引用元:原作7巻表紙より
週刊少年ジャンプにて連載中の「約束のネバーランド」は、自分たちが長年育っていた施設が実は自分たちを鬼の餌として飼育する農園だった…という衝撃事実からスタートします。
天才的頭脳を持ったエマ・ノーマン・レイの3人を中心に、農園から脱走。子どもたちが笑って幸せに過ごせる未来を目指して、外の世界へ飛び出すのです。
今回はエマ・ノーマン・レイを強力にサポートするお調子者の優等生「ドン」について解説したいと思います。
約ネバの中でドンは無能?
エマ・ノーマン・レイは、育てられたグレイス・フィールド農園で毎日おこなわれていた「テスト」で毎日満点を取ることができる天才でしたが、ドンもエマたちに次ぐ優秀な成績をおさめており、かつ10歳という年長者にあたる歳でみんなを引っぱる立場です。
しかしネットでは「ドンは無能なのでは」と囁かれることがあり、なぜドンが無能と言われてしまうのか?本当に無能なのか?を検証していきましょう。
ドンの計画性のなさ
引用元:原作3巻8ページより
エマたちから施設には極秘の事実があることを聞かされ協力してほしいと頼まれるドンですが、純粋でまっすぐなドンは長年育ててくれたママが敵であることがなかなか信じられず、ママのことを調べるために、そして真実を知るために、ドンとギルダは飼育監イザベラから鍵を盗みイザベラの部屋へと侵入してしまいます。
[getpost id="10695"]ドンとギルダはイザベラの秘密の部屋を目の当たりにし、さらにすでに施設を出たコニーの大切にしていたぬいぐるみやイザベラの外部との通信手段を発見したことから、エマたちの言う通り施設には大きな危険な秘密があることを理解するのです。
なんとかエマたちの元へ無事に戻ったドンとギルダですが、その計画性のない試みにレイは怒りをあらわにします。
なぜなら万一イザベラの部屋に盗聴器や防犯カメラがあったら、農園脱走計画はすべて水の泡になってしまうからで、事実ドンとギルダがイザベラの部屋に侵入したことから飼育監補佐・クローネに不穏な行動をしている子どもたちだと特定されてしまうのです。
ドンがレイとノーマンを殴った理由
引用元:原作3巻41ページより
エマたちから農園の真実と、農園脱走計画を聞いたドンは、ノーマンとレイを殴りつけます。
レイがママの内通者をしていて、コニーが殺されることを知りながら見殺しにしたのではないのか?エマとノーマンは敵だらけの外の世界へ連れて行こうとしているのではないのか?とドンは激高したかと思われました。
しかしドンがノーマンとレイを殴った本当の理由は、自分を頼ってもらえず「守ってあげなきゃ何もできない弱者」と思われたからです。
計画性がなく、突っ走っているように見えるドンですが、実はエマたちがドンやギルダを守るために嘘をついていたことを見抜いており、みんなのことを家族・兄弟だと思っていたからこそ頼ってもらえなかったことがショックだったのです。
頼ってほしい、少しは信じてほしいという思いから、思わず手が出てしまったようですね。
思わずノーマンとレイを殴ってしまったドンは、ノーマンたちに「ザコ扱い」されたことが悔しいのではなく、エマたちに嘘をつかせてしまった自分・コニーに何もしてあげられなかった自分に対して最も悔しがっていました。
ドンは決して無能な存在ではなく、熱く仲間を想い行動できるリーダー気質の人物だと思います。
心優しい少年ドン
お調子者で負けず嫌いのドンですが、ドンを表す言葉としてもう1つ「優しさ」があります。
誰も傷つけることなくエマたちをサポートするドンは、やはり優秀な人物だと思われますね。
コニーを想うドン
引用元:原作1巻33ページより
ドンの優しさが垣間見えるのが、コニーとの関係です。
あまり成績が優秀でなかったコニーは、満期と呼ばれる12歳より早く出荷、つまり鬼の餌とされてしまったため、ドンたちよりも幼いまま農園を出されます。
ドンは農園の真実を知ったあともずっとコニーを想っており、自分の無知がゆえコニーに対して何もしてあげられなかったと涙し、そのショックの大きさがうかがえました。
殺さずに済むなら
引用元:原作16巻99ページより
邪血の少女ムジカを探す道中、野良鬼に襲われたハヤトをドンが助けるのですが、鬼を撃ち殺そうとするアイシェよりも早くドンは鬼に石をぶつけ、さらに口笛で自分の方へと鬼をおびき寄せることでハヤトを救出します。
なぜ危険を冒して自分を救ったのかと問うハヤトに対してドンは「逃げられる地形だった」「銃弾は貴重」「人間の痕跡を残さない方が安全」と答えますが、ハヤトはそれなら弓で殺せばよかったと納得せず、ドンはさらに「殺さずに済むならそれが一番」と答えたのです。
仲間を殺され憎い敵であるはずの鬼でも、殺さなくていいなら殺したくないと考えるドンは心優しく純粋で、エマと似た思想であることがわかります。
また、ノーマンが邪血の少女ムジカを殺そうしているのでは?と不安に思っていたドンとギルダは、スナイパーであるアイシェが「殺せと命令されていない」と話したことを聞いて、涙を流して喜びます。
アイシェを刺客だと思っていたドンとギルダは、アイシェが刺客ではなく護衛であることも嬉しかったようですね。
まとめ
物語の序盤から主人公エマたちの重要な協力者だったドンは、お調子者で役に立たないと思われがちでしたが、実は心優しく純粋な少年でした。
誰よりも仲間を想い、家族・兄弟同然だと断言することはなかなか難しいことで、それをさらりとやってのけるドンはやはり優秀で、頼れる協力者であることは間違いありません。
旅を続けるうちに責任や戦力も身に着け、立派なリーダーに成長しつつあるドンの今後の活躍がとても楽しみです。
