京院に入れそうです。

元ネタ洋楽

花京院引用元:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風BS11放送分より抜粋

言わずと知れたマイケル・ジャクソンの名曲から取られました。
環境破壊や人種差別、戦争といった世界に溢れる悲しみへのアンチテーゼを謡うメッセージ性の強い歌詞が印象的な名曲です。

まとめ

今回は工夫スタンド『リトル・フィート』とチートスタンド『マンミラ』という対局に位置するスタンドをご紹介しました。
どちらが良い悪いではありませんが、やはりチート過ぎるスタンドを持ち、自らの身を削らない戦い方ばかりをしていると、人は慢心して工夫と警戒を怠りがちになるようです。