グロい漫画は見ていて気持ちのいいものではありません。
作品や描写によっては、
- 気色悪い
- 胸糞悪い
- 吐き気がする
など、とても全面的にグロを推すことはできないものの、それでもあえてグロい表現をしてリアリティーを追求する漫画が多くあります。
そこで今回はグロい漫画に着目して、グロいけど先が気になる漫画をまとめてみました。
グロさにしアリティを求めた漫画
ホラー、猟奇殺人、猟奇的な愛、とにかくグロさが際立つ作品をご紹介します。
カラダ探し
引用元:Amazon
主人公・森崎明日香は、ある日クラスメイトの三神遥から「私の身体を探して」と頼まれます。その夜、明日香とクラスメイト5人は、目が覚めると制服姿で学校の前に立っていました。校舎内に閉じ込められた彼らは、学校の怪談で噂されていた血まみれの少女・赤い人にいきなり素手で殺されます。しかし、朝目覚めると元通りに生きていて、なぜか前日に戻っていたのです。身体の痛みや傷跡は残っていて、夢ではないと怖くなる明日香達でしたが、遥の身体を全て集めるまでは明日は来ないと悟り、理不尽なデスゲームに挑む覚悟をするのでした。
この作品は人間の心に潜むグロイ部分を赤裸々に描いているところが凄い。赤い人は、幼女ゆえの純粋な残酷さを持っていて、躊躇なく明日香達を殺していきます。殺された後が血溜まりになったり、首や手足が転がったりと、とにかく表現がリアルでグロイですが、先が読めないストーリー展開で、次々読み進めてしまう。カラダ探しは、みんなで協力すれば早く終わるゲームですが、周りを出し抜いて自分だけが助かろうとしたり、身勝手な行動を取って仲間割れしたりすると延々と死のループが止まりません。
明日香は特にお人好しと思えるくらい自己犠牲の塊のような人ですが、人間としての器の大きさを試されているような気がします。
そして、赤い人にも悲惨な過去があり、単なるデスゲームから大きく方向転換していく流れも秀逸。怖いだけではなく、友情や家族愛、恋愛についても考えさせられる深いストーリーが一番のおすすめポイントです。
作者:村瀬克俊(原作:ウェルザード)/集英社
全5巻・完結済み
殺戮の天使
引用元:Amazon
何を考えているのかつかめない表情もなく感情も出さない女の子が主役の漫画。
目を覚ますと謎の空間にいて、そこで出会う人たちは全て殺人鬼。女の子は謎を解きながら自分が何のためにここにいるのか真実を解明しながら謎の空間から脱出しようと走り回り、そこでひとりの殺人鬼と出会い共に脱出することになりますが、その殺人鬼はとにかく力任せで後先考えずに行動してしまうタイプの人でした。主人公の女の子、レイチェル・ガードナーは頭脳派で冷静に物事を見て行動するタイプですがたまに暴走。合わないようでお似合いの二人は謎の空間から脱出することが出来るのか見所です。
そして謎の空間には主人公たちを殺そうと待ち構えている殺人鬼がいて、その殺人鬼から逃げるためには時に戦わなければいけませんが、そのシーンがかなりグロイ。リアリティある内容なので現実世界にも存在してるのではないかと思ってしまう程、キャラクター一人ひとりの設定がしっかりされており、行動すべてに意味があって少女漫画というくくりではありますが、かなり深い内容になっています。
特におすすめなのはラスト。もちろんグロイ場面はや感動するシーンも多々ありますが、主人公のレイチェル・ガードナーは何故ここにいるのか。殺人鬼たちは何を思ってここにおり、殺人を繰り返すのか。人間の醜い部分も描かれているので見応えのある漫画です。
作者:真田まこと/KADOKAWA
最新11巻・連載中~
イノサン
引用元:Amazon
万人向けではないグロイ漫画ですが、一度は見たほうがいいおすすめのです。
主な舞台は革命前夜のフランス。ムッシュー ド パリ と呼ばれる男とその一族の物語。主人公はシャルル アンリ サンソン。代々国王直下の死刑執行人の家に長男として生まれ、日々の暮らしは貴族レベルですが同時に人々から嫌悪される存在でもあります。いつかは死刑のない世の中を夢見ているシャルルですが現実は過酷です。「伝統と格式を持った」残酷な拷問や死刑の行為に悩みながら出来るだけ苦痛の少ない方法を模索します。
サンソン家は拷問のノウハウと同時に優れた外科医の技術を持っているのですが、そもそもは拷問を受けた者を救うための技術でした。それらは富める者、持たざる者にかかわらず惜しみなく施されますが偏見は無くならない。苦悩するシャルルと行動する妹のマリー。そして革命が始まり運命の歯車は、大量の血を求めるように動き始め比類ない精緻で華麗な作画に圧倒されます。効果音を文字化しない挑戦的な構成、精巧を極めた人体の描写や拷問の解説は、嫌悪よりも崇高でさえある。続編では妹マリーが主人公になりますが、やはりサンソン家の物語かなと思います。どれだけ耽美で見事な作画でもグロイのに違いないので見る前にこころの準備したほうがいいです。
作者 坂本眞一/集英社
全9巻(続編の「イノサンRouge 」全12巻)
ちるらん 新撰組鎮魂歌
引用元:Amazon
土方歳三の孫で真実を知るために、女性記者の市川真琴は話を聞くため新選組の生き残りの杉村義衛に会いに行くことに。土方歳三を主役とした新選組の真実が語られていくのですが、殺し合いのシーンが多いので内容や表現がグロイです。それでも、土方歳三の描写や、幕末を必死に生き抜いた新選組がそれぞれかっこいいので、グロイ内容も気になりません。
土方歳三が新選組になって強くなっていく様や、新選組の仲間たちが成長していく様子が丁寧に描かれていて、友情の絆、家族の絆なども描かれているので、心が震えて涙する場面もあります。ただのグロイだけの漫画ではないので面白いです。
梅村真也/コアミックス
26巻・連載中~
外れたみんなの頭のネジ
引用元:Amazon
この漫画は主人公ミサキの周りで、ある日突然異常に変わっていく日常を一話ずつ短編で描かれています。
一話に1人は必ず「ヤバい奴」が出てくるのですが、その顔が怖くてグロく、初見ではちょっとしたトラウマレベルかもしれません。それでも、毎回その「ヤバい奴」らがどうしてそうなったか語られ始めるとワクワクしてしまう自分がいて、特に眠らない女の子の話が印象深いです。ある日突然、生涯の半分を寝るのは勿体ないと言い出し、眠らなくなって1ヶ月が過ぎようとした時事故が起こってしまいます。その時の描写もかなりグロイですが、女の子の周りの反応は驚いた事に「心配」では無く「残念」でした。また、その子の両親に至っては我が子は素晴らしいことをしたと言っていたのです。
上記した話も沢山ある異常な内の1つに過ぎません。読めば読むほどにこの本の狂った様子に慣れてしまう自分がいる事に気づく、そんなゾッとするより、得体の知れない不気味なホラーが好きな方にはおすすめです。
洋介犬/アース・スター エンターテイメント
最新9巻・連載中〜
シグルイ
引用元:Amazon
ある二人の剣士が、御前試合という本来は木剣を用いる試合を真剣でやり合うことになる。真剣を用いることさえ正気でないのに、なんと一方の剣士は片腕がなく、もう一方の剣士は目が見えないうえに、足に不自由をかかえているというあまりにも壮絶な形で幕を開け。誰もが無謀すぎると思えるこの試合であるが、実はこの二人には残酷な因縁があった。二人の凄惨な過去とは…。
この作品は細部にまでこだわった絵柄が非常に印象的で、人を斬ったあとの傷口や内臓が、かなりリアルでグロイです。グロイシーンが好きな人にとっては、満足のいく作品であること間違いなしです。また、歴史的要素も取り入れられているので、歴史が好きな人なら、なおいっそう楽しむことができます。キャラクターひとりひとりの個性も非常に強いのでグロイ漫画が大好きという人なら、絶対読んでおきたい作品のひとつです。
原作:南條範夫、作画:山口貴由 / 秋田書店
全15巻・完結済み
犬神
引用元:Amazon
政治、神話、科学的なこの作品の根幹となる題材や、不死の細胞を巡って争う企業や政界の陰謀など、難解で複雑に入り組んだ背景を理解する頭が私にはないのですが、それでもこの作品にはハマりました。
特に、犬のリアルな描写が素晴らしいです。動物が言葉を覚え、人間と意思疎通をし、会話が成立するという設定は、フィクションの世界では決して珍しいものではありませんが、どうしても人間が勝手に擬人化している作り物感が出てしまいます。その点、この漫画にはそんな無理矢理な付け刃感が全くありません。23が初めて史樹の読んだ詩を口にするところは特に背筋がゾッとするおすすめのシーンです。
最初はグロイ不気味なモンスターだった23が言葉を交わすうちに主人公の親友となっていきますが、どうしてあそこまで想い合えるのか、理屈では説明しきれません。最初はホラーのような字体で書かれていた23の台詞が、長い苦難を経て再開した時には普通のフォントに変化しているのも象徴的。二人は強い絆で結ばれているのですが、心の底では信頼しきれず、裏切られるのではと疑っています。それでも大切に想い合う心は消せず、愛情というのは理屈でかたがつくものではないのだと感じさせ、同級生女子との分かりやすすぎる恋愛とか、グロイモンスターの描写やメカニカルな戦闘アクションシーンには辟易しがちな私でも読み続けられる魅力がこの作品にはあります。各章の末尾にあるギャグマンガもセンス満載です。
外薗昌也/講談社
全20巻・完結済み
王様ゲーム
引用元:Amazon
高校生たちが未知の物体「王様」に弄ばれ、王様の命令に従わなければ謎の死に至るホラー漫画であり内容がかなりグロイ。
王様の命令は必ず携帯のメールに送られてくるのですが、最初は遊び半分で誰かがやっているのだろうと誰も不審がらず王様の命令に従っていくが徐々にエスカレートしていきとうとう命令に従わない生徒が出てきてしまいました。そして謎の死を遂げる。クラスメイト同士で疑い恨みあっていく中、協力して王様に立ち向かっていく生徒も現れます。
注目すべきポイントは生徒たちの人間性です。自分の命がかかっているので周りの事なんか気にしていられない状態が続きますが、各自が考え行動し中には友人を騙して生き残ろうとする生徒も出てくるなど、現実では謎の死を遂げるゲームなど存在しませんが、この世界には確かに存在しています。
生徒たちの感情がとてもリアルなので現実世界のどこかでもこのようなことが起きているのかもしれない。と錯覚してしまうほど。
謎の死というのは心臓発作のような病気以外にも沢山描かれているのですが、何よりこのホラー漫画にはグロイシーンが多い。
どのように生徒たちが王様に立ち向かっていくのか、そして生き残れるのか。さらには生徒たちの今まで作り上げてきた友情、信頼関係は今後どうなってしまうのか。と見応えのあるおすすめのホラー漫画です。
連打一人・金沢伸明/双葉社
全5巻・完結済み
東京喰種トーキョーグール
引用元:Amazon
東京を舞台に喰種(グール)と人間とのかかわりを描く物語。喰種は人間の姿をしながら人肉を主食とする生き物で、その性質のために人間から討伐対象とされています。主人公の金木 研(かねき けん)は元人間の半喰種であり、人間と喰種の生き方の違いに苦悩しながら生活。様々な喰種や人間との関わりを通してカネキはどのような生き方を選択するのか・・・!?
この作品のおすすめポイントは、スタイリッシュなアクションシーンです。多少グロイところもありますが、ページを目いっぱい使ったアクションシーンは見物です。また、個性たっぷりの登場人物が多く登場し、かつ濃密に関わりあうので、人間関係の機微に関しても見どころがあるので、時間を忘れて読み進めてしまうこと間違いなし。続編として「東京喰種:re」が出ており、こちらも相変わらずグロイシーンがありますが、手に汗握るアクションシーン満載。アニメ化もされていますが、グロいシーンや人間味を味わいたいなら漫画の方がリアルなのでおすすめ。
石田スイ/集英社
全16巻・完結済み
夢幻紳士
引用元:Amazon
鬼才高橋葉介が描き続ける「夢幻紳士」「夢幻魔美也」のシリアスバージョン。単純にグロイというより大正昭和風のエログロ的な世界です。基本的には短編集で、多くの世界に夢幻魔実也が現れます。ホラーとしても一級品でおすすす。紛らわしいのは夢幻魔実也が常に変化すること。「マンガ少年版」のような全年齢向けと異なり、魔実也の姿は青年の姿をしています。トレードマークの黒い山高帽に漆黒のスーツ、ヘビースモーカーで、酒を嗜み、美人が好きな、神出鬼没な瀟洒な美青年。出会う怪奇も様々なので魔実也の対応も変わります。
ある時は救い、ある時は放置し、ある時は罰し「幽霊船」という短編では3つの怪異が現れます。魔実也が深夜ひとり佇んでいるのは真新しい客船のデッキ。自分の娘の出生を疑ってきた男の前にはずぶ濡れの洋装の少女が。友人を自殺に追い込んだ青年の前には、かつての面影を失った水死体の青年が現れます。ここ結構グロイです。二人とも目の前の存在は見えないものの憔悴しきった様子。何も言わずに立ち去ろうとした直後一人の女性と出会います。殺人を告白し怯える女性の話を聞いていたその時、船が機雷に接触し沈没します。魔実也の目には少女に捕まえられた男と、膨れた水死人に捕まえられた男が見えました。救助後死者は2名と聞かされ驚く魔実也。目の前を過ぎていったのは殺したはずの養母に捕まえられたあの少女でした。「一緒に暮らそう。これからも、ずうっとね…」
作者:高橋葉介/朝日ソノラマ
夢幻紳士幻想編、迷宮編、逢魔編、出版社が多岐にわたり、現在も時折発表されている。
まとめ
グロい作品は描写にこそグロテスクな表現がありますが、ストリーはしっかりしているので気持ち悪いけど次のページをめくる手が止まらない、そんな作品が多くありました。
人によってはこの表現が受け付けないことは分かっていますが、グロいけど面白い漫画からこれからも目が離せません。