週刊少年ジャンプにて連載中の「約束のネバーランド」は孤児院だと思って過ごしていた施設が、実は子どもたちを鬼の餌として飼育している農園だった…という衝撃の事実から物語はスタートします。
子どもたちが育てられている農園(ハウス)で、子どもたちを管理・教育し、そして脱走しないように監視する役目が飼育監(ママ)です。
今回はそのママについて解説していきたいと思います。
約束のネバーランドの飼育監(ママ)とは
主人公エマを含めた子どもたち全員は長年、ママはとても優しく愛に溢れた人物と信じて疑っていませんでした。
母親同然に子どもたちを育て、子どもたちはママに認められることが嬉しくて勉強を頑張っていたようですが、そのママが実は自分たちを鬼の餌として飼育・出荷していたのです。
ママの役割
引用元:原作1巻裏表紙より
ある日エマは「里親の元へ行く」とハウスを卒業したコニーの忘れ物を届けようとノーマンとともにコニーの後を追ったところ、コニーの遺体を発見。さらにエマは鬼を目撃し、ママが自分たち子どもを鬼の食用として飼育・出荷している事実を知ります。
ママは子どもたちの身の回りの世話はもちろん、日々行われるテストを「学校」の代わりだと子どもたちに説明し、のびのびとした環境の中より良い「脳」を育て、12歳になるまでに巣立たせていました。
優秀に育った「脳」を持つ子どもたちは鬼の食料で高級品・特上として扱われ、優秀な餌を飼育したママも評価される仕組みのようです。
ママは子どもたちを監視するために、子どもたちを追跡できる発信器を所持しています。
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グレイス・フィールド農園のママ・イザベラ
引用元:原作1巻171ページより
エマたちが育つグレイス・フィールドの飼育監はイザベラですが、イザベラは非常に優秀な飼育監だとされています。なぜなら、エマ・ノーマン・レイのフルスコアの子どもを育て上げることは前代未聞ハウス史上初だと明かされているからです。
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イザベラは冷静沈着であり、脱走を企てる子どもたちを目の前にしても眉ひとつ動かすことはありませんでしたが、それはすべての真実を子どもたちに隠し通し、できるだけ優秀に、できるだけ12歳満期で餌として出荷させるためでした。
1~2歳の最年少の子どもたちとともにイザベラは寝起きを共にしていますが、そのイザベラの寝室へ入ることが許可されているのは年長の女子のみ。グレイス・フィールドではエマとギルダが該当します。
年長の女子のみに入室が限定されている理由は、推測ですが秘密を守りつつ将来の飼育監(ママ)を育成するためだと思われ、ママは年長の女子の資質を見極めママへと推薦するシステムがあることがイザベラから明かされていることからも、ママになるには優秀な成績が必要なようです。
ママは敵か味方か?
血の繋がりはなくとも、エマをはじめとする子どもたちは、みんなママを本当の母親のように慕って幸せにハウスで暮らしていました。
イザベラはエマたち同様人間であるにも関わらず、鬼たちのために子どもたちを育て、食料として出荷しているのは一体なぜなのでしょうか。
ママは鬼(てき)だ
引用元:原作1巻87ページより
実の子のように愛していると思わせながら、実は食用として子どもたちを飼育していたのだからママは鬼側の人間であることがわかります。
ママの上には「グランマ」と呼ばれる人物がおり、グランマは鬼へと繋がっているようで、子どもの出荷を止めることはママやグランマの命も脅かされるのだと思います。
赤ん坊の頃から我が子同然に育てた子を、鬼の餌として提供するという気持ちが全く理解できませんが、自分の命と引き換えに子どもを提供しているのなら仕方がないと思いつつ、やはり残酷な選択をしているイザベラは敵でしょう。
しかし、気になるのがイザベラの首にあるエマたちと同じ番号で、実はイザベラもエマたち同様食用児だった過去がありました。
同じ食用児であるにも関わらず、なぜイザベラは食用児を飼育する立場となったのでしょうか?
ママになるか出荷か
引用元:原作3巻149ページより
時をさかのぼればイザベラもエマたちと同じ食用児として何も知らずにハウスで育っていたのですが、ある日イザベラはハウスの真実を知り、自分はこのまま鬼の餌として「出荷」されるか、それとも「ママになるか」という選択を迫られます。
「出荷」か「ママになる」かという二択しかない状況で、イザベラは生き延びられる方を選択するのですが、これはごく普通のことではないでしょうか。
真実を知りながら自ら進んで鬼の餌になりに行くというのはなかなか考えられません。
生き延びるために仕方なくママとなり、自分と同じような子どもたちの短い命を幸せにしてあげたいと思うイザベラは悪ではないように思います。
まとめ
ママとは子どもたちにハウスの真実を隠し、幸せな生活を与えながらもいずれ鬼の餌として子どもたちを出荷してしまう残酷な立場でした。
大多数の子どもが何も知らないまま鬼の餌になる中、選ばれし女子だけがママになる道を与えられ、生き延びることができます。
イザベラの補佐だったクローネも「このクソみたいな世界」とごくまっとうな考えを持ちながらも、生き延びるために飼育監の道を選んでいることから、イザベラも好んでママになり、子どもを餌にしているのではないと思いませんか。
ハウスで「出荷」か「ママになる」かという選択肢に、エマは「人間が生きられる世界を作る」という斬新な選択を加え、ハウスを脱走して、未来を叶えるために奔走しています。
イザベラが選択することができなかった未来を必死で叶えようとするエマを、イザベラは応援しているのかもしれません。
